(2005年1月、マルペンサに着陸〜) フランクミュラー考察でも述べたミラノを半年振りに訪問した。 夏も冬もミラノは楽しい。ミラノ、というよりも筆者にはイタリア自体が楽しい土地柄この上ない。ローマに「初上陸」して以来、早20年。この間、世界の各都市は大きく変貌した。ローマもこのミラノも例外ではないが、基本的には都市内における大規模再開発がしにくい環境にあるイタリア故に、懐かしい場所はそのまま残り、懐かしい中にも新しい空間が創出されるという独特の変貌を遂げている感じがする。こうした傾向は倫敦でも巴里でも大同小異。それに比べて、我が東京は、、、 マルペンサ空港から市内の中央駅までリムジンバスであれば約50分程度で到着する。昨夏の経験では、『バスは人が集まれば出発します』といういい加減な対応に辟易としたので、手っ取り早くTAXIで移動する。時間40分、御代は70ユーロ也。 今回は常宿としている中央駅前の『ミケランジェロ』ではなく、バスタブがあり、JSTVも見れる条件で一駅離れたREPUBBLICA傍にあるWINDSORホテル4☆をNETで選択。結果として、小奇麗で朝食も美味く、中々満足。一泊130ユーロ也。 (←左写真: ホテルから外を見ると薄っすら雪化粧。寒い寒い・・・) 今回のミラノ訪問は『市内の徘徊』が目的。名所旧跡の観光も勿論アリだが、異国にて当ても無く、無目的に気ままに散策するのもこれまた楽し。 しかし実際には『当ても無く』というのは正確ではない。赴く場所は自ずと、ミラノの銀座であるモンテナポレオーネ界隈、そしてドゥオモ広場界隈に集中する。時計ブランド、ファッションブランドの総本山が軒を並べるのだが、こうしたギラツク街並みに相変わらず心惹かれてしまう。『不惑』とは程遠い、物欲オヤジである。 (ミラネーゼにはとてもなり切れぬ、ちょい枯れオヤジ〜) 倫敦、巴里も宜しいが、イタリアンファッションも前衛と伝統が絶妙にバランスして素敵だ。 手始めに地下鉄駅モンテナポレオーネで下車。早速、ミラノの並木通りたる、モンテナポレオーネ界隈を散策する。 地下鉄駅前、Via A.Manzoniに面したモンテナポレオーネ通りの入口角に老舗時計店PISAがある(⇒右写真の角建物)。この界隈に2店を持つ代表的時計店である。名だたる時計ブランドを殆ど網羅する取扱と言っても良かろう。このモンテナポレオーネ店では約17ブランド、Via Pietro Virri店では約26ブランド程を扱う。前者はややカジュアルなLocman、Tudor、Hamiltonも取扱い、後者はA.Lange&Sohneを筆頭にde Grigosono、 Cuervo y Sobrios、 F.P.Journeに至るまでの超絶ブランドがメインとなる。 モンテナポレオーネ通り、それと平行するスピーガ通り。この2本を横串で結ぶVia Borgo Spesso、 Via S.Sprito、 Via.S.Andrea一帯がミラノ銀座とでも言うべきshoppingエリアだ。 土曜の夕方ともなれば、観光客やら地元のミラネーゼ、アデージョが入り乱れて、芋を洗うがごとく大賑わいとなる。その混雑度たるや、歩道の狭さも加わり、ちょっとした年末のアメ横状態である。 (「ちょい枯れオヤジ」の気になる店をランダムに散策する〜) それでは、何度歩いても毎回発見と、ときめきあるモンテナポレオーネ界隈を歩いてみる。 (←左写真) LORO PIANA & MONTBLANC Boutique 写真奥が、老舗LORO PIANA。昔は生地業専門であったが、今やイタリアのラルフローレンといったところか。メンズ、レディス、インテリア、寝具等のトータルファッションが揃う。格式ある伝統のイタリアントラッドが味わえる。 そして手前はMONTBLANCブティック。 バレンタインに合わせて『ラブレター・インク』と呼ばれる真紅・深紅のインクを限定発売中。カートリッジ、ボトル共に購入する。赤とセピアの中間のような色は味わい深いものがある。 |
(←左写真) OMEGA Boutique 今やMONTBLANC同様に、世界統一の意匠でブティック展開するオメガ専門店。最近ではフランク同様にジュエリーも展開する総合Ωブティックへと脱皮を図っているようだ。 時計の商品層・種類の多さはご存知の通り。むやみに飛びぬけない価格帯も魅力である。願わくば、この先もZENITHのように高級化・高額化路線に走らず、高品質とたゆまぬ地道な商品開発を願うばかり。頼むぞ、オメガ。 (←左写真) G.LORENZI 1929年創業のG.LORENZIは、各種ナイフ、喫煙具、装身具、髭剃り、等等、身嗜みに関する紳士グッズで溢れる。地下には喫煙具関係、各種刃物が並ぶ。 ショーウィンドウで見た英国製の銀製葉巻ケースを購入する。ペン型のお洒落さに一目惚れ。今回イチオシの逸品。 (←左写真) BOTTEGA VENETA 言わずと知れたボッテガ・ヴェネタ。BOTTEGAとは工房の意味。 イントレチャートと呼ばれる編込み(メッシュ)式革製品で有名だ。 既に春物商品が並ぶが、筆者は伝統的な濃茶のメッシュ製財布を購入。革の柔らかさといい、風合いといい流石にB.VENETAは健在。大資本による買収ゲームで品質も変わり行くブランドが多い中、VENETAも今ではグッチ傘下にあるが、一安心。 店内では5〜6人の日本人が元祖『ちょい枯れ某誌』の名刺を提示しつつ買物?のご様子。ハタマタ現地取材?と言う感じの店内は賑やか、華やか。 (←左写真) 老舗の洋菓子店COVA(コーヴァ)にて 旅においてはとにかく日常生活以上に歩く、歩く。 寒いこの時期、一服するにはバールBarか喫茶店しかない。1817年創業の老舗喫茶店兼菓子店COVAでカプチーノを楽しむ。モンテナポレオーネのGUCCIや、上述G.LORENZIの斜向かいにある。オススメはこの店特製の北イタリアの伝統的なチョコレート、PASTICCERIA-CONFETTERIAである。 COVAにて愛用のF.S.Fitzgerald限定モンブランBペンで、取材メモ?を整理する『時計オヤジ』。エスプレッソもカプチーノも本場では美味さもまた格別。 (←左写真) SILVANO LATTANZI Via Borgo Spessoにある名靴店。近くにもう一店舗ある。 イタリアを代表する高級ハンドメイド靴店である。シルバノ・ラッタンジは、いわば靴業界のフランクミュラーだ。 その作りは一見して輝き・風格が違うことに気がつく。ビスポーク(注文靴)のみならず、既製靴もあるが、どちらも作りは美しい。チゼルトゥ気味のつま先へのラインといい、革の発色といい素人目にもいい作品であることが分かろう。 イタリアでもやはり良い靴、素敵に見える靴は最低200ユーロを下らない。400〜600ユーロが超一流ブランドの相場であろうか。しかし、1月下旬ではまだセールSALE、SALDIも続いており、運が良ければ思わぬお値打ち品にめぐり合うことも可能だ。 (←左写真) 手動シェーバー各種 日本では中々お目にかかれない、昔ながらの髭剃り各種である。 ホルダー部分に様々な材質が使われている。革巻き、竹製、竹の根、動物の角、木製、大理石調、とその種類の多さに驚く。特に竹製のシェーバーには、欧州にもこんな材質があるものかと驚く。まるで、セーラー万年筆・長原宣義名人作による長刀(なぎなた)ペン先の竹軸萬年筆を連想させる素材の各種は見ていて面白い。 『長刀エンペラー』を愛用する筆者であるが、萬年筆についてはまた別の機会に触れるつもりである。 (右写真⇒) SERMONETA Gloves 今や日本でも知名度は高い老舗手袋店セルモネータ。1960年創業のローマのスペイン広場にある本店も良いが、ミラノ店には日本人も常駐しており入り易い。2000年よりスピーガ通りの絶好のロケーションに開店したこの店は、いつも客で賑わっている。 因みに、カシミア裏地でラムスキンの手袋が50〜60ユーロ程度、これに手首に毛皮が付いたタイプもある。写真のようにイントレチャートのB.VENETA風手袋はSILK-LINED、KID-SKINで51ユーロ。PIG-SKINカシミア裏地で89ユーロ。 イントレチャート製を思わず購入しようとしたが、男性用は無し。残念。 (←左写真) TANINO CRISCI タニ・クリこと、タニノ・クリスチーは1876年創業。イタリア紳士靴ブランドを代表する『顔』でもある。このミラノ店が本店。工場はカステージョCASTEGGIOというパヴィア州(province of Pavia)にある。ミラノから60kmの場所だ。足に吸い付くような革のしっとり感、デリケートななめしは天下一品。丁度、一部セールもあり、『靴オヤジ』の心はグラグラ・・・。 今回は少々、時計の話からは脱線気味だが、この他にまだまだ名店、掘り出しブランド、時計店も軒を並べるこの界隈は、ミラノ徘徊オヤジには興味が尽きない。この後、Ferragamo、Church's、GRIMOLDIへとオヤジの徘徊は継続する・・・。 『ちょい枯れオヤジの』イタリア関連ページ: 『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』はこちら。 元祖、『ドオゥモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。 『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』はこちら。 『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』はこちら。 『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。 スピーガ通りで発見した『フランクミュラー・WATCHLAND REF.6850SC』はこちら。 フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。 フィレンツェのアウトレットで買う『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。 『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』はこちら。 |
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