考察シリーズ N

”DENTS PITTARDS LEATHER GLOVES NO. 15-1529 Handsewn”

『デンツ・ピッターズ社製革手袋についての考察〜C』




2009年冬シーズンがいよいよ始まる。
DENTSのトレードマークでもある『手首ベルト式ボタン留め』の革手袋だ。
ペッカリー製も良いが、上質なPITTARDS社製牛革を使用したこのモデルも中々どうして。
写真でも分かるように細かいシボが見た目も気分で、何より柔らかい。
全サイズが揃ったこの時期、ロンドンのデパート、セルフリッジズにて買い求める為、
”手袋オヤジ”はLHR(ヒースロー)に飛んだ・・・。(2008/10/12)



(DENTSの定番、手首ベルト式のモデルはカントリー調 〜)

2008年10月初め。
ロンドンの日中の最高気温は12〜13度。コートが必要な心地良い天候だ。
街中では早くもマフラーや手袋で身を固める人々も散見される。
そこまで防寒の備えをするには明らかに早すぎるのだが、ファッション優先、それが毎度ながらのロンドンスタイルだ。地下鉄に乗れば汗ばんでも皆、我慢して重装備になるのが毎度ながらこの時期の不思議な光景でもある。

自身3枚目のDENTSとなるが、このデザインはDENTSモデルで本命中の本命。
手首にストラップのボタン留め式はDENTSの専売特許みたいなものだ。
DENTSと言えば、まずこのモデルを連想する。本来はアウトドア用、カントリーでの使用が建前ではないかと想像するのだが、勿論市内やビジネスでの使用にも十分対応できる。

メールオーダーも可能であるが、やはりサイズは実際に試したいもの。
個々のサイズのバラツキも心配であるのがその理由。やはりこの手の衣料品はメールオーダーではちと、自信が持てない。サイズも豊富なこの時期のロンドン市内、セルフリッジズにて今シーズンのDENTSを捜し求めることにした。





(靴で言えばモンクストラップに相当するのがこのベルト〜)

PITTARDS社の革はそのなめしと仕上げにおいて世界の一流品として知られるのだが、このDENTSで採用されているのは牛革。その風合いはまるで羊革のような柔らかさで驚かされる。表面には牛革特有の細かいシボが見られ、極めて上質な革であることは素人でも感じられる。
内側にはカシミア100%のライナーが付くので防寒には十分すぎる仕様だ。

手首内側にあるこのベルトは、デザイン以上に実用面での効能が大きい。
ボタンは2箇所にあるが、左写真のように通常は左側にボタンで十分にフィットする。同素材の革製ベルトであり、若干の伸縮性も持つので手袋の固定、という意味では重宝する。手袋とは意外に手首の中で動くものであるのだ。
革手袋の考察@でも紹介したが、ベルトが手首の甲側にあるモデルも存在するが、DENTSのように手首内側にある方がよりドレッシーなデザインとなる。




(革手袋こそ本来、オーダーメイドを薦める〜)


このDENTS、間違いなく一流品であるのだが手袋でも靴同様にジャストサイズが最大の問題。どんなに良いデザイン、素材であってもサイズが合わなければ仕方ない。手首、掌、指の形状はそれこそ千差万別、十人十色。

DENTSの場合、総じて日本人には親指が長すぎるカッティングとなっているので、この親指先端部分がどうしても手袋の中でバタつく。理想はビスポーク。DENTSでもオーダーメイドのシステムがあれば最高であるのだが手袋の世界では既製品中心が圧倒的。中々ジャストフィットの手袋に巡り会えないのは諦めるべきなのか。または自分に合ったサイズの手袋をマメに探す努力を怠らぬことであろう。別にブランドに拘る必要はないが、国産であれば2万円以下でも十分に上質な革手袋が見つかるだろう。

先シーズンからDENTS中心に言及してきたが、ここで良い革手袋の条件を纏めるとすれば、
@ 上質な革製であること(牛革でも羊革でもペッカリーでも構わない)
A デザインはオーソドックスであること(ワンポイントの遊びを入れることはOK)
B 何よりもサイズがジャストフィットであること(最重要)

これは時計でも靴でも共通する条件ではないかと考える次第。(2008/10/12)



(手袋についての関連WEB)

⇒ 『革手袋についての考察@』はこちら
⇒ 『DENTSの黒革製手袋についての考察A』はこちら
⇒ 『DENTSのペッカリー製手袋についての考察B』はこちら
⇒ 『DENTSのPITTARDS製革手袋についての考察C』はこちら
⇒ 『グローブホルダーについての考察D』はこちら


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