考察シリーズ P

『グローブ・ホルダーについての考察D』




2008年12月。もう師走だというのに、これまでのところ相変わらず暖冬である。
オーバーコートはおろか、手袋やマフラーでさえ暑苦しさを感じる日が続く。
そんな時は思い切って防寒アクセサリーははずそう。
その場合、こうした品の良いグローブ・ホルダーが活躍することになる。(2008/12/14)



(日常生活では余りお目にかからないグローブ・ホルダーだが 〜)

ファッション雑誌などでよく目にする写真が手袋をコート(orスーツ)胸ポケットに無造作に差すやり方だ。しかし、日常ではこんな方法は現実的ではない。通常は、コート(orオーバー)のポケットに詰め込むか、鞄の中にしまい込むことになる。
鞄にしまうのであれば適当なグローブ・ホルダーを使いたいと昔から考えていたのが、この程、ようやくこれならばと思えるデザインのホルダーに巡り会えた。国産手袋メーカーの”伊東久”の製品だ。

恐らくこうした小物は日本製が一番ではなかろうか。
最たる例がハンカチ。日本にはブルーミングデール中西と川辺という双璧メーカーがある。彼等がメジャーブランドの殆どのハンカチを国内では生産しているのだが、外国で同様な洒落たハンカチを買おうとしても中々お目にかかれないのが実情だ。以前、ロンドン地下鉄のキオスクでハンカチを買おうと思ったら粗悪なティッシュを差し出された。ロンドン・キオスクではハンカチも売っていないのだ。
商品開発のタイミング、その場その場で押し寄せるトレンドの波と言うものもあるのだろうが、今回のグローブ・ホルダーも同様に、こうした小洒落たアクセサリーは国産が一番と感じている。


(⇒右写真: 一番派手な色彩を選択する〜)

黒色の牛革製にコバとステッチは見ての通り赤色があしらわれている。
黒と赤。このド派手とも言えるカラーバランスが気に入った。
他にも、黒、茶色、クロコ調、そしてデザイン含めて種類が豊富にあるのが凄い。
そしてもう一つの特徴が時計のバックルにも似通った留め具。
実はここが磁石になったバックルであるのでワンタッチでの脱着が可能である。
気になる磁石の力は強力そのもの。
しかし磁石であるがゆえに、腕時計への影響が気になる。
それ程、強力な磁力、地場を生み出している気がするのが唯一の懸念点だ。










(←左写真:革ベルトとしての十分な厚み。
        丁寧なコバの処理と赤ペイントが頼もしい限り〜)

このまま見るだけでも迫力ある革のボリュームとバックル。
アクセサリー単体としての完成度も高い。
単純な作りであるがゆえに、手抜きがあれば一目瞭然で分かる。
ゆえに、デザインと仕上げ含めてスキは無い。
銀色部分のバックルに磁石が使われていなければ、手袋以外のホルダー用途としても多方面で活用できるかも知れない。
例えば、雑誌、折りたたみ傘、タオル、衣料品、腕時計、コンパクトデジカメ、等などはどうであろうか。
実際の使い方としては鞄の取っ手等にぶら下げることが一般的。
あくまで見せる為の小道具として遠慮しないこと。決して照れてはいけない。







(⇒右写真: 試しにDENTS手袋を使うとこうなる〜)


個人的には手袋は使用していない時には丸めたり、皺をつけることに抵抗がある。手袋の保管は販売されている時と同様に、平らにして保管するのが原則である。だから、今回のようなグローブ・ホルダーを使うと、写真の様に手袋を丸めざるを得ない。
正直のところ、これは『手袋オヤジ』にとっては少々我慢できない点だ。
では一体、何時このホルダーを使うのか。
手袋を丸める時間を短縮する為には、あくまでワンポイント、短時間での使用が前提となる。そして腕時計や靴と同様に、革手袋であれば毎日同じものを使うことは極力、避けたい。
ということはこのグローブ・ホルダーで使われた革手袋には、その後、相応の休みを与えることが必要。1日使ったら2日休める。これが筆者の考える手袋のローテーションである。

こういう小物を自分なりに活用することも、日々の生活の中でちょっとしたスパイスとなって気持ちが良いものである。(2008/12/14)






追記1)〜2009/01/25

年も明けた2009年1月、日本製の手袋を3枚ほど買い込む。
羊革製の2枚は酷似するデザインだが、共に指間には色違いの茶色と赤色の革パーツが使われている。差し色と言うべきか、特に赤の方は強烈なアクセントである。DENTSの路線と異なり、少々遊びの要素を盛り込んだ2枚。
方や茶色のウール製は帽子で有名なボルサリーノ・ブランド。と言ってもこちらも日本製・伊東久によるもの。ウール製の良さは軽さとジャストフィット。毎回ワンシーズンで消費してしまうが、今回は掌部分に羊革製補強が入っているのでしなやかさと耐久性の両方が向上している。
こんなに手袋を揃えてどうするのだろうと思いつつも、デザインの良さに負けてついつい浪費癖がでてしまう反省シキリの『手袋オヤジ』である・・・。























(手袋についての関連WEB)

⇒ 『革手袋についての考察@』はこちら
⇒ 『DENTSの黒革製手袋についての考察A』はこちら
⇒ 『DENTSのペッカリー製手袋についての考察B』はこちら
⇒ 『DENTSのPITTARDS製革手袋についての考察C』はこちら
⇒ 『グローブホルダーについての考察D』はこちら


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