随筆シリーズ(85)

『2010年9月、最新・シンガポール時計事情@』

〜Part-1: チャンギ国際空港到着編〜





6年ぶりにシンガポールを訪問した。
マリーナ地区を中心に大きく変貌・発展した状況に驚くと共に、
『時計都市国家』のパワーに再度、圧倒された今回の旅行であった。
途中でビンタン島へも足を伸ばしたので、2回に分けて延べ一週間の滞在となる。
今回は、兼ねてより興味津々であった『最新、シンガポール時計事情』を考察する。(2010/09/20)

(↑上写真:ご存知、マーライオンと、屋上に巨大空中船を備えるマリーナ・ベイ・サンズが象徴的な光景〜)


(恐らく、時計の集積地としてはアジア随一の楽しい街である〜)


『時計オヤジ』はシンガポールとは少なからず縁がある。
CHOPARDのLUC196も、レベルソの手巻きGrand Dateも、はたまたSEIKO KINETIC クロノグラフ(Cal.7L22)も、そしてROLEXのDate Justも、全て前回迄のシンガポール訪問時に購入したものだ。そんなシンガポールへ6年ぶりの訪問となれば、自然と胸が高まるのも当然と言えば当然。新たなる出会いと発見を期待して、2010年9月、チャンギ国際空港に到着した。

2009年時点でシンガポールの人口は約500万人であり、内75%が中華系だ。
国民全体の教育レベルも高いので、滞在していても諸々の面で非常に快適である。
今回のフライトはサウジアラビアのリヤド発ドバイ経由のSQ(シンガポール)便で昼前にチャンギに到着。このルートのSQ便機材は可也古いので、ビジネスクラスと言えども快適性では満足度は低いのが残念。

チャンギのDFSは店舗数、品揃え共にアジア有数の規模を誇る。
香港DFS内の『欧州ブランド街』には負けるが、それでも品数共に十分に魅力的なチャンギである。
市内へ繰り出す前に、まずはDFS内の時計店で『傾向と対策』を予習することにする。これも勝手気ままな個人旅行の成せる業。仕事や団体旅行であればそんな余裕は一切無いのだが、今回は計10日間のフル休暇である。何をしようと自由というのが嬉しい限り。


⇒右写真: 
チャンギ国際空港の入国手続きの為、他の乗客はこうして並んでいる。本来、『時計オヤジ』もこの中にいるはずだが、今回は『時間差攻撃』で、まずは20〜30分程、空港内のDFSでブラブラすることにした。



(シンガポールでの『小売3大ルート』とは〜)
シンガポールには時計メーカーは存在しないので、時計事情はドバイ同様、小売店事情が中心となる。その小売ルートは大別して、以下の3種類ある:
1) 地元有力DEALERルート。
   御三家は、HOURGLASS、CORTINA、SINCEREだろう。
   これに続いてDICKSONS、YAFRIRO等がある。
   御三家合計の店舗数だけでも25〜30店舗になるので、
   狭いシンガポールでは何処へ行っても可也目立つ。
2) メーカー直営店、ブティック。
3) 小規模小売店ルートである。この範疇にもワクワクする店が多い。
4) これに番外としてチャンギ国際空港に入っているDFS店舗が加わる。
   DFS店は上記御三家等の地元DEALERとは全く別で、DFSによる独立した世界的なネットワークを持つ経営形態となる。

今回の『時計事情』では主に、上記の1)〜4)について触れてみる。



(CITIZENは海外モデルが非常に元気〜)

まずDFSで目に付いたのがCITIZENのEco-Driveモデル(写真右⇒)。
ブレスモデルもあるのだが、黒革ベルトモデルが色彩コントラスト上からも断然良い。
Cal.8700搭載、モデルNo.BL8000-03Aの所謂、パーペチュアル・カレンダーで、曜日はレトログラード表示。時針形状もユニークで存在感がある。小ダイアルの配置とデザインも垢抜けている。
中央部分の文字盤の色は外周の白とは異なる。透過性との関係だろうか、ややグレーがかった色で、ローマン数字INDEXとも相まって、落ち着いたデザインに纏め上げてあるのは見事だ。思わず衝動買いしたくなる気持ちが湧いてくる。商品としての訴求力は十二分にアル。

こういう時計、大好きである。
気になる価格は確かS$350程度と記憶するが定かではない。海外オークションではUS$300〜400前後が主流のようだ。Eco-Driveでもあり、本当に買っても良いかな、と到着早々ながら真剣に考え込む。

革ベルトのラグと時計本体との『密着デザイン』も最近のCITIZENは良く出来ている。
ケース本体との隙間が出来ないように、湾曲させたベルトエンドのデザイン処理も立派。
どうして日本国内で発売しないのか不思議でならない。日本ではEco-Driveだけでは販促上苦しいのだろうか。電波機能がないせいかも知れないが、こうしたシンプル(本当はパーペなのでコンプリ系だが)な時計こそ、今の日本国内モデルにも欲しいところだ。


(←左写真)

シチズン・アジア版の2010年夏のキャンペーンで、ブランド・アンバサダー(広告大使)に、今年8月からTakeshi Kaneshiro が起用されている。
日本人が日本ブランドの広告塔に起用されることは、単純に嬉しい気がする。それ以上に、広告で見るEco-Driveの商品が魅力的。
こなれた価格も嬉しいところだが、これらモデルは全て海外版で日本国内ではお目にかかれない(除く、並行輸入)。

この辺の商品展開はもう少々、融通性を持たせて幅広い市場でこうした魅力的なモデルを展開したいと願うのは決して『時計オヤジ』だけではあるまい。









(更にDFSのオメガ・ブティックで気になる2本を発見〜)

のっけから、入国審査まで辿り着けないでいる『時計オヤジ』である。
今度はオメガ・ブティック店でCal.8500/8501搭載のアクアテラを発見。
2007年6月にHOUR-VISIONに搭載されて早、3年が経過した新型Co-Axialムーヴメントであるが、その評価は内外で高いものがある。
ETAベースのCal.2500では特に第1〜2世代で精度・駆動系で問題を抱えたようだが、この新型85系キャリバーでは信頼性を大幅に高めている。それがスポーツ系のアクアテラに搭載されてから、ずっと興味を持っているが、どうしてもROLEX DATE-JUSTサンダーバードと被ってしまう点が正直、イマイチ吹っ切れないところ。

⇒右写真:
Ref.231.53.39.21.06.001の18金RG+クロコ黒革ベルトモデル。
今回ジックリと観察したが、38.5mm径のRGモデルは文字盤のグレイ系タペストリー(縦縞)デザインと相まって、非常に完成度の高い『極上時計』として評価したい。Cal.8501の18金製ローターも美しい。文字盤デザインはプラネットオーシャンの方が好みではあるが、アクアテラの『シンプル加減』も長期の使用&所有においては、落ち着きがあって良いかも知れない。名作ランチェロRancheroやレイルマスターRailmasterにも通じるこのデザイン、アローハンズが1本しかないのが寂しい限りなのだが、適度なケース径と共に、手首上での収まり具合は完璧。気になる価格はS$17,887.-である。




(←左写真: こちらはOMEGAアクアテラ・RG/SSコンビ〜)


Ref.231.20.39.21.06.001 38.5mm径、150m防水。
こちらのRG/SSコンビモデルは更に実用的で素晴らしい。
正直のところ、今回のシンガポール滞在を通じて一番欲しいモデルと言えば、このコンビ・アクアテラに尽きる。
3連のRGセンターブレスは可也目立つが、装着感も抜群。
文字盤の縦縞タペストリーデザインも素晴らしい。
当然、裏スケルトンであり、Cal.8500の個性も堪能出来る。価格はS$9,005.-。日本国内の並行輸入品並みではあるが、”Value for Money” の観点からはお買い得。銅素材が強いからであろう赤みがかったRG(Red-Gold、Rose-Goldではない!)の18金は独特な色彩である。赤というよりCopper銅に近い。気品を保つにはギリギリの線だろう。短時間ながら衝動に駆られて、こちらも真剣に購入を考える『時計オヤジ』であったのだ。のっけから危ない、アブナイ・・・。しかし、本当にイイゾ、この時計は。

※因みに、シンガポール市内ではVAT7%が加算される。免税措置でTAX REFUND制度があるが、実際の還付金は手数料等が差し引かれて4〜5%に留まる事を念頭に置くべきだろう。





(今回の最初の宿はオーチャードにある老舗、MANDARIN ORCHARD。ロケーションからはベストだ〜)

さてさて、ようやく入国手続きを完了して市内のホテルにチェックインする。空港から市内まで雨天の中、タクシーで30分程度、費用はS$25。1米ドル85円の円高の状況下、S$1は約63〜64円程度。S$の円換算は6年前と然程変わらない。
今回の宿は、義安城ことNgee Ann City隣のMandarin Hotel。あの有名なチキンライスでもファンが多いこのホテル、前回は満室で泊まれなかっただけに今回は狙い撃ちで予約したのだ。

昨年、大幅に改装したようで、以前あった1階のロビーやレストランは5階に移り、現在の1階部分は軒並みブティックやらモンブラン、BELL&ROSS、エンポリオ・アルマーニ等の約50店舗の路面店・テナントが入った複合ショッピング・モール(=Mandarin Galley)と化してしまった。それはそれで結構なのだが、個人的には1階に受付ロビーが鎮座する伝統的な間取りが好みである。エレベーターで5階まで上って初めてロビーフロアというのは少々、興醒めではあるのだが、如何せんシンガポール最大の銀座通りであるオーチャードロードに面したど真ん中に位置するので仕方あるまい・・・。









(←左写真: ホテルの部屋からマリーナ地区方向を眺める〜)


曇天、雨混じりの到着初日。
6年前に比べると高層ビルが一挙に増えた気がする。
写真中央の彼方には冒頭写真にもあるMarina Bay Sandsの空中船も見える。
特に埋め立てが進められたマリーナ地区が開発度合いが顕著であるが、市内中心部のオーチャード通り近辺でも、新しいショッピングビルや旧来のビルでも改装が多く進められた印象で、特に地下街は部分的には東京並みに開発が進むなど充実が著しい。

Part-2ではそうした花形、『オーチャード通りの時計事情』について考察する。
続く・・・ (2010/09/23) 322500 





(加筆修正)2010/9/24 Takeshi Kaneshiro写真・文章を追加UP。


『時計オヤジ』のシンガポール関連WEB:
@ 2010年9月の『最新、シンガポール時計事情』Part-1・チャンギ国際空港到着編』はこちら
A 『最新、シンガポール時計事情』Part-2、激戦区オーチャードRd.周辺事情』はこちら
B 『最新、シンガポール時計事情』Part-3、マリーナ地区について』はこちら
C 『最新、シンガポール時計事情』Part-4、モンブラン直営店訪問記』はこちら
D 『最新、シンガポール時計事情』Part-5、ムスタファ・センター訪問記』はこちら
E 『最新、シンガポール時計事情』Part-6、総括・シンガポール番外編』はこちら

『ちょい枯れオヤジ』のオメガ関連WEB:
「OMEGA "HOURVISION" De Ville cal.8501のレポート(Part-2)』はこちら。
「OMEGA "HOURVISION" De Ville cal.8500/8501をジュネーヴ展示会で見る』はこちら。

「OMEGA CONSTELLATION CAL.564 12角ダイアル」はこちら。
「OMEGA CONSTELLATION CAL.564 ジェラルド・ジェンタモデル」はこちら。
「OMEGA SEAMASTER GENEVE CAL.565」はこちら。
「バンコク、再訪!」OMEGAコンステCライン購入記はこちら。
「トルコのグランドバザールで12角・黒文字盤と遭遇する」はこちら。
『オメガ、新旧12角ダイアル・デザインの妙』はこちら。
『2006年1月の時計聖地巡礼記・その9、オメガ博物館訪問記』はこちら。 (2006/10/14)


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