時計に関する随筆シリーズ (83)

『サウジアラビアの首都リヤドでPANERAI BOUTIQUEを訪問するの巻』





中東で4店目の直営BOUTIQUE、それがサウジアラビアの首都リヤドにオープンした。
ドバイ、ドーハ、ベイルートに続くもので、この後には同じくサウジアラビア西岸のジェッダでも開店準備中という。
2010年8月、リヤド日中の気温は48℃の中、
『時計オヤジ』は念願の初訪問を行うことにした。(2010/08/13)


(↑上写真: パネライBoutiqueの隣にはご覧のようにAPのBoutiqueも鎮座する〜)




(恐らく広さは銀座のBoutique並かそれ以上〜)

パネライ公式HP上でもこのリヤドBoutiqueについて紹介あるが、約5ヶ月前に開店したという中東で4番目の直営Boutiqueである。
パネライの隣にはAPのBoutiqueがあり、更にその隣にはJLC、CHANELのBoutiqueも鎮座する文字通り『時計の館』である。場所はサウジアラビアの首都リヤド市内のど真ん中、各種高級ブティックが立ち並ぶTahlia Street。日本で言えば、さしずめ銀座4丁目交差点に位置する絶好のロケーションとでも言えよう。

広々とした店内は中東随一。
ドバイモールのBoutiqueより間取りも広く、確かに明るくゆったりした雰囲気はくつろげる感じだ。欲を言えばソファなどの調度品がもう少し充実した方がよかろう。

日本人がこの店に顔を出すのは極めて珍しいだろう。
ドバイと異なり、サウジアラビアへの旅行者の入国は原則、禁止されているからだ。加えてPaneristiである『時計オヤジ』のように酔狂なパネライ好き人間もリヤドでは少ない(と言うかホボ皆無と推測)。それはさておき、挨拶を兼ねて今回は初見参することに。。。




(⇒右写真: 今回、店舗案内をお願いしたSamer君〜)

Samer君はレバノン人。
この国では女性店員は原則、存在しない。『女性銀行』等の職場もあるのだが、女性を雇用する場合には男女別のスペース確保やら、諸々の規制があり、実質上、女性の労働が厳しく制限されているからだ。また、顧客の殆どが地元のサウジアラビア人である為、アラビア語会話が必須。その為、店員も自ずとこうしたアラブ系が多くなる。

明るい彼は、パネライ新作を惜しげもなくガシガシ紹介してくれた。
折りしも中東では今年のラマダン月(=断食月)が8月11日より始まったばありである。店舗の開店時間はラマダン中は、1〜4pm、10pm〜2amとなり、更には一日5回ある礼拝時間には店舗は強制閉店となるので、そうした合間を縫っての訪問となる。

こうしたサウジアラビアの特殊事情については随筆シリーズ第1回のコチラを参照乞う。尚、現在、『サウジアラビア最新時計事情』も準備中。ジェッダより更にdeepな『リヤド時計事情』を紹介する予定だ。






(←左写真: まずはパネライ純正革ベルトを拝見する〜)

今回の訪問目的の一つでもあるラジオミール用の純正革ベルトのコレクションを見せてもらう。実は今週、『奇跡のPAM00103』を新品購入出来たのだ。何が奇跡、かはPeneristi諸兄であれば説明不要だろう。こちらの詳細も現在、『PAM00103ラジオミール購入記』として草稿中。

そのPAM103用ストラップは恐らく在庫切れであろうと予測しつつも、まずは革ベルトの種類を見せてもらう。結果、予想通りに40mmラジオ用のベルト(=23/20mm)はなかったが、それはそれで良いのだ。
←左写真のような各種ストラップを実際に拝見することで、自分のイマジネーションを膨らませ、更に具体的なベルト選択のイメージを自分の中で絞り込むことも目的であるのだから。

それにしても数々の純正ベルト達。
単純に美しい光景である・・・(溜息)。








(←左写真: 行き着くところは結局、この革ベルト4本〜)

イメージとして自分の嗜好に合致するのはやはり落ち着いたベルトだ。
奇抜な色はクラシカルなラジオミールには似合わない。
ピンクだの、グリーンだの、カラフルな革ベルトは『時計オヤジ』には無縁。やはり、濃色系統の黒・茶色アリゲーター系にどうしても目が行く。

しかし、現在、非常に関心あるのが”光沢あるグレー”なアリゲーター。
シックで大人の色合いが黒文字盤には良くマッチすると最近、注目しているところ。
丁度、サンプルとしては適当な22/20mm(ルミノール用)があったが、こうしたグレー系もPGケースには良く似合うだろう。実は、45mmブラックシール用に既に調達したのだが、今回のPAM103ピンクゴールド用にもどうかと思案しているところだ。

※ラジオにはやはり、クロコorアリゲーターが一番似合う。
写真左から22/20mmこげ茶アリゲーターに白ステッチ(SR1,300)、グレーのアリゲーター22/20mm(SR1,300)、黒リーヴァ・カーフに白(ベージュかも?)ステッチ+斜めの直線ラインが型押しされたsportyベルト(SR750)、そして45mm用26/22mmの黒アリゲーターである。どれもトラディショナルで細部の造り込みも素晴らしい出来栄え。パネライ純正のアリゲーターは、その素材の質の高さがベルト幅と大きさでより一層映える。高品質な革ベルトもパネライ人気を支える大きな要因と言っても過言で無い。


※因みに昨日(8月12日)、日本では為替が15年ぶりに1ドル84円台に突入した。
サウジアラビアの為替は対ドル固定で1ドル=SR3.75ゆえに、海外での買い物は現在の『円独歩高』を考えると、値頃感が強いのが嬉しい。






(⇒Samer君イチオシの最新パネライ達〜)

手前の茶色革ベルトモデルはPAM00351、3DAYSのチタン製。
文字盤も淡い茶色系、コーヒーカラーとでもいうべき発色が上手い。
新型44mmケースは相変わらず馬鹿デカイが、この1950系統のデザインは中々よろしい。47mmの元祖ルミノール1950を彷彿とさせるのだが、3時位置にデイト表示が数字”3”を潰してしるのが興醒めである。
どうしていつも12-3-6-9を揃えないのか、パネライ・デザイン陣には強烈な苦言を呈したい。

写真左端のモデルはそのチタンブレス仕様のPAM00352。
個人的にはこれを買うなら、ROLEX新型SSサブマリーナを選ぶけどね。
残念だが、格も仕上げもROLEXが数段上を行くからなぁ・・・。

写真右端のモデルはルミノール1950フライバック、PAM00361。
ラバーベルトだが、これは革ベルトに着替えればもっといい味が出せそうだ。
しかしクロノであれば、やっぱりエルプリ搭載のファーストモデル、INDEXが1秒刻みのPAM00072がベスト。
よって、PAM72とラジオ・ゼログラフ(=PAM00067)以外のクロノには『時計オヤジ』としては目下、興味が湧かないというのが正直な心境だ・・・。





(お土産に2010年度版の最新カタログを頂く〜)


今年のカタログは一挙に大きくなってしまった。
略全商品を網羅する151頁の豪華本に大変身だ。
2009年版が119頁なので、一挙に3割近くもボリュームアップしたことになる。このボリュームアップは嬉しいのだが、この大きさには閉口する。

そろそろパネライのカタログだけでも10冊になろうか。
今後、こうした大型サイズに毎年移行されては本棚からもハミ出てしまう。鶏小屋に住む身としては、大変困ってしまうのだ。

しかし、もう一冊頂いた”1997-2010 SPECIAL EDITIONS”の特集本も同様に大判であるが、全219頁の圧巻だ。これは見応え十分の貴重なカタログである。美術鑑賞のノリでじっくり見ても大変面白い貴重な本だろう。今から見ると、10年前当初には、これがSPECIAL EDITION?と疑問に感じるモデルもチラホラあるのだが、パネライの歴史を総括したようなこの特集本は貴重である。1997年以来、ここまで育ったパネライは『時計オヤジ』にしてみれば、我が子のような存在でもあり、感無量。

そして今回、E番品ながら新品のPAM00103を購入できたことも奇跡に近い嬉しいハプニング。
『時計オヤジ』へのご褒美(why?)として瞬間即決したのだが、このリヤドの地は生涯、思い出深い記念の地になることは間違いない・・・。

それにしても連日、50℃近い今年のリヤドは日本同様、滅茶苦茶暑いなぁ〜(2010/08/13) 314300


(加筆修正) 2010/08/19


『時計オヤジ』のパネライ関連WEB:
@ルミノールGMT(PAM00088)はこちら
Aラジオミール(PAM00062)はこちら
B『生誕地フィレンツェにPANERAI Boutique 1号店を訪ねる』はこちら
C『デカ厚ブームの嘘、パネライの真実』はこちら
D『マニファットゥーレ・フィレンツェManifatture Firenze・Aged Calf Leather Strap 1942』はこちら
E『マニファットゥーレ・フィレンツェ・新作2本』はこちら
F『ヌーシャテル訪問記〜パネライ工房門前払い』はこちら。(2006/10/01UP)
G『ラジオミール・ブラックシール(PAM00183)』はこちら
H『ラジオミール用革ストラップにおける”全体バランス論”』はこちら。(2010/01/01)
I『2010年8月、リヤドの直営BOUTIQUEを訪問する』はこちら
(2010/08/13UP)
J『ラジオミールPAM00103、小体で古典な三味胴ラジオの楽しみ方』はこちら(HP開設7周年記念)


(『時計オヤジ』のドバイ&ブレゲ関連WEB:
2005年4月の『世界初のIWC直営ブティックをドバイに訪ねる』はこちら
2006年1月のジュネーヴ市内における『ブレゲ再考』はこちら
2006年10月のチューリヒ市内・BEYER時計博物館における『ブレゲ時計検証』はこちら
2009年夏、最新ドバイ時計事情はこちら
2010年夏、再訪・ドバイ最新時計事情はこちら



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