OFFICINE PANERAI  オフィチーネ・パネライ

PANERAI RADIOMIR 40mm PAM00062 CAL.OPVII

『極上時計礼讃〜パネライ・ラジオミール編』



パネライ・ラジオミール。
あのロレックスが歴史上、他社にムーヴメントを供給した唯一のブランド、
知る人ぞ知るパネライである。時計好きでラジオを知らぬ人はいない。
パネライの中でも小振りで可愛い40mm径のフェースである。
筆者の位置付けは、極めて品位ある『極上時計』に他ならない。
しかし、世間での認知度はまだまだ無きに等しいのだ・・・。(2004/4/13)



(パネライの原点、ラジオミールの生い立ち〜)

”ラジオミール”の語源は、硫化亜鉛と臭化ラジウム、メソトリウムを合成したラジウム性夜光塗料を利用したことに由来する。またパネライのそもそもの起源は軍用時計にある。1938年のラジオミール第一号誕生から60年間で僅か300本程度しかイタリア海軍に納入されていない。いわば幻の時計であったのだ。1998年、リシュモンによるブランド買収・再構築のPROJECTにより、ランゲ&ゾーネ(1994年復活)同様に純粋な商業ブランドとして衝撃的なデビューを飾った。世間に数々の雲上モデルはあれど、このラジオの魅力はPATEKにも、CARTIERにも決して引けをとらない。独特の存在感、デザイン、ステイタスも兼ね備えているのだ。このラジオミールは筆者にとって1、2を争う極上時計である。
見ても、着けても身震いがする時計。それがラジオミールなのだ。
しかし、世間の認知度はゼロに等しい。この時計で威張りは一切、効かない。
因みに腕時計で自己主張をしようと考えるのは大きな間違い。

時計などの小物はあくまでアクセントにすぎぬと割り切るべきだ。
そうした小物は自己満足の世界において、自らが独り密かに楽しめば良い。
それでも公(ON)の場においては、残念ながらパネライ(特にルミノール44mm系)は不向きである。ハズシ狙いでパネライ、というアプローチは如何にも子供っぽい。人の目に触れることを意識する場合には品の良い、 CARTIERタンク系や ROLEXデイトジャストGRAND SEIKO等の『質素』でケース径40mm以下の時計を選択する方が賢明である。


(「小ぶり」なラジオの魅力の数々〜)


何が魅力的であるか、その特徴を簡潔に纏めると:
@クッションケースの可愛らしいデザインとケース径40mmという絶妙な大きさ。
  Massiveなケースとは対照的に古典的なワイヤード・ラグがアンバランスの中に確固たるスタイルを築いている。
  全体のデザインも素晴らしく美しい。パネライとしては女性的な印象が漂う。どんぐり、のようなゴロっとした可愛さがある。
  因みに本格的なワイヤード・ラグは少ない。D&Sカレ・コンブレ、フェラガモ、バーバリー、R.ライトン(ハドソン)が似たようなラグを有するが、みなバネ棒を使用する。本格的なラジオのワイヤードラグとは異なる。
AムーヴメントはZENITHエリート680ベースのCal.OPVII。
  日付も時計の時間帯に関わらず前後に早送り、後戻りが自在に出来るのだ。
  時計好きには日付けの後戻りは極めて抵抗が大きい。可能であっても勇気がいる逆回転だ。
  多分、こんな芸当が出来るのは恐らくエリートシリーズだけだろう。慣れても日付逆戻りは大変に怖い。
  如何にも近年開発されたムーヴらしくカッチリして信頼性も高く、非常に扱い易い。
  それではこのムーヴがPATEKのそれに勝るか?と問われれば、正直、答えに詰まる。
  しかし、時計の良さとはジュネーヴ・シールだけではない、(PATEKの)170年の歴史だけではない。
  『一目会ったその日から・・・』、相思相愛?という感情こそがお気に入りの時計たる所以、根源ではなかろうか。
Bお決まりのグラスバックからは、綺麗に磨かれた機械部品が鑑賞できる。
  出来れば高級感のあるコート・ド・ジュネーヴ装飾にして欲しかった。
  ルミノールにも共通事項であるが、地板の”PANERAI”装飾がちょっとチープな感じで好みではない。
C100m防水に伴い、ネジ込式のリューズは独特な漏斗のような形状で良いアクセントになっている。
  これはまさに古典的な意匠、コインエッジのような切れ込み模様も綺麗だ。
  何よりもこのリューズの大きさが良い。大きい、独創的なデザイン。これが最大の魅力だろう。
D18KWG特有のロジウムメッキの鈍い輝きとずっしりとした重みが所有する喜びを与えてくれる。
  本来、18KWGというのはやや黄色味がかった色らしいが、ロジウムメッキにより白っぽい輝きを加えている。
  殆どのWG製にはメッキがかかっているのだが、メッキ無しのWGにもいつかお目にかかりたい気がする。

リシュモングループの最高級ブランド品でもあるので、細かい造り込みの良さは折り紙付きである。唯一の欠点は「価格」であろう。特に最近のパネライは全体的に定価からして高騰している。”Value for Money”の観点からはちょっと感心出来ないのが正直な感想である。




(ZENITHエリート680ベースの安定感あるムーヴメント〜)

個人的には伝統的な波形のジュネーヴ・コートが好みだ。ブラック・シールBlackSealにおいても2004年モデルと2005年度モデルでは刻印がジュネーヴ・コートに変更されている。遅まきながら、パネライもようやく、という感じだ。丁寧に施されたジュネーヴ・コートとペルラージュはスイス高級時計の証だ。小細工は止めて王道を歩むべし!)

(←左写真: Cal.OPVII 地板&ローターには”PANERAI”の文字が一面に刻印されている。同じリシュモンに属するカルティエも同様に地板のネーム装飾を持つ。テンプ左横に位置する黄銅色の4番車がゼニスムーヴの特徴だ。)

ケース径40mmという大きさではあるが、ルミノールシリーズと比較すれば可也の「薄型・小径」であり、実用としても充分に使用可能なサイズである。決して控えめなデザインではないが、ベルトを黒クロコ艶消し(光沢でも可)に変更すれば何とか仕事でも使えよう。ROLEXサブマリーナのように、Yシャツの袖口にも引っかかることも無い。しかし敢えて大型時計を仕事上使う時は、Yシャツ袖口のボタンの位置を5ミリ程度ずらして、上手く滑り易くシャツ内に隠す等の工夫が求められよう。これみよがしの時計装着は「野暮」以外の何物でもない。時計は目立たせてはならない。「鉄則」である。




(見やすい大型文字盤とパネライ数字がいいね。但し、分針の短さが気になるところ〜)

悲しいかな、昨年(2003年)から老眼が始まった『時計オヤジ』にすれば、大きな文字盤は尚更非常に見易い。
ユーザーフレンドリーな時計でもある。12−3−6−9のパネライ数字が全部揃うのも嬉しい。筆者の知る限りラジオミールで4つのアラビア数字INDEXが揃うのはこのモデルと1997年にパネライ第一号で60個限定発売された「ラジオミール45mm」(PAM00021)、そしてその復刻版とも言うべき2005年の45mmラジオミール・ベース(PAM00210)、の3種類だけである(⇒PAM021とPAM210のナンバリングがニクイ!)。夜光塗料ルミノバで盛り上がった数字も中々気分だ。最近のINDEX繰り抜き型の2重文字盤も良いが、シンプルな夜光も味わい深い。
PAM00062のindex-barは18KWG製。時針も夜光付きペンシル型でこれも18金製、と推測するのだが堂であろう。当然デイト表示は筆者の嗜好にもドンピシャリ。加えて分針が読み取れるインデックスがあるのも実用的で◎。9時位置の秒針小ダイアルといい、4時と5時の間にある日付表示窓といい、まさしくエリート680の意匠である。
唯一かつ最大の欠点は時針の短さだ。特に分針が文字盤周囲のINDEXに届かないのは『寸足らず』の感を否めない。これはこのラジオミールに限らず、パネライ全体に言えることだ。更に言及すれば、PATEK含めた多くの時計が、あと『2mm』短い分針が何と多いことか。各メゾンの哲学にも寄るのだろうが、時間を表す時針の役目はINDEXにキッチリ届くこと、というのが筆者の持論である。オメガやロレックスはこの辺をわきまえている。

この手の時計には複雑機能は必要ない。
パワーリザーブやら、ムーンフェイズやら、レトログラードやらと言った付加機能は一切不要である。邪魔である。そもそも複雑時計とはカジュアル・ユースであるのだ。仕事上、フランクのロングアイランド・パーペチュアルカレンダーやクレージーアワーなんぞは御法度にして頂きたい。シンプルな3針デイト付きだけで十分である。唯一、欲を言えば輪列の半分をローターが隠してしまうのは勿体無い。出来ればロングパワーリザーブの手巻きか、ChopardやPatekのようなマイクロローター(*)にして欲しかった(パネライには似合わないのは承知の上だが)。それだけである。文句は無きに等しい。
(*)2014年SIHHにて、何とCaliber P.4000の自家製マイクロローターがデビューした。まさに度肝を抜かれたまさかのマイクロロー登場に驚嘆と歓喜と賛美である。追記13参照。

実用性、デザインバランス、装着する感動、全てを兼ね備えた古典的デザイン、加えて最新の機能を持ち備えた傑作品であると断言する。悲しきは、今やZENITHムーヴの提供が昨年(2003年)より打ち切られたことにより、エリート搭載のPAM00062/103も、そしてエルプリメロ搭載のルミノール・クロノも生産中止になったことである。




(リッチなアリゲーター製革ベルトはボリューム感たっぷり〜)

このラジオミールのベルトサイズは23/20mm。ベルトの長さはラジオ用純正で4種類ある。ルミノールの44mm用(24/22)でも40mm用(22/20)の革ベルトでも多少加工をすれば使えるが、やはり純正ラジオ用の薄型ベルトがお勧めである。薄型、と言ってもその厚みは並みのベルトとは桁違いだ。側面で2mm、中央で4〜5mmはあろうか。『十分過ぎる厚み』に最初は驚くだろう。OE革ベルトは薄茶色アリゲーターであり、厚み、に加えて非常にしなやかで柔らかい。厚くて硬いベルトはいくらでもある。厚くてもしなやかであること、それが高級革ベルトの特徴だ。丸でタコ糸のような極太白スティッチと併せて一目で高級品と分かる。オーストリアHirche製らしいが、暫くはこのベルトを使い込みたい。その大きな竹符も立体的紋様が見事である(アリゲーターとクロコの違い、竹符と玉符の違いは略)。スペアとして黒の厚手オーストリッチ(24/18)も入手済み。純正バックルは18KWG製の伝統的形状であるが、筆者は他社製のプッシュ式ダブルDバックル(右下写真↓) に変更している。SS製であるが、違和感は全く無い。利便性も装着製もプッシュ式Dバックルは抜群である。



(パネライの分類方法について〜)

数々のパネライがあり、パネラー、パネリスティにしてみればその選択に悩む。以下、パネライの分類方を考えてみた:
@ヒストリック(ベース)系、コンテンポラリー系、限定生産モデル系
Aルミノール系、サブマーシブル系、ラジオミール系
Bケース径での分類: 44mm径、40mm径、その他(42/47mmなど)
Cブレスレットモデル、革ベルトモデル
D自動巻き、手巻き

パネライを選ぶときに一番悩む競合相手は、パネライの他のモデルであることが多い。パネライのライバルはパネライ、であるのだ。通常、人は時計を買うとき、じっくり悩んだ挙句、若しくは衝動的にでも1本づつしか買わない。複数のまとめ買いはしないのである。ROLEXを同時に2本買う人は稀であろう。しかし、「パネライ2本買い」する人は珍しくない。いやはや、困った魅力である。



(Where to buy ? 後悔しない購入先とは〜)

どこで購入するべきか悩む問題であるが、やはり正規店が安心、かつ満足感も高い。筆者はアラブ首長国連邦ドバイにある正規店で、数々の雲上ブランドを抱える高級店AHMED SEDDIQI&SONSで購入した。この店は仮に入場料を取られても入りたいくらいのファンである。ランゲ、パテック、フランク、P.クンツ、FP.ジュルヌ、ロレ、IWC、ジャケ・ドローその他、観るだけで目の保養になる雲上モデル揃いだ。

決して広くは無い。接客も日本人の感覚では一流とは言えない。インド人の店員も知識不足ではあるが、全体の雰囲気から許せてしまう。ドバイに行ったらSEDDIQIを訪問しない手は無い。但し、SEDDIQIの本店(=Wafi Shopping Centre)がお勧めである。新バージュマンセンターも宜しい。尚、筆者の知る限り、各国の空港DUTY-FREEでパネライの販売はない。市内の専門店か、ブティックのみである。






(ラジオミールPAM00062の主な仕様〜)


28,800vph(8振動@秒)、COSC認定、26石、55時間パワーリザーブ、100m防水、ネジ込式ロックリューズ、風防無反射サファイアクリスタル1.5mm厚、ムーヴメント径11.5lignes(約25.9mm)、脱着式ワイヤードループ(Patent申請中)。2000年のC番品からデビュー。2002年のE番品500本限定まで、18KWGは3年間で合計1,700本の生産が計画されたが実際のリリース本数は不明。E番品後半からローター素材が18金に変更となる。アリゲーター革ベルト、美錠用の小穴は丸型であり、ルミノールの楕円小穴とは異なる。18KWG製ケース+SS製Dバックル装着での重量は110グラム。SSブレス付のROLEXデイトジャスト(90g)よりも重い。この重さが満足度を上げる。

(←左写真: 上述した通り、分針(長針)の短さだけは気になる。あと2ミリは欲しいところだ。)


(パネライの方向性について〜)


もうすぐジュネーヴ・サロン。2004年SIHH開催である。ランゲは画期的な技術(脱進機?)を発表するとの噂もある。元気なJLCは今年もまた何かやりそうだ。果たしてパネライはどうなるのであろうか。過去、6年間で可也のモデル展開を成し遂げた。残るはZENITHムーヴ亡き後の新ラジオミール展開と、マーレノストロム、そして大穴として女性用モデルの投入であろうか。今年は45mmラジオミールSSモデル(=BLACK SEAL)などもあるようだが、パネライのブランド理念は軍用に根差す故、あまり砕けたモデルはファンの反感を買うであろう。毎年、加熱した顧客は過激な新商品を求める。そろそろ新製品ラッシュの毎年のお祭りムードから一歩離れて、少し落ち着いた展開をしては如何なものか。一方で、総合力、売上の伸び率でSWATCHグループから水を開けられたRichemontとしては、新商品開発にドライブをかけざるを得ない状況にあるかも知れぬ。いずれにしても今年もワクワク、ドキドキして来週からのSIHHを待つのである。(2004/4/13)



(参考文献)
PANERAI STYLEBOOK T、U(世界文化社刊)
PANERAI HISTORIA(Giampiero Negretti著)  



追記1) 予想通り、SIHHで新ラジオミールの本命たる45mmラジオミール8DAYSが発表された。手巻き式JLCムーヴ搭載の王道、直球勝負で来たところは嬉しい。2層式文字盤、巨大なスケルトン・バック上にあるパワーリザーブ表示も非常によろしい。しかし、『9時数字』表示が無いのは不満だ。復刻モデルであれば、徹底して細部にまで拘って欲しい。個人的には45mm径はデカ過ぎる気がするが実物はどうであろうか。40mm径でも十分に大きいのである。今秋の店頭で見れる日が楽しみだ。(2004/4/21)

追記2) 2005年SIHHでは、怒涛の1950(47mm)モデル攻めである。今まで限定であった1950が左リューズモデル含めて、ドドドっと発表された。ラジオも45mm新型2針がリリースされ、文字盤は全て夜光数字部分が打ち抜きとなる。迫力に圧倒される2005年モデルだが、『時計オヤジ』の期待とは少々異なる展開になっているようだ。パネライの原点復古政策を明確に打ち出した2005年SIHHと読み取るのだが・・・。(2005/4/08)

追記3) 『時計Begin』夏号vol.40(p.130〜)は必見。パネライの自社ムーヴ開発のコンセプトが紹介されている。ハイビート、3つの香箱搭載、8日巻き、が基本スペックの模様。香箱が奇数の3つ、というのは前代未聞。まさか3重の香箱配置か?大変興味深い基本コンセプトであり、パネライは復活後の黄金期をまさに迎えようとしている。願わくば、醜悪なデザインだけは避けて欲しい。ベーシックなデザインにこそパネライの真髄があるのだから。(2005/6/19)

追記4) 『時計Begin』秋号vol.41も必読。パネライの自社製ムーヴCAL.P.2002、2層式3バレルの新型8DAYSの詳説は大変興味深い。恐らく2006年に発表されるであろうこの新型ムーヴは、いよいよ自立したパネライの本格的な始動を予感させる。期待度120%であるが、価格は軽く200万円オーバーであろう。GMT機能、Wブリッジ式マイクロステラスクリュー付きテンプ、ゼロ・リセット機能など豪華テンコ盛りだが、欠点は裏スケとは言えメカが殆ど見えないこと、パワーリザーブが水平表示であること。『時計オヤジ』にはこの2点がどうしてもひっかかるのだが・・・(2005/9/24)

追記5)Paneraiからnewsletterが届いた。公式Webに自社ムーヴCal.P2002の登場だ。PAM00200(18KWG)とPAM00201(Plutinum)の正式披露である。45mmケース径、21石、245部品からなる3香箱式8日巻きロングリザーブ機構・・・・てんこ盛り機構の高級ムーヴには間違いない。だが何故かデザイン的にしっくりとこない。
パネライは焦っている。高級ブランドを名乗るメーカーであれば自社ムーヴを持たぬことはセールストークから見ても『本格派』を名乗るには物足りない。ある意味、致命的な決定力不足。そこでパネライはいきなり複雑系ムーヴ開発で挽回を図ろうとしたように見える。本来、手巻のベーシックムーヴから始めて、ベースキャリバーを土台に複雑系へ発展した方が自然だ。LUC1.96のようにショパール的戦略は王道であろう。しかし、パネライは一発逆転ホームランを狙うべく、こうした高級複雑ムーヴで一挙に形勢逆転を図ったが、もう少し地道に、段階を経た取組でも良かったのではないか。一方でそれを許さない、時間的余裕の無さ。どうしても対極にあるETAを握るニコラスグループへの対抗戦略を急がざるを得ぬ状況もあろう。そうであれば、いっそのことリシュモングループの中にムーヴ開発専門会社を設けたらどうだろうか。投資効率、開発期間やコストにも大きなメリットがあろう。JLC製8-DAYSなど、メゾン間の交流は既に十分。しかし、ルノー・エ・パピやらBNBのようなムーヴ開発R&Dも兼備えた戦略基地を独自に作る、そこで各グループ内メゾンと共同、若しくは先行委託式に個別ムーヴの集中開発を図る、そんな更に深化した『グループ内分業の時代』が目の前に来ている気がする・・・・  Cal.2002、暫くは各方面からのその実力評価を待ち望みたい。SSケースはない。(2006/3/18)


追記6)
『時計オヤジ』が2006年1月にヌーシャテルのパネライ工房訪問時は、予想通りに門前払いを食らった(⇒アポ無しだったからね・・・当然)。 『日本版クロノス』第7号125ページに、そのヌーシャテル工房紹介の記事がある。その中でCEOボナーティ氏が装着しているラジオミールは2007年発表予定の『10日巻きの自動巻きムーヴ』搭載モデルであるそうだ。相変わらずやるねパネライ。本気だね、ボナーティ氏は。来年発表の新型・自動巻き10日間パワリザ・ラジオミールに期待したい。(2006/10/22)

追記7)
2007年度モデルが勢揃いした。デザイン的にはPAM268、手巻8日巻きラジオミールが一番大人しくて良い(⇒右写真:400本限定、$10,800)。自社製キャリバーCAL.R2002/3を搭載したこのモデルの登場でJLCキャリバー搭載の8-DAYS(PAM190)はディスコンになることだろう。キャリバーの『味わい度』から言えば以前のZENITHエリートやエル・プリメロ、JLCキャリバー搭載モデルが好みだ。怒涛の新型自社製キャリバーはまるでSEIKOのスプリングドライブのように、そして最近の高性能車のエンジンルームのようにブラックボックス化してしまった。フェラーリモデルに至っては完全に『パネライ・オヤジ』の興味の対象外。高性能の内製キャリバーは複数バレルを搭載し、厚みも増し、鑑賞する要素は丸で排除されている。その開発・発表とは裏腹に、『時計オヤジ』から少しずつ遠ざかってゆくパネライ達。新モデルが登場する度に、ラジオミールPAM00062/103の存在感がさらに際立つ。。。(2007/5/28)

追記8)
現行品ラジオミールにおける好みはPAM00183(手巻、秒針付き)とPAM00268(自家製キャリバー搭載、8DAYS)だ。共にSS製ケース径45mmの巨大サイズ。ラジオのシンプルさ、無骨さが上手く表現されているユニタス搭載のPAM183ブラックシールが目下、一番のお薦めである。(2008/2/03)



追記9)
2009年SIHHでヴァシュロン・コンスタンタンから発表された”ヒストリック・アメリカン1921”に大注目している(⇒右写真)。往年の傑作ドライビング・ウォッチの復刻版だが、40mm径クッションケースはまさにPAM00062同様のシェイプ。クッションケースが如何に古典に範を得ているかが分かる好例であろう。
右上コーナーに配置された竜頭もオリジナル通りの復刻である。PAM00062をこうして並べて比較すると、際立つのがその”古典的オリジナリティ”。ラジオミール生誕が1938年であるので、このヴァシュロンモデルは”先輩”に当たる訳だが、当時の流行でもあり、スポーツ系ウォッチとしてのひとつの造形美の象徴がこのクッションケースであったかも知れない。
こうして見てもPAM00062の美しさには我ながら惚れ惚れしてしまうのだよ。(2009/05/10)




追記10)
カジュアル・ウォッチのDIESELから右写真の時計を発見!!!
これって、まさにそのまんまPAM00062ではないか。
極太ワイアードループは固定式。よって革ベルトはそのループを通してビスで固定する仕組みだ。兎に角、ケース形状がラジオミールと瓜二つ。プレス打ち抜きされた針はチープだし、文字盤のデザインもイマイチだが、全体的な雰囲気は、まんまラジオ、である。
ケース色は淡いゴールド。これもチープである。
致命的なのは革ベルトが短いこと。そう、この時計はベルトサイズのみが女性用。
男性用には同サイズのケースながら、色はシルバー。文字盤もパステル・ブルー系とパステル・ブラウン系になってしまう。う〜ん、この女性用を買って革ベルトを交換するか、それとも思い切って2本買いしてしまおうか・・・。
こういうお遊びウォッチから未だ抜け出せない『時計坩堝』にはまり込んでいる『時計オヤジ』である。(2009/11/08)




追記11)

2010年8月、何時の間にやら長年の憧れとなったPAM00103の『黒金ラジオ』を遂に入手することに。それもE番品の『新品購入』だ。生産中止から8年、今の時点で新品を正規代理店で購入出来ること自体が『奇跡』である。

『黒金ラジオミ−ルPAM00103購入記』は『時計オヤジ』の思いをタップリと込めて、現在準備中である。(2010/08/24)











追記12)
革ベルトで遊ぶ。
パネライの最大の楽しみの一つであるレザーストラップ各種の着せ替えは、実に奥が深い。独特のAgingで変わり行く革の色や風合いを楽しむカーフ、そして独特の模様が美しい各種エキゾチック・レザー。そんなエキゾチック・レザーを代表する一つが下サンプル写真(↓)にある、アリゲーターの尻尾ギザギザ部分を立体的に用いたド迫力の特別仕様ストラップ。
現在、香港の某専門アトリエにBlack-Seal用と40mmラジオ用を発注中。完成次第、その出来栄えを詳細にレポートしたい。(2010/10/28)









追記(13):
2014年SIHHにて何と自家製マイクロローター搭載の新型キャリバーP.4000が発表された。
搭載するのはラジオミール1940(←左写真)である。非常にスッキリしたデザインのマイクロローターは、既存のPATEK、PIAGET、CHOPARDらに代表される名機に続いての現行品となる(Lange, GOは3/4ローターなのでマイクロローターからはずす)。ケース素材はSSとRGがあるようだが、このキャリバーが通常ケースのラジオミールに搭載されればかなりの魅力品。まさに10年来夢想していた形が具現化される可能性を秘めている。中途半端なラジオ1940ではなく、ここは正々堂々と正攻法から通常のラジオ若しくはルミノールにも早く搭載されることを切に願う。(2014/02/08)











写真変更、レイアウト変更、加筆修正(2005/4/08、 2005/6/19、 2005/9/24、 2005/10/2、2006/3/18、2006/10/22、2007/1/03、2007/3/18、2007/5/28、2008/2/03、2009/05/10、2009/11/08、 2012/4/13、2014/02/08)


『時計オヤジ』による『私的・極上時計礼讃シリーズ』:

『極上時計礼讃・序説』はこちら
『極上時計礼讃〜ラジオミールPAM00062』はこちら
『極上時計礼讃〜フランク・ミュラーLimited 2000』はこち

『極上時計礼讃〜パテックフィリップ・AQUANAUTラージサイズ』はこち
『極上時計礼讃〜ショパールLUC1860』はこちら




パネライ関連WEB:
@ルミノールGMT(PAM00088)はこちら
Aラジオミール(PAM00062)はこちら
B『生誕地フィレンツェにPANERAI Boutique 1号店を訪ねる』はこちら
C『デカ厚ブームの嘘、パネライの真実』はこちら
D『マニファットゥーレ・フィレンツェManifatture Firenze・Aged Calf Leather Strap 1942』はこちら
E『マニファットゥーレ・フィレンツェ・新作2本』はこちら
F『ヌーシャテル訪問記〜パネライ工房門前払い』はこちら。(2006/10/01UP)
G『ラジオミール・ブラックシール(PAM00183)』はこちら
H『ラジオミール用革ストラップにおける”全体バランス論”』はこちら。(2010/01/01)
I『2010年8月、リヤドの直営BOUTIQUEを訪問する』はこちら
(2010/08/13UP)
J『ラジオミールPAM00103、小体で古典な三味胴ラジオの楽しみ方』はこちら(HP開設7周年記念)
K『UAE・ドバイのパネライ直営Boutique訪問記』はこちら(2011/10/10UP)
L『2012年、SIHHに見る新作新作ラジオミールの雑感』はこちら
(2012/2/01)

腕時計に戻る                  
※掲載の写真・文章等の全てのコンテンツの無断転載・無断複写を禁じます。
※特に
金銭絡みのオークション説明等へのリンク貼りは遠慮下さい。

TOPに戻る