シンガポールの2大ショッピング地域と言えばOrchardと、このMarinaに決まりだ。 Orchardが伝統を土台にした新興パワーを見せつければ、 このMarinaは現在進行形で伸び行くシンガポールを表現している。 老舗ブランドはOrchardで、ニューウェーブはMarinaで、が『時計オヤジ』の理解である。 (↑上写真:”The Fullerton Bay Hotel”の正面玄関からロビーに抜けると、 身長3mはあろう巨人の木像が出迎えてくれる。 マーライオンから徒歩3分に位置するこのホテルで、海の香りをのんびりと浴びつつ 新しいシンガポールのマリーナを味わうくらいの余裕は欲しいところだ。) |
(まずはMarinaにあるPan Pacific Hotelにチェックイン〜) オーチャードのMandarin Hotelも快適であったが、このMarina Bay地区で今回の宿に選択したのはPan Pacific。 結果的には、今回の旅行で最も快適であったのがこのホテル。個人的には隣りのRitz Carlton Hotelよりも好みである。Ritzの室内は木製の床で足音が気になる。ベッドの高さも普通以上あって、少々不便。窓に面したバスルームから眺めるMarina Bayや市内の光景は絶景であるが、『落ち着き度合い』からみればPan Pacificの方が肌に合う。 毎回の旅行で、宿をソコソコ快適なレベルに押さえるのが『時計オヤジ』流。やっぱり、敷居が高くなく安眠・熟睡が出来て、安全面含めた基本的なサービスが充実したホテルが望ましい。 ⇒右写真: 今回は22階で室内の広さも十二分。 NHKプレミアムも視聴できるので、日本語番組も楽しめる。折りしも日本では民主党の党首選でニュースは持ちきり。こうした『日常』を外国のホテルという空間で味わうのも一興、である。 インターネットは有料だが、速度も問題なく快適至極。 毎朝の朝食ビュッフェでは混雑で入場するのに行列が出来るのには閉口したが、不満は略皆無の満足ホテルでした・・・。 ←左写真: 今回持参した時計はこの2本。 毎回必携のSEIKO ARCTURA DIVERとROLEX EXPLOERE(36mm)。 少々地味過ぎる2本ではあるが、80%の湿度や雨と戦うためには防水時計が必須。 特に『小型』のEXPLOEREはサイズ的に本当に使いやすい。 今年、39mmの大型化モデルが発表されたが、個人的には全く興味が無い。 多少乱暴に扱っても平気なタフさ加減と絶対的な信頼感がこの2本には宿っている。 そして『正確で止まらない』時計は何時の場合においても重要だ。 KINETICのクォーツ時計は自分の旅時計の基準時計としても、毎回大活躍してもらってから、そろそろ10年が過ぎようとしている。昨年、SEIKOによるオーバーホールも実施した(但し、ケース研磨は受けてもらえず)。愛用する頻度から言えば、ARCTURAがNo.1となっているのは、やれスイス製のどこそこの時計がどーのこーのと薀蓄をたれようとも、こうしたオキラク時計が自分に一番似合っているからかも知れない・・・。 (新聞広告で新型?TUDORが目に留まる〜) 地元の英字新聞”STRAITS TIMES”の広告に右写真のようなTUDORの新モデル?が掲載されていた。 市内で探したが最終的に実物はまだ未入荷だったので新型には間違いあるまい(※この後、10月初に訪問したドバイでは溢れていたけど)。12時位置下にBig-Dateを持った典型的なデザインの時計ではあるが、丸みを帯びた全体のケース形状と合わせて、金色ベゼルも上手い味付けとなっている。秒針の小ダイアルデザインが子供っぽいのが残念だが、TUDOR製ということで興味が湧く。 コンビ一連のブレスレットは、バランス的に不安定な印象を受けるが元気あるTUDORの実用時計ラインの中核モデルと言っても良かろう。 ROLEXで出来ないさまざまな『実験』をこなすTUDORには、時にハラハラしながら見ている『時計オヤジ』であるのだ。 一方、期待(って、全く欲しくは無いけど)の新型エクスプローラーTはまだ未入荷。 10月になりそうとのこと。 (ラッフルズ・ホテルRaffles Hotelのアーケードも冷やかしには楽しい〜) 1877年のイギリス植民地時代に起源を持つシンガポールの代表的老舗ホテルは説明不要だろう。 このコロニアル風ホテルの土産物コーナーは、ホテルの住人以上に一般観光客で賑わっているのがラッフルズの知名度を物語っている。 そして、このホテルのモールにまでアワーグラスが入っているのが凄い。 この中庭カフェで『時計オヤジ』は一服、一休み。 暫し、3階建てのラッフルズの白い建物を見ながら一息つくことにする。 Marina地区の代表的ショッピングセンターは以下だろう: @ Millenia Walk 〜アワーグラス、CORTINAがある。 A Marina Square〜広大な地下モールにはさまざまな店舗が入る B Suntec City Mall〜SINCEREが入る。中小小売店も面白い。 C Marina Bay Sands〜今やMarinaの顔ともなったハイソなモール @、Aが中心となるが北部のブギスBugis地区はMarina地区から除外する。ブギス近辺は非常に怪しい雰囲気が出て来るのだが、この辺の時計事情は別途追求する。 ↓下写真の左側: ラッフルズで売っていたクォーツ時計。銀色ケースもある。欧米系の老婦人が購入していた。 右側写真: ラッフルズ売店の光景(一部)。この他にも書籍や陶器・食器、衣料品まで何でもござれだ。 ラッフルズ・ブランドの威力たるや絶大、というところだろうか。筆者も絵はがきを一枚購入。 (Millenia Walkで再度、Red Army Watchesを訪問する〜) オーチャードのWisma Atriaでも紹介した”Red Army Watches”がミレニア・ウォークにもある(↓下写真2枚)。 商品展開は、こちらのミレニア・ウォーク店の方がややソフト。スパルタンなモデル以外でもフランス製のLIPだとか、オーストリア製ヒルシュの革ベルトとかも豊富。ヒルシュにはパネライ用も結構、イイ種類があるので遠慮なくコレクションを見学しよう。 加えて、ミレニアにはThe Hour Glassと大型店舗のCORTINA WATCHも入居しており、特に後者のCORTINAには大手スイスメゾン以外にも貴重なブランドが幾つかあるので、ミレニアを訪れた際には必見。 |
(←左写真: 懐かしのアワーグラスを再訪する〜) 6年前にJLCグランドデイトを購入した懐かしい店である。 ショパールのブティック同様に当時の店員さんは既に辞めていた。 ベテランの店員さんと話をしたが、やはり若い人は回転が早いというか、定着率が低いそうだ。 今回はAlan Chanさんが相手をして下さったが、当然ながら丁寧な接客態度にはベテランらしい味があり嬉しいところ。 いくつかある気になる時計の中から見せて頂いたのは新型ブレゲ。 以下、『時計オヤジ』のミニ・インプレを述べる。 (⇒右写真: ブレゲ手巻き、REF.5967は大味だ〜) こちらは2009年発表の#5967、手巻きモデル。 ダミエ式ギョシェが大きな話題となったが、このギョシェも手彫りなんだろうなぁ。 ケース径41mmは流石に大きい。 アメリカ1ドル硬貨を2〜3枚、重ねて手首に乗せてる感じで納まり具合は宜しくは無い。 それでもやはり、大きくても#5157(38mm径)並か、それ以下の小ささに抑えないと2針としての凝縮感を表現するのは難しいと感じる。 目玉のダミエ風ギョシェも、凝り過ぎというかやりすぎで、ブレゲ(=ハイエック爺さん)の意気込みがカラ回りしちゃってる気がする。 裏スケもムーヴメントがデカければ良いというものではない。 フレデリック・ピゲ製Cal.151の懐中用がベースなので仕方ないけど、受け板の間隔までもが間延びしちゃっているのには既にバランスが破綻した感じ。 見方を変えれば、懐中マニアを楽しませる為の特別モデル、とも解釈可能であるが、やはり腕時計で使うにはチョイとデカ過ぎる。 全体的にNegativeトーンとなってしまったが、このムーヴメントではミスマッチになってしまうというのが『時計オヤジ』の結論。 2針のドレスウォッチであれば、潔く、『ケース径38mm以下』にしなさい!と、主張したい。百歩譲っても『40mm径以下』。 それを超えちゃうと、品格が失せてゆく事をメーカーは心すべきだろう。 (⇒CORTINAで見かけたIWCについて〜) 実はIWCの時計は今まで所有したことが無い。 正直に言えば、実直な真面目時計が多すぎて色気ある時計が少ないことが最大の理由だろう。ダビンチの変形トノー型は生理的に受け付けず、ダイバー系はコロコロ変わるデザインが好みに合わない。 そんなIWCで唯一気になるのがポルトギーゼPortuguese系とこの大型PILOT系モデル。中でも右写真にある『サン・テグジュペリ』シリーズには興味が湧く。帯磁仕様の為に裏蓋がスケルトンでないのが惜しい限りだが、アラビア数字のデザインといい、全体デザインの纏め方等が上手く出来ている。欲を言えば、やはり帯磁性能を落としてもスケルトン版を用意して欲しいのと、ケースは光沢あるPOLISHED仕上げとして欲しい。欲を言えば、であるが・・・。 (⇒右写真: PILOT系のクロノグラフ〜) 逆に右モデルになると、次第に興味が薄れてしまう。 理由は幾つかあるが、簡単に列挙すると: @全体のデザインがSINN等の軍用時計とカブル。 AIWCである必要性、個性と存在感が薄い。 BSSマットが『時計オヤジ』の好みと異なる。やはりポリッシュだろう。 Cブレスレットのデザインにシャープさが欠ける。 Dスケルトンでない。 針の形状は個性もあり視認性も良いのだが、全体のデザイン観点から見れば軍用時計の一つとしての存在感であり、IWCとしての個性が薄れている。ブランド名を見なければORISやSINN、FORTIS等のラインと大同小異。難しいカテゴリーであるのだが、もう一皮向けて欲しいモデルである。 |
(マリーナ地区総括〜) マリーナ地区は地下街、モールを利用したショップ展開が多く、スイス老舗系のブティックは殆ど無い。 アワグラ、CORTINA等の大手小売店は散見されるものの、その規模と店舗数ではORCHARDの後塵を拝する。 しかし、バラエティに富んだ数々の一般店舗に混じって、ミドル〜ボトム・クラスの時計にも遭遇するチャンスは多い。 そうした発見する喜びを胸に、このマリーナを攻略するのが正しい姿勢。つまり、大物を期待せずに新興開発地区らしい活気ある店舗展開、時計以外の品々含めて満喫しようとする姿勢がこちら側に求められるのである。 シンガポールは今年よりカジノ=ギャンブルが解禁となった。 今回はマリーナの象徴とでも言うべ『マリーナ・ベイ・サンズ』を訪問する時間がなかった、ここに入っているRADO直営店や、その他の時計店がどういったブランドを揃えているのかには興味津々である。次回の訪問時には、是非、その点も確認したいと思っている。 Part-4へ続く。。。(2010/10/13) 326900 『時計オヤジ』のシンガポール関連WEB: @ 2010年9月の『最新、シンガポール時計事情』Part-1・チャンギ国際空港到着編』はこちら。 A 『最新、シンガポール時計事情』Part-2、激戦区オーチャードRd.周辺事情』はこちら。 B 『最新、シンガポール時計事情』Part-3、マリーナ地区について』はこちら。 C 『最新、シンガポール時計事情』Part-4、モンブラン直営店訪問記』はこちら。 D 『最新、シンガポール時計事情』Part-5、ムスタファ・センター訪問記』はこちら。 E 『最新、シンガポール時計事情』Part-6、総括・シンガポール番外編』はこちら。 ⇒ (腕時計MENUに戻る) |
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