随筆シリーズ(93)

『2011年5月、再訪・ミラノのGRIMOLDIで長男ロベルトと再会する』





ミラノを訪問してGRIMOLDIを見ない時計好きはモグリ、ならぬ『グリモグリィ』・・・。
ミラノの名店として2店あるが、いずれも個性的な品揃えで楽しい。
最近、オリジナル・ブランドでは元気が無いようなのがちょいと気掛かり。
久々の再訪に胸が高鳴る・・・。(2011/6/13)



(ようやく白亜の姿を現した名所ドゥオモ〜)

まずは期待していたドウォモである。
前回訪問は2006年秋が最後。当時、ドゥオモ正面は修復の真っ最中で白いカバーで覆われていたが、今回、遂に白亜の美麗な全容を拝むことが出来たのは何とも嬉しい限り。
↓下写真の左側に位置するのはヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガレリアへの入り口に相当する凱旋門。
この広場に来るとミラノを実感するのだ。

前回、2005年1月に訪問した名店GRIMOLDI
ミラノに来てGRIMOLDIを訪問しない時計ファンはモグリであり。グリモグリと呼んでいるが、そんな駄洒落も言いたくなるほど嬉しさで再訪の感激が蘇る2011年5月の初夏のミラノである。
※昼間と夜間に撮影したドゥオモを堪能頂きたい。因みに、昼の写真撮影は午後からがオススメ。
  午前中はドゥオモ正面が逆光となり、記念撮影には不向きである。


                        (↓)広角18mmレンズ使用。             (↓)広角24mmレンズ使用。

























(←左写真: GRIMOLDIの長男、ロベルトと再会〜)

ヘアスタイルもファッションセンスもガラリと変わった印象のロベルト。
店内に足を踏み入れた途端、その気さくな人柄で『時計オヤジ』を向かい入れてくれた。何と、6年以上も前にここでZODIACクロノを購入したことを覚えてくれたのにはこちらも感激。確かに、あの時も写真撮りまくりで、色々な話をdeepに行った記憶がある。可也迷惑もかけちゃったかなぁ、と、こちらはそんな記憶があるのだが、こうして飛び込みでロベルト本人と面談できたのは幸運、としか言いようが無い。

時計そのものも楽しいけど、こうした人との面談、再会、繋がり、といったものはもっと楽しい。そのバーガンディーのサスペンダーといい、腕まくりに白襟のシャツにジーンズという井出達がお洒落。GRIMOLDIらしいではないか。

以前にも紹介済だが、ミラノ市内にはGRIMOLDIは2店舗ある。
このドゥオモ店とManzoni通りにある高級ライン向け店舗である。どちらも個性的、どちらもコダワリの品揃えが魅力。
ミラノ訪問の際には是非、オススメである。








(⇒一斉を風靡した代表モデルがこちら〜)


GRIMOLDIと聞いて真っ先に連想するのがこのモデルだろう。
独特な特大オーバル形状のケースに、極太リーフ針、そして秒針はウネウネ波打つサーペント針。
そして文字盤のINDEX数字書体も陰影を持つ独特なアラビア数字。
ETAベースの自動巻き搭載ながら、この唯一無二のキャラクターこそGRIMOLDIの真骨頂。この後、幾多のフォロワー達を生み出し、一大GRIMOLDIブームを引き起こしたのだ。

フランクミュラーやパネライ、そしてその影で着実に開花したのがGRIMOLDIであった。今や、こうしたモデルでさえ知らぬ人も多そうであることがGRIMOLDIの存在、立ち位置を物語っている。少々寂しい。







(⇒新作、ダイバーズ”LUNAR”がこちら〜)

最近調子はどう?という会話からこの新作ダイバーズを紹介してくれた。
ロベルトが右腕に付けていたオレンジ色ベルトが最初から気になっていたのだが、これがその新作ダイバーズという。
モデル名は”LUNAR”で、元々はGRIMOLDIファミリーの創始者たる父君のアンセルモ氏の時代に創り上げたブランド。それをこの程、ダイバーズで『復活』したのである。

右写真のモデルは500m防水でかなりゴツイ。SS製で、ヘリウムエスケープメント・バルブは無い。このオレンジ色のベルトは本革製。しかし、表面上はやや厚めのPVC加工が施されているので、クッション性に富み、厚みも可也のもの。5mm以上はラクにある。ボリューム満点。INDEXはご覧の通り、サブマリーナを連想させるツボを抑えたデザイン。極太ペンシル針にも夜光がたっぷり。こりゃあ、結構、行けるかも・・・。







(流行のメッシュ式ブレスもOPTIONで用意しているところがにくい〜)

このブレスもSS製なので、時計本体との組み合わせでは物凄く重い。
恐らく、サブマリーナの1.5倍はありそう・・・。
それでもメッシュ式は良い。ラグ回りに無駄な空間も出来ず、ストレートの本体部分との密着度は抜群。ケース左横にはイタリア国旗の三色マークが彫り込まれている。これがまた遊び心満載で、オサレ〜。



























(⇒右写真: コチラは200m防水モデル。
         クッションケースはこれまた迫力満点〜)


中身の機械は共にETAベース。信頼性には何等問題なかろう。
下手なマニュファクチュールよりもETA28系であれば信頼度もコストパフォーマンスからも不安は無い。

こちらのブレスは5連式だが、いい味してます。
それにしても、市場的には飽和状態のダイバーズモデル。この激戦区で勝負に出るとは、可也の自信作であることに疑いない。
これから時計Beginあたりでも紹介するのかしらん???
高級路線のクロノスでは無理だろうなぁ〜・・・。










(⇒右写真:LUNARモデルのフルラインアップ〜)


シンプル3針系もあるが、こちらはMIYOTAのクォーツも採用。
ちょっとカーキっぽいミリタリー系にも似ているようで、中々ワイルド路線で攻めているLUNAR達である。

最近、日本でもマスコミでもGRIMOLDIの名前を中々見る機会が減ったのは寂しい。アイコンでもある楕円形の定番時計は勿論今でも健在であるが、どうしてもファッションブランドの域を脱し切れていないのが残念だが現実だろう。GRIMOLDIとは小売店であり、あくまで自社ブランド銘の時計は全て外注。それでもこうして完全オリジナルデザインの開発に頑張っていることには拍手を送りたい。

日本でも天賞堂やシェルマンあたりがオリジナル時計を発売しているのと似ている。本業はあくまで小売店だが、オーナーの趣味も高じて、自社ブランドでも市場に乗り出すあたりの心意気には本当に賛同、賞賛するのだ。

ミラノでGRIMOLDIを訪問して初めて、ミラノに来た実感が湧いてくる。

頑張れ、GRIMOLDIファミリー達よ!
頑張れ、ロベルト兄さんよ!! また会おう!!!
(2011/6/13) 372350




2011年5月、イタリア再訪関連ページ:
⇒『GRIMOLDIの長男、ロベルトと再会する』はこちら
⇒『2011年5月、ミラノ再訪記』はこちら
⇒『U-BOAT直営Boutique訪問記@フィレンツェ』はこちら
⇒『ダ・ヴィンチ科学技術博物館訪問記@ミラノ』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・パネライ・ミラノ直営Boutique訪問記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・フィレンツェ1号店Boutique再訪記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・イタリア海軍技術博物館訪問記』はこちら


『ちょい枯れオヤジ』の過去の関連ページ:

『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』はこちら。
元祖、2005年1月の『ドゥオモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。
『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』はこちら。
『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』はこちら。
『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。
フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。
フィレンツェのアウトレットで買う『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。
『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』はこちら。




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