考察シリーズ (27)

『PUSATERIのショート丈・時計用手袋についての考察』



2011年5月、約6年半ぶりにフィレンツェを訪問した。
もう来ることもあるまいと思っていたフィレンェであるが、長く生きていると楽しいこともある。
今回の旅行で探し出そうと期待していたのが『ショート丈』の手袋。
幸運にもドンピシャリで見つけた老舗Pusateriの製品を紹介する。(2011/6/11)



(日本では中々お目にかからないショート・グローブ 〜)

このHPでも今まで多くの手袋を紹介してきたが、ショート丈の手袋は今回が初。
タイトルにある『時計用手袋』とは筆者が勝手にそう命名しているものであり、元来、時計用でも何でもない・・・。
実は有りそうで中々無いのがショート丈手袋である。手袋は防寒目的、との概念からだろうか、殆ど全ての手袋は手首までの長さだ。しかし時計好きとしては、時計が隠れる長さはいささか無粋。加えてパネライ等のデカ厚系時計では手首まで来る丈が邪魔になることも多い。




(←フィレンツェ市内で見つけた老舗PUSATERI〜)

今回のイタリア旅行中、ミラノでも散々探したがショート丈、それも男性用となるとまず見つからない。しかし、ようやく見つけたのがフィレンツェの老舗手袋店、PUSATERIである。確か創業年は1900年代後半だから比較的歴史は浅いが、手袋専門店としては老舗と言って良かろう。イタリア国内では支店もなく、このフィレンツェ店が唯一の存在。
場所は市内目抜き通りのオルサンミケーレ教会横。













(⇒右写真: ここでベストサイズを選択する〜)

実は期待もせず、何気なく店内に足を踏み入れた。
こちらが希望する商品説明を行う。
こちらの条件は3つ。ショート丈で色はグレイ、裏地無しの一枚革。
まずは右写真にある青色の座布団に肘を付き、店員さんが掌を見て、瞬時に私のサイズを見極める。流石はプロの仕事。一発でサイズは決定。

すると2種類の手袋を持ってきてくれたのが、見た瞬間に気に入ったのが今回の手袋となる・・・。












(←左写真:シープスキンの一枚革。裏地無しが鍵〜)

持論だが、手袋は一枚革に限る。
余程の極寒の地でもない限り、日常生活では裏地は不要。
それよりも一枚革による手首、肌への密着感を高めた方が数段快適であるのだ。今回も幸い、希望通りの商品と遭遇。ミラノでも探したが見つからなかっただけに、その幸運とようやく巡り会えたこの手袋に感激である。

手首上に編み込み式のレース飾りがあるのは蛇足であるが、まぁ、この際は許そうではないか。
それより何より、写真のようにブラックシールを手首側ギリギリに装着する『時計オヤジ』としては、手袋を付けてでもこうして時計が邪魔にならず、手袋から顔を見せてくれるのが何よりも嬉しい。筆者はこの手袋を称して『時計用手袋』と命名したい。








(時計が見える秘密とは、手首部分のこのエグリ加減にある〜)


その秘密とは下写真のように、@ギリギリのショート丈、であること、A手首(甲)の部分が大きく湾曲してカットされていること、である。このカットェイング(湾曲)ラインの妙により、時計フェイスが手首上で隠れないのである。
まさに都会的、まさにデザイン的にもお洒落ではないだろうか。
当初気になったレース模様の編み込み式飾りもこうしてみると、適度なアクセントとして十分許容範囲、だ。



























(あとがき)
今回のイタリア訪問は前回、2006年秋が最後なので4年半ぶり。
フィレンツェ訪問は更に早6年半ぶりとなるので、時間が経つのは早いものだ。


今回の大きな目的は『パネライ聖地訪問の旅』。
結果的には3大聖地の内、在イタリア聖地2箇所を訪問したのだが、それにミラノであらたなる『準聖地』が飛び込みで加わる楽しい旅となった。

『聖地La Spezia訪問記』をはじめとして、その巡礼記録は現在準備中。Paneristi必見の内容であります。(2011/6/11) 371900






(手袋についての関連WEB)

⇒ 『革手袋についての考察@』はこちら
⇒ 『DENTSの黒革製手袋についての考察A』はこちら
⇒ 『DENTSのペッカリー製手袋についての考察B』はこちら
⇒ 『DENTSのPITTARDS製革手袋についての考察C』はこちら
⇒ 『グローブホルダーについての考察D』はこちら
⇒ 『PARTENOPE製オレンジ手袋についての考察』はこちら
⇒ 『PUSATERI製、ショート丈・時計用手袋』はこちら

2011年5月、イタリア再訪関連ページ:
⇒『GRIMOLDIの長男、ロベルトと再会する』はこちら
⇒『2011年5月、ミラノ再訪記』はこちら
⇒『U-BOAT直営Boutique訪問記@フィレンツェ』はこちら
⇒『ダ・ヴィンチ科学技術博物館訪問記@ミラノ』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・パネライ・ミラノ直営Boutique訪問記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・フィレンツェ1号店Boutique
再訪記』はこちら
⇒『聖地巡礼3部作・イタリア海軍技術博物館訪問記』はこちら




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