![]() (←左写真: シャフハウゼン駅舎は他のスイスの国鉄駅同様、そっけない建物〜) ドバイの直営店訪問記でも触れたIWCの本拠地訪問だ。 チューリヒから電車で約30分、シャフハウゼン駅に到着する。 駅前広場ならぬ、駅前道路は閑散としている。地方都市(街)だけあってか、バスやタクシーの数もまばら。本当にここがライン河で有名な名所のゲートウエイかと思わせる程、こじんまりとしている。熱海駅前のような土産物屋で賑わう日本式の観光地とは一線を画す。 これがドイツ式、ならぬスイス式と言えばそれまでだが・・・ 以下、写真と共に古都シャフハウゼンを散策してみる。 ![]() (←左写真: 街の中心地でもあるフロンヴァーク広場〜) 駅前から徒歩5分もせずにフロンヴァーク広場に到着する。 まさに中世17〜18世紀の佇まいの風情である。 建物の造りといい、噴水に立つ銅像といい、雰囲気はドイツそのもの。 地図で確認すると、まるで盲腸のようにシャフハウゼンはドイツ国境内に潜り込んでいる場所だ。もはやココはドイツ、といっても何ら不思議ではない。 ![]() (←左写真: シャフハウゼン中心街はこうした出窓であふれている〜) 聞けば出窓の数は市内で170以上に上ると言う。 中世にはこうした出窓の一つ一つに名前が付けられており、今で言う『番地』の代わりをしていたらいい。『時計師の出窓』なんぞと番地が呼ばれるなんて、少々ロマンチック?ではないか。筆者であれば『時計オヤジ』と金文字で出窓に刻もうか・・・ |
![]() (←左写真: 地元の時計店に飛び込むとこうした掛時計に遭遇する〜) 『騎士の館』の手前にある地元の時計店に入る。 自社ブランドの機械式腕時計や、こうしたペンダロン式掛時計を陳列しているのが何とも『気分』な店である。特に際立った店ではないのだが、のんびり、ゆったりとした店内を拝見させてもらう。何はともあれ、時計、時計に魅かれてしまう『時計オヤジ』である。 ![]() (←左写真: こちらが『騎士の館』〜) 16世紀の騎士ハンス・フォン・ヴァルトキルヒが住んでいたことをモチーフとして描かれてた壁画である。それにしてもこの色彩感覚は少々おどろおどろしい、と思うのは筆者だけか? この壁画自体は複製であり、オリジナルのフレスコ画は万世博物館に保存されている。 この騎士の館にも出窓がキチンと構えているのか面白い。 ![]() (←左写真: 街のシンボルでもあるムノート城に登ると〜) 16世紀に建てられた円形の城である。狭く、一直線の階段の左右には写真のようにワイン畑が広がる。この城には現在でも見張り人が住み込みで守っているというから凄い。 時間はちょうど午前9時半頃。 快晴の2006年10月末、ひんやりとした空気が大変爽やかにも感じられるムノート城は必見である。 どのガイドブックでも見かける、お決まりの風景の一枚、である。 ![]() (←左写真: 城の中はこのような空間が広がる〜) 屋上へ上るにはこうした屋内広場のような場所を通る。 アーチ型で天井を支える独特の柱や、デザインでもよく考えられた構造に暫し見とれる。 通行人は筆者以外、皆無。 ムノート城を一人で独占するのもこれまた一興だ。 |
![]() (←左写真: ムノート城の屋上から市内を一望すると〜) 屋上に上るとイスラエルから来たと言うカップル一組と、住み込みの見張り番が掃除をしているのみ。季節のせいか、閑散としたムノート城であるがここから見るシャフハウゼン市内は素晴らしい。特にこれといった名所・旧跡が見れる訳ではないのだが、このスイスの片田舎のIWCの故郷にいる、というそれだけで、自分が自然と高揚してくるのはやはり『時計オヤジ』の時計好きたる所。 冷静に分析するとやはり可笑しい。 こうした気ままな小旅行に何時の間にやらはまっている自分に苦笑いしてしまう。 ![]() (←左写真: そのムノート城からIWCを眺望する〜) 赤丸中心部にあるのがIWC本社ビルだ。 数々の雑誌でも紹介されたビルであるので有名と言えば有名。 時計に興味ない人には単なる古いビルに過ぎない。 しかし、よ〜く見るとこのIWCの敷地、ビルというのはこの丸印に限らないことが分かる。 そう、IWCは現在拡張工事中。この左右には既に新しいビルが出来ている、出来つつある。 『一大IWC帝国』の完成は間近である。。。 ![]() (⇒右写真: モーザー本社訪問記でも紹介したモーザー公園〜) IWC本社前に広がる公園がモーザー公園だ。 ここにハインリヒッヒ・モーザーの胸像が鎮座する。 更に公園の側には『モーザー通り』が走る。 1865年の水力発電創設以来、モーザーの存在意義はシャフハウゼンとは切っても切れない関係にあることが分かる。そのモーザーに導かれてIWCもこの地に拠点を構えた訳だ。 IWCの産みの親がモーザーであり、シャフハウゼンの発展の礎を築いたのもモーザー。 シャフハウゼンの名誉市民、とも言えるモーザーであるのだから、現代に蘇ったこのブランドには一層、これから存在感を増やして欲しいと願う。 ![]() 本社ビルは現在改築中。 2007年4月には新たに博物館として蘇るそうだ。 残念ながら今回は日にちが合わず工場見学は叶わなかったが、この本社ビルを拝観するだけでも満足である。 IWCの公式WEBを見れば工場見学(人数限定)も可能であることが分かる。 地元のBEYER時計店などでは、顧客を率いて見学ツアーも実施している。 日本メーカーでそうした見学会を一般に開いているメゾンはあるのだろうか? 時計業界であれ、地域との融合は当然のCSR活動ではなかろうか。 ![]() (←左写真: 本社ビル隣の新築ビルには臨時受付が〜) 誠にご丁寧に対応頂いたのがこの受付嬢(御婦人?)である。 窓ガラスにはご存知クルト・クラウス氏の有名なポスターが貼ってある。 壁掛時計は当然、インジュニアである。 時計ポスターやら予想外のお土産までも頂き、予想外の荷物に苦笑いとなる始末。 後日、郵送頂いたDVDビデオには感動、感激である。 CS(Cusotmer Service)活動が徹底している、こうしたところが老舗メゾンの老舗たる所以。 『老舗の実力』、については別途言及したい。 ![]() (←左写真: IWC一大帝国の完成は2008年〜) 実はIWCの改装は本社ビルに限らない。 本社ビル裏手の広大な敷地には新規ビルが建設中である。 この工事が完成する来年には強力・強大なるIWCの生産基地が完成する。 当然と言うべきか、その結果としてIWCの新戦略が見えてくる(想像であるが)。 現在のラインナップは大幅に強化されよう。 新モデルの展開、既存モデルの更なる強化は当たり前のように実現されるだろう。 間違いなく2007年春からの新作発表は目白押しとなる。IWCの新社屋建設現場を目の当たりにして筆者の予感は確認へと変わる。そうした新戦略が本格軌道に乗るのは2010年と予想する。そして、設備投資したコストも新商品にONされるので今よりも更に値上がり傾向に向かうのではなかろうか。。。 |
![]() (←左写真: 最後にラインファールこと『ラインの滝』を満喫する〜) 緑丸印がラウフェン城。 青丸印が観光客も登れるライン滝の中にある観光ポイントだ。 幅150m、高さ23mの欧州随一のラインの滝は、『ベチャっと潰れたような広さと迫力』が素晴らしい。落差の滝、というよりはライン河の広さの滝の赴きを楽しむのが正解。 訪問の際には、ライン河に沿った遊歩道をのんびりと歩く位の余裕と時間は欲しいところだ。 『ベチャっと潰れたような広さと迫力』を下の写真で味わって頂ければ・・・ 対岸からこちら側まで鉄道の橋を渡って、ゆっくりと散策するのが正解である。 ![]() 〜『ジュネーヴ訪問編』へと続く〜 2006年10月末、『時計オヤジ』のシャフハウゼン(チューリッヒ)&ジュネーヴ2都市訪問記は以下: ⇒ @ 『モーザー本社訪問記』はこちら。 ⇒ A 『最新・チューリッヒ時計事情』はこちら。 ⇒ B 『Baume&Mercier クラッシマ・レトロ・ジャンピングアワー』はこちら。 ⇒ C 『BEYER時計博物館訪問記』はこちら。 ⇒ D 『IWCの故郷、古都シャフハウゼン散策記』はこちら。 ⇒ ドバイの『世界初、IWC直営店訪問記』はこちら。 ⇒ E 『2006年10月、ジュネーヴ時計王国・最新情報』はこちら。 ⇒ 番外編 『2006年10月、ジュネーヴで買った理想のWモンク・シューズ』はこちら。 ⇒ F 『フレデリック・コンスタント新工場訪問記』はこちら。 『時計オヤジ』のドイツ時計世界の関連ページ: 『ドイツ時計聖地、ドレスデンにて。数学・物理学サロン探訪記』はこちら。 『ドイツ時計聖地、ドレスデンにて。ゼンパーオーパーとBIG-DATE機構の因縁』はこちら。 『ドイツ時計聖地、ドレスデンにて。ラング&ハイネ工房訪問記』はこちら。 『現代のドイツ時計聖地、グラスヒュッテ散策記〜NOMOS突撃訪問記』はこちら。 『グラスヒュッテ・オリジナル本社工場訪問記』(Part-1)はこちら。 『グラスヒュッテ・オリジナル本社工場訪問記』(Part-2)はこちら。 『ドーンブリュート&ゾーン REF.CAL.99.1 DR(2)ST.F 』はこちら。 『おかえり、ドーンブリュート!』はこちら。 『エリー・スタグマイヤー・シュトラッセ12番地〜クロノスイス訪問記』はこちら。 『ミュンヘンのサトラーにクラフツマンシップの真髄を見た』はこちら。 『2002年9月、ドイツ時計蚤の市訪問記』はこちら。 『2004年7月、最新ミュンヘン時計事情』はこちら。 『2006年3月某日、デュッセルドルフ散策』はこちら。 『SINN 356 FLIEGER』はこちら。 『世界初のIWC直営BOUTIQUEをドバイに訪ねる』はこちら。 『IWCの故郷、シャフハウゼン散策記』はこちら。 ⇒ (腕時計MENUに戻る) |
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