![]() UAEはドバイのPanerai直営店。 毎回ドバイに行く度に必ず顔を出すようにしている。 これで今年の訪問は4〜5回になるだろうか・・・。 今回は、珍しくラジオミールが店頭ポスターを飾っているのを機に、 このドバイ・パネライBoutiqueを紹介することにしよう。(2010/10/10 393100) |
(パネライ・ドバイBoutiqueは、世界最大のショッピング・モール内にある〜) ![]() このHP上でも今まで何度と無く言及してきたドバイ・モール。 言わずと知れた世界最大の屋内ショッピング・モールであり、恐らく、独立した高級時計ブランドの旗艦店が集まる数でも世界最大規模。 中東の特殊性からして、直営店とは言えメーカー100%出資と言う訳には行かない。現地代理店保護法もあり、必ず現地資本が絡んでいる。 その意味から、ドバイにおける地元有力資本としては、Siddiqui & Sons、とRIVOLIグループの双璧資本が背後に存在する。特に前者のSiddiquiは、その業態の柱が不動産とは言え、長年、ROLEXの代理店として老舗時計小売業の基礎を築いてきた実力派。今回紹介するパネライBoutiqueも、バックボーンはSiddiquiである。『時計オヤジ』は以前、ドバイ在住中に何度と無くこのSiddiquiのWAFI店舗でパネライを購入したものだ・・・。ドバイにおける各ブランドの店舗展開の原則は、ブランド毎に独立したもの。特に一流スイス系ブランドであれば、殆どがこのドバイ・モールの中で目にすることが出来る。時計好きにとっては、ドバイ・モールとはディズニーランドよりも遥かに楽しい『時計ランド』であることは間違いない。 このパネライBoutqueはIWC直営店とROLEX店舗に挟まれた形で構えている。 特に今回、目を惹かれたのは、ショウ・ウィンドウのポスターにP.999が使われていること(↑上写真)。 今やパネライの看板モデルは何と言ってもルミノール系に間違いないのであるが、そこに敢えて、ルミノールの陰に隠れてやや存在感が薄いラジオミールを持って来るとは、ラジオミール大好き『時計オヤジ』としては注目せざるを得ないのである。 このスワンネック付きCal.P.999のポスターには何ともシビレル・・・。 |
(パネライBoutiqueの内装はまだ旧来のデザイン・配色が中心〜) パネライ・ミラノBoutiqueで紹介したような新しいカラーではない。 従来の木目っぽいキャビン・デッキをイメージしたデザインで個人的にはコチラが好み。 店内には商談机が2セット、応接セットが1セットある点では他のパネライBoutiqueと共通しているが、スペース的には可也余裕があることは事実。他の客の目や耳を気にせず、ゆったりと話が出来る点は嬉しい。因みに店員は9割以上がインド人であり、これは他ブランドのBoutiqueでも同様である。ドバイではインド人社会が、こうした商売実務を推進しているのである。 (↓下写真)応接コーナーの壁には渦巻きモデルのスケルトン拡大写真が鎮座する。ブラック・コーティングされた歯車やら、ブリッジの写真は迫力十分。まだ実物を拝観したことは無いが、こうしたポスターだけでも十分、お腹一杯になってしまう。 ![]() ![]() |
(まだまだ玉不足の42mm”Oro Rosa”茶金ラジオPAM00336を拝見する〜) ![]() 2010年SIHHで発表された42mmラジオミールの”ORO ROSA”(オーロ・ローザ)。 自家製の新型手巻きキャリバーP.999を搭載するのだが、市場ではまだまだ十分にデリバリーされていないようだ。 光の関係で革ベルト色が紫になってしまったが、実際は茶色である。 文字盤はマット・ブラウン、ケースはベゼルだけがPolished、ケース本体はBrushedの艶消し仕上げ。数字の9が欠けているのが何とも惜しい! それ以外は元祖2重サンドウィッチ文字盤もオリジナルっぽいのであるが、このBrushedケースは個人的好みからは外れる。どうしてもPGの質感が損なわれてしまうからだ。これではブロンゾと同じようなもの。 42mm径であれば、黒文字盤でPolishedケースのPAM00378がやはり気分であろう。 ![]() (←左写真) この手巻きP.999は中々良い。 何が良いかといえば、デザインが古典であること。 スワンネックとチラネジ付きテンプ、そして全体の意匠も落ち着いているのだが、受け板上のロゴが青地装飾されているのは興醒めだ。 ルビーのピンクと青字は似合わない。加えて言えば、受け板の筋目仕上げも高級感が全く無い。これでは丸でセイコー5の裏スケ仕上げと同じ印象さえ抱いてしまうではないか・・・。 これはP.3000系統でも同じであるが、この辺の仕上げはまだまだパネライとしての課題である。どうしてジュネーヴ・ストライプを装飾しないのか、全く持って解せない。因みに下のPAM00355では確りとジュネーヴ・ストライプが施されている。この辺のギクシャク感が今一歩であり、詰めの甘さ、意匠の哲学の曖昧さとなって露出してしまっている点だ。 そして、更にもう一点、SSモデルやTitanモデルではスワンネックが省略されていること。そこまで欲しけりゃゴールドモデルを買いな、というメッセージが露骨過ぎる。この点はもうちょいと、ファンサービスしてくれても良いのに、ボナーティCEOも頑固一徹なのであろうか・・・。スワンネック1個で差別化を図ろうとする『姑息な手段』が誠に残念である。 (こちらも2010年モデル。PAM00355のGMTアラームも42mm径である〜) パネライでアラームと言えば、ラジオミールしか搭載モデルはない。 中3針で復活したGMTアラームであるが、昔からこのデザインには食指が動かない。一言で言えば、鳴り物時計自体に魅力薄である。但し、このアリゲーター本革ストラップは中々良い。ややエンジがかった明るめの赤茶カラーで、高級感も漂う出来栄え。パネライの純正アリゲーター(クロコではない)は、どのモデルでも非常に質感も伴う丁寧なもの。 ![]() ![]() (今後とも生き残るであろう『42mm径サイズ』〜) 42mmもシブトク生き残っている。今や、ラジオミールとしての主力サイズは42mm、45mm、47mmの3種類。 中でも存在感が薄かった42mmはP.999投入で俄然、活気を帯びてきた。折から昨年からムクムク湧き上がってきた『脱デカ厚、ピタ薄回帰』の波に乗り、今まで忘れられていた42mmサイズがゾンビのごとく復活だぁ。SS、チタン、18KPG(Polished/Brushed)と、3針モデルだけでもいきなり『4種類攻勢』、をかけてきた。 逆にかつてあった40mm径は今や完全消滅・・・(まぁ、コチラはWG/PGの2本を押さえたからもういいけど・・・)。 一時期、中心サイズであった45mm径も最近ではパワー不足。現在は47mmと42mmの2極分化でラジオの充実を図ろうとするのがパネライ戦略と見た。一方で手巻きユニタスベースも行方も興味深い。果たして、これからの新モデルにおいて、P.999とP.3000、そしてベースユニタス手巻きがどのような立ち居地を振舞うのか、ムーヴメントから見たラジオミール分析も今後、当面の楽しみ方としてアリかも知れない。(2011/10/10) 393100 2011年5月、イタリア再訪関連ページ: ⇒『GRIMOLDIの長男、ロベルトと再会する』はこちら。 ⇒『2011年5月、ミラノ再訪記』はこちら。 ⇒『U-BOAT直営Boutique訪問記@フィレンツェ』はこちら。 ⇒『ダ・ヴィンチ科学技術博物館訪問記@ミラノ』はこちら。 ⇒『聖地巡礼3部作・パネライ・ミラノ直営Boutique訪問記』はこちら。 ⇒『聖地巡礼3部作・フィレンツェ1号店Boutique再訪記』はこちら。 ⇒『聖地巡礼3部作・イタリア海軍技術博物館訪問記』はこちら。 パネライ関連WEB: ![]() @ルミノールGMT(PAM00088)はこちら。 Aラジオミール(PAM00062)はこちら。 B『生誕地フィレンツェにPANERAI Boutique 1号店を訪ねる』はこちら。 C『デカ厚ブームの嘘、パネライの真実』はこちら。 D『マニファットゥーレ・フィレンツェManifatture Firenze・Aged Calf Leather Strap 1942』はこちら。 E『マニファットゥーレ・フィレンツェ・新作2本』はこちら。 F『ヌーシャテル訪問記〜パネライ工房門前払い』はこちら。(2006/10/01UP) G『ラジオミール・ブラックシール(PAM00183)』はこちら。 H『ラジオミール用革ストラップにおける”全体バランス論”』はこちら。(2010/01/01) I『2010年8月、リヤドの直営BOUTIQUEを訪問する』はこちら。(2010/08/13UP) J『ラジオミールPAM00103、小体で古典な三味胴ラジオの楽しみ方』はこちら。(HP開設7周年記念) K『UAE・ドバイのパネライ直営Boutique訪問記』はこちら。(2011/10/10UP) 『ちょい枯れオヤジ』の過去のイタリア関連ページ: 『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』はこちら。 元祖、2005年1月の『ドゥオモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。 『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』はこちら。 『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』はこちら。 『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。 フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。 フィレンツェのアウトレットで買う『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。 『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』はこちら。 ⇒ (腕時計MENUに戻る) |
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