TOD'S   トッズ

TOD'S CALFSKIN LOAFER
WITH PENNY FRONT AND PEBBLED LEATHER SOLE



(イタリアのフィレンツェでOUTLET訪問〜)


2005年1月。
ちょい枯れオヤジは『ミラノ徘徊』を終え、次なる目的地フィレンツェへと潜入する。ルネサンスの玉手箱、芸術の街フィレンツェは真冬とは言えども世界中からの観光客が絶えない。このフィレンツェ近郊に近年、大型アウトレットがいくつか完成し、繁盛していると聞いていたので物見遊山に郊外まで足を伸ばす。

今回のアウトレットは"THE MALL"という5★ブランドが集結するOL御用達の人気SPOTである。勿論、観光客のみならず地元イタリア人にも大人気。フィレンツェ市内からTAXIをチャーターし約40分程、川沿いの狭い道路を走る。本当にこんな田舎、郊外にアウトレットがあるの?と不安に思い始めた矢先、大型店舗が並び立つ"THE MALL"に到着した。
(⇒右上写真:GUCCI入場制限の為、雪振る中で人々の行列が、、、)


(”THE MALL”とは〜)

もともとGUCCIのアウトレットとしてスタートしたようだが、2001年夏頃に"THE MALL"となり更に取扱ブランドを拡大した模様。倉庫のような外観の建物は、非常に小奇麗でスペースも十分である。日曜日の午後4時であるが、駐車場は既に満車状態。

現在の主なブランドとしては、
GUCCI、 FERRAGAMO、FENDI、BOTTEGA VENETA、 SERGIO ROSSI、YVES SAINT LAURENT、VALENTINO、ERMENGILDO ZEGNA、LORO PIANA、 TOD'S、HOGAN、ARMANI
等など、超一流ブランド揃いだ。一番人気はここでもGUCCI。特に靴、バッグ、アクセの種類は豊富!


(憧れのイタリアンシューズTOD'Sに触手ならぬ、触足?が伸びる〜)

TOD'Sのカタログを見ると、今やその世界的な店舗数の多さに驚く。姉妹ブランドHOGANと共に、最近では靴以外の革製品やレディス用品まで幅広く展開している。ミラノでも、ローマでもTOD'Sの店はレディス専用の入口もあり、そのAGRESSIVEな商品・店舗展開には目を見張る。

TOD'Sは20世紀初頭に現会長ディエゴ・デラ・ヴァレ氏Diego Della Valleの祖父であるFilippoにより創業された。その後、時を経て1970年代に入りファミリービジネスから脱皮を図り、現会長の指導下でスケールを追求する企業へと変身する。今日ではGROUP企業として、TOD'Sの他に、HOGAN、FAYといったブランドを展開。7つの靴工場と2つの革製品工場を抱える一大企業に成長している。

TOD'Sのシューズで筆者の興味を一番引くのは、革底にゴム製の鋲、イボイボのような突起があるローファーLOAFERモデルだ。70年代のナイキの名作ワッフルソールを思い出す。TOD'Sはこの意匠を称して、"pebbled sole"と呼んでいる。もともとドライビングシューズに起源を持つこのラバーポイント底のシューズを街履きローファーに導入したのはTOD'Sがパイオニアではなかろうか。以前から気にはなっていたが、その価格と品質のバランスに納得できずに羨望の眼差しで眺めるだけであった。まさかこのアウトレットでTOD'Sにお目にかかれるとは、予習も予測もしていなかっただけに何とも嬉しい誤算である。




概ね市価の半額ということで、予定外の買い物をしてしまう。筆者は箱も毎回持ち帰るので荷物も嵩張るが、そうでなければと考えるとキリがない。結局、今回は濃茶スムースレザーと濃紺シュリンクレザーのビーフロール式ペブルドソールのローファー2足を購入する。アウトレットであるが故に出来る『まとめ買い』である。


(⇒写真右)
濃茶のモデル。ラウンド・トゥのデザイン処理が非常に綺麗。
美しいシェイプを描いているつま先と、ペブル型ゴム突起のある革底が最大の魅力。
甲のタン部分にはTOD'SのTマークがエンボスされている。カーフスキン製だけあって、素材の革は非常に柔らかい。素足でも履けるローファーにはカーフ素材が一番似合う。






(⇒写真右)
サイドビューはこの通り。
極めてオーソドックスなローファーである。筆者好みはビーフロールではなく、サドルかフルサドルであるが、そんなことは値段が値段ゆえに許してしまうのだ。
ヒールの大きさも小振りか中くらいのサイズでバランスが良い。意外にも革底の厚みも十分ある。この厚みにペブル式ラバーが付くので、耐久面では結構長く持つかも知れない。





(←写真左)
濃紺のモデルは、良く見ないと黒に見間違う程。
細かいエンボスが押されたようなシュリンクレザータイプの揉み革も気に入った。ヒール形状はややスクエアとなっていて、それも特徴的。
ペブルドラバーはすぐに摩滅するだろう。実用というよりもデザイン優先かも知れないが、滑り止めには有効と感じている。
TOD'Sでは同じペブルラバー付き革底の張替えには応じないそうだ(ローマ、ミラノ、フィレンツェ各店とも同様の回答)。靴のメーカーとしてアフターケアに純正オリジナルパーツを用いない(?)というのはどうも腑に落ちない。








(⇒右写真 )
ヒール部分の補強革デザインも独創的。その形状はドライビングシューズの名残を感じさせてくれるのでこうした意匠も気に入っている。
このヒール補強革部分までラバーが張られたモデルもあるが、シック&トラッド路線が自分の流儀である『靴オヤジ』は、こういう革製を好むのである。






               *     *     *     *     * 


TOD'Sのこのローファーは、イタリアン・シューズではあるが極めてトラッド路線にある。
足へのFIT感も吸い付くようで、素足で履くのが似合いそうだ。
アメリカであればプレッピー、フランスであればBCBG(=Le Bon Chic Bon Genre)にも通じる上品なモデルとして、OFF用に足元を飾ろうと思っている。



(追記)2005/4/02
『エスクァイア日本版 MAY.2005VOL.19』に『トッズの真実』(p.182-185)が載る。トッズワールドを知るには参考になる記事である。



(参考文献)
『フランス上流階級BCBG(ベーセー・ベージェー)』 (光文社文庫)
『エスクァイア日本版 MAY.2005VOL.19』



『ちょい枯れオヤジの』関連ページ:

『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』
はこちら。
元祖、『ドオゥモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。
『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』
はこちら。
『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』
はこちら。
『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。
スピーガ通りで発見した『フランクミュラー・WATCHLAND REF.6850SC』はこちら。
フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。
フィレンツェのアウトレットで買う
『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。
『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』
はこちら。

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