随筆シリーズ(98)

『PANERAI聖地巡礼、ミラノ直営Boutique訪問記』

〜イタリア聖地巡礼3部作編・その@〜





”Paneristi”であればイタリアにパネライBoutiqueがいくつあるか知っているだろう。
実は聖地フィレンツェとポートフィノの2箇所だけだった。
それが今年(2011年)3月末に満を持してミラノのど真ん中、
モンテナポレオーネ1番地に伊国内3店舗目としてOPENしたのだ。
GUCCIやタニクリの並び、現在(5月時点)改装中のLVの対面、
RLの対面、APの斜め前、と言えば場所がお分かりか。。。(2011/7/22)



(2011年5月、いよいよ『聖地巡礼の旅』がスタートした〜)


今回のイタリア旅行は気合が入っている。
久々のイタリア、それも仕事ではなく完全なる休暇旅行ということもあるが、今回の旅の目玉は『パネライ聖地巡礼』。

筆者はパネライ大好き人間。
しかし極右のパネライ原理主義者ではない。云わば『中道左派系Paneristi』であることは今まで度々告白してきたように、パネライにも、メゾンに対しても自分なりの距離を保ちつつ長年、パネライを愛でてきた。その姿勢は今でも変わらないのだが、パネライへの情熱も未だ覚めやらない。いや、昔からずっと冷静にパネライと接してきた、というのが正しい。持論だがPaneristiの定義とは、パネライ蒐集家に限るものではない。自分なりの確固たる信念と情熱を持ってパネライを愛していること、それがPaneristiたる最低限の資格・条件であると思っている。但し、最低1本は所有していないと駄目。


今回の旅行のスタートはミラノ。
イタリアで一番好きな街といえば、ミラノ、フィレンツェ、ヴェネチアを挙げる。この3都市はそれぞれ味が深い。ローマも観光には良いが雑然とし過ぎている。楽しいけど・・・。

このミラノで期待していたのが今年3月末に開店したばかりの直営Boutiqueである。今までミラノにパネライ直営店が無かったのが不思議なほど。ようやく、と言うべきか、満を持して市内のど真ん中の一等地、それもミラノの象徴的なモンテ通り1番地に開店したのはパネライの意気込みを感じざるを得ない。この直営店を『聖地』と数えるかどうかは、厳密に言えば否、である。しかし、パネライ生誕国の『ファッション首都』ミラノのど真ん中に開店したとなれば、『準聖地格』扱いしても良かろう。


(⇒右写真) Boutique内の2階から撮影。

場所柄、狭いミラノBoutiqueは地下1階、地上2階を占めるが、商談スペースは1、2階のみ。地下は原則、スタッフ専用だが、特別に拝見させていただく。大きな本棚を備える資料室っぽい部屋だ・・・。
ミラノ直営店は、非常に狭い。銀座Boutique等とは異なり、各階の床面積は細長いウナギの寝床のようで可也狭い。フィレンツェの直営店と似ているが、1階に商談席が2つ、2階に1つという配置。客がひっきりなしで入ってくると常に背中に他人の気配を感じざるを得ない。

このBoutiqueで、忙しいBoutique Manager氏と面談することにした。Managerでないと話が出来ない理由もあり、担当者はパスさせて頂く。そしてそのManager氏と会うために足掛け2日間、このBoutiqueに顔を出すハメになってしまったのだが・・・。




(内装を刷新した、新しい什器類は明るい雰囲気になった〜)


早速訪問してチョイと驚いたのは店舗内装の変化(⇒右写真)。
今までのウォルナット調のような濃茶木目の什器が明るいグレー系ブラウンに変更されている(⇒メーカー公式にも写真あり)。
そして何より、従来の『千兆三の巨大なる船上白黒写真』が写真のようなサンドウィッチ構造の大きなパネライ文字盤(=動く時計)に変更されたことは歓迎する。

この文字盤は筆者の所有するPAM62や103と同じであり、個人的には非常に好感が持てる。船長さんの写真も歴史を感じさせるけど、ちょっとイメージが古過ぎる。

この明るいグレーブラウン系のショウケースは重厚感に乏しい。
高級時計には落ち着いたダーク系の色彩が似合う。この点では従来仕様に軍配が上がるだろう。それにしても、もし既存の小売店がこうした什器類を直ちに入れ替えするとなれば大変な投資になってしまう。恐らく新店舗から順次切り替え、ということになるだろう。

そして商談机の上にはi-padが置かれている。
これがカタログ替わりとなり、種々データをここから引っ張り出すことに。
右の壁には安全用の店内カメラモニターがかかる。全てデジタルで管理する現代のBoutiqueに『時代』を感じるのだが、もう少しアナログ的な味付けの方が筆者には好みであるのだが・・・。。





(ここで遭遇したのが筆者羨望の『驚愕・特大モデル』だ〜)


そこで展示商品の中にRadiomir『エズィツィアーノ』(PAM00341、チタン製)があることを発見。実は今、パネライで一番興味ある時計がこれである。
デザインが復刻そのもので、そのデザイン素性からして抜群に宜しい。
しかし直径60mmは復刻から来たサイズとは言え、完全なるコレクションピース用。出来れば全く同じデザインで44mm径くらいで出してもらえれば文句無く即買、するのに。

コイツは『原始ラジオミール』とでも言うべきか、ラジオとルミノールの移行期の折衷デザインとでも言うべきか、この不思議なデザインにはサブマーシブルの源泉の姿をも嗅ぎ取る。

そしてこの極厚革ベルト。超厚いが驚くほど柔らかい。今まで未体験のしなやかさである。








(⇒右写真)
持参したBlack-Seal(45mm)との比較はこうなる。まるで大人と子供。
やっぱり、どう転んでも実用では絶対無理の『目覚まし時計サイズ』に再度溜息。それにしても、デカイけどこの質感は可也高い。この大きさでここまでの作り込みが可能である現代の工作技術に敬意を表したい。
チタンをふんだんに使ったサイズ、特大文字盤に4つのアラビ数字表示、9時位置の秒針ダイアル、と、全てのパネライのアイコンを盛り込んだバランスあるモデルである。小振りモデルの登場が心底待ち望まれる。














(今回の旅の最大級の土産がこの『非売品の本』〜)

パネライはその時計も然ることながら、『時計オヤジ』が以前から目を付けていたのが非売品の本。パネライの歴史や生産工程の数々を特大写真で綴ったBoutique専用の本である。
今回、種々交渉の結果、ようやく入手に漕ぎ着けたのがコチラ。4章から構成されるパネライの歴史、時の概念、製品、製造過程等について言及したパネライ研究書の集大成である。
←左写真の通り、特大のグラビア書籍という感じで、重量は優に2kgを超える。持ち帰るだけでも結構な荷物になるのだが、羨望の本を遂に入手出来ただけに、その喜びはひとしお。

この後の本番聖地歴訪を前に、早くも大きな収穫を手にして恵比須顔の『時計オヤジ』であるのだ・・・。(2011/7/22) 379300







2011年5月、イタリア再訪関連ページ:
⇒『GRIMOLDIの長男、ロベルトと再会する』はこちら
⇒『2011年5月、ミラノ再訪記』はこちら
⇒『U-BOAT直営Boutique訪問記@フィレンツェ』はこちら
⇒『ダ・ヴィンチ科学技術博物館訪問記@ミラノ』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・パネライ・ミラノ直営Boutique訪問記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・フィレンツェ1号店Boutique再訪記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・イタリア海軍技術博物館訪問記』はこちら


パネライ関連WEB:
@ルミノールGMT(PAM00088)はこちら
Aラジオミール(PAM00062)はこちら
B『生誕地フィレンツェにPANERAI Boutique 1号店を訪ねる』はこちら
C『デカ厚ブームの嘘、パネライの真実』はこちら
D『マニファットゥーレ・フィレンツェManifatture Firenze・Aged Calf Leather Strap 1942』はこちら
E『マニファットゥーレ・フィレンツェ・新作2本』はこちら
F『ヌーシャテル訪問記〜パネライ工房門前払い』はこちら
(2006/10/01UP)
G『ラジオミール・ブラックシール(PAM00183)』はこちら
H『ラジオミール用革ストラップにおける”全体バランス論”』はこちら
(2010/01/01)
I『2010年8月、リヤドの直営BOUTIQUEを訪問する』はこちら
(2010/08/13UP)
J『ラジオミールPAM00103、小体で古典な三味胴ラジオの楽しみ方』はこちら
(HP開設7周年記念)



『ちょい枯れオヤジ』の過去の関連ページ:

『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』はこちら。
元祖、2005年1月の『ドゥオモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。
『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』はこちら。
『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』はこちら。
『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。
フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。
フィレンツェのアウトレットで買う『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。
『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』はこちら。




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