FRANCK MULLER   フランクミュラー

FRANCK MULLER "WATCHLAND" Limited Edition Ref.6850 SC
For Italy Only 50 pieces each in 18KWG/YG/PG cases



贋作も多い程、オリジナル人気のバロメーターと言えるかも知れない。
その意味では、フランクの時計は世界中に贋作、コピーだらけ。
如何にこのブランドの持つパワーとオリジナリティが素晴らしいかを物語る。
しかし、所詮本物の素晴らしさは本物でしか分からないのだ。。。




(2005年1月、ミラノのスピーガにて〜)

随筆E『イタリア時計巡礼〜』にても紹介したミラノMilanoのスピーガ通りVia Della Spigaを散策する。今やミラノのみならず世界的にも超有名な買物銀座となったモンテナポレオーネ通りVia Montenapoleoneとこのスピーガ通りの一帯は、ローマのコンドッティ通りのブロックと双璧の2大イタリア的買物聖地、である。

最新ミラノ状況は別途触れるとして、今回はスピーガにあるFM直営店(⇒右写真)で見かけて、思わず惹きこまれたフランクミュラー(FM)の限定モデルについて。

(フランクの魅力は、その美麗な文字盤にあり〜)

2〜3年前あたりから、一時の爆発的なフランク・ブームもようやく落ち着いてきた気がする。昨年には渦中のフランクミュラー氏も係争案件で和解し、また今年からカリスマ時計師としてWatchlandでの復活を期待している折に、この直営店でこのモデルを発見した。モデル名はズバリ"WATCHLAND"。時計オヤジには、まさにフランクの復帰を祝福するがごとく記念碑モデルと映った。

FMの何が良いと感じるかは人それぞれ。最早、詳細の説明の必要も無かろう。
筆者にとっての最大の魅力とは曲面のみで形成されるトノーケースの妙。そして、宝石にも負けない文字盤デザインの美しさと全体に漂う色気、に尽きる。ムーヴメントについては様々な議論もあるだろう。しかし、時計オヤジとしては、加熱ブームもそろそろ落ち着いてきた今こそ、熟成された技と匠の芸術的FMに再注目し始めているところだ。

この"WATCHLAND"限定モデルは独特のビザンチン様式のアラビア数字が、INDEXのみならず、文字盤全体の背景に散りばめられている。まさにこの数字の渦巻き文字盤は芸術そのもの。2003年発表のクレージーアワーズで衝撃的にデビューを飾ったこの文字盤は、ギョーシェ模様と相まって美しさは特筆に値する。宝石を使わずしてここまで艶やか、華やかな文字盤を生み出せるのはFM以外には見つからない。
従来よりクレージーアワーズCrazy HoursやカラードリームズColor Dreamsでも、こうした数字の渦巻き文字盤は存在していた。が、ノーマルな文字盤で、ごくごく普通のカサブランカタイプの文字盤ではこれが初めてではなかろうか。但し、ケースサイズは#6850と超BIG。ケース素材も18Kで3種類しかないので、『ごくごく普通の時計』とも言い切れないがね。

















(イタリア限定発売、各50本限定〜)


↑上写真、左より:
@黒文字盤は18KYG製。YGも決してキンピカして見えない。この文字盤の輝きは宝石使用のそれにも負けない一流の華、がある。18金のケースにも負けない文字盤の美麗さ。これは掛け値なしにフランクの凄みである。
A青文字盤は18KWG製。青文字盤は丸でエナメル仕上げのような光沢である。文字盤にはしっかりと"WATCHLAND"と刻印されている。ケース裏面にはそのWATCHLANDの工房がエンボスされている。
B3種類の文字盤で3本が勢揃い。白文字盤は18KPG製。各50本のイタリア国内限定販売。


これら3本を目の前にして、手に取り、ずっしりとした金無垢の重みをじっくりと楽しませて頂く。
質感十二分の手応え!に思わず、ムラムラと危険な想いが脳裏を過ぎる。今あるあの時計をどうしよう、この時計を元手にしようか、等などと走馬灯のように頭はグルグルとトランスtrance状態へ。

『この時計は決して日常用には向かないだろう、仮にサラリーマンであれば、この時計は余りに派手すぎる』等と、故意に否定的な見解で湧き上がる物欲の沈静化を図る。一方で、『黒文字盤であれば十分シックかも、クロコ革ベルトであればそれなりにONでも使えるかも、手首でチラ見せくらいであれば許されるかも・・・』などと悪魔のささやきも聞こえて来るのだ。何よりもイタリア限定発売のWATCHLANDバージョンである希少価値も後押ししてくる。こうして考えてくると非常に危ない決断へと誘導されて行くようであるが、斯様な時間が時計鑑賞?の最大の楽しみの一つでもある。う〜ん、それにしても中途半端な値段ではない。EUにおけるTAX-REFUNDを考えてもオーバー150万円也。






(⇒右側の写真、1000SC MERIDIANO イタリア国内100本限定〜)

これもイタリアのみ100本限定のロングアイランド調、18KWG。文字盤中央部には欧州の地図が配置されている。これも美しいモデルだ。FMはこうした地域限定モデルの投入で、ユーザーの気持ちをそそるような上手い戦略をとっている。これからも世界各地、各国限定モデルの投入が期待できそうである。


          *     *     *     *     *


4年前にはこのFMスピーガ直営店でも、品薄でカサブランカさえも見つからなかったが、現在ではジュエリーまでも含めて、FMの勢いと商品展開の厚みは増しているようだ。時計オヤジにとって、FMの益々の充実度は非常に嬉しい限りである。誰が何と言おうとも、フランクは不滅。こんなに華と存在感がある時計は、現代の名だたるブランドを鳥瞰してもそう簡単には、お目にかかれまい。

夕方のミラノは気温も零度近くになるが、気持ちが高揚している時計オヤジには心地よい寒風に感じた。
スピーガもモンテナポレオーネも刺激的なミラノは本当に楽しいのだ。



『ちょい枯れオヤジの』関連ページ:

『ちょい枯れオヤジのミラノ徘徊』はこちら。
元祖、『ドオゥモ店のGRIMOLDI訪問記』はこちら。
『再訪、ミラノの名店GRIMOLDIでBUGATTI TYPE370を楽しむ』はこちら。
『生誕地フィレンツェにPANERAIブティック1号店を訪ねる』はこちら。
『イタリア時計巡礼〜フランクミュラーを探す旅』はこちら。
2005年1月、スピーガ通りで発見した『フランクミュラー・WATCHLAND REF.6850SC』はこちら。
フィレンツェの『Ferragamo博物館探訪記』はこちら。
フィレンツェのアウトレットで買う『Tod's Calfskin Loafer』はこちら。
『イタリアで英国靴を探す旅〜Church購入記』はこちら。



フランク・ミュラー関連WEB:
『極上時計礼讃・序説』はこちら
『極上時計礼讃〜ラジオミールPAM00062』はこちら
『2001年3月、イタリア時計巡礼〜フランク・ミュラーを探す旅』はこちら
『2002年12月、スイス時計巡礼の旅〜FRANCK MULLER WATCHLAND探訪記(ジュネーヴ編・W)』はこちら
『2005年1月、FRANCK MULLER 限定モデル"WATCHLAND"6850SCのレポート』はこちら
『2006年1月、厳寒のWatch Valley時計聖地巡礼記 (その2)」(ジュネーヴ買物編)』はこちら
『2006年1月、厳寒のWatch Valley時計聖地巡礼記(その5)」(ウォッチランド再訪記)』はこちら


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