レマン湖、ローヌ河沿いに並ぶブティックやホテルの古い建物。 屋上の時計メゾンのネオンサインやブティックの柔らかい明かりが水面に映える。 夕暮れ時のこうした眺めは本当に心落ち着く瞬間だ。 美しいジュネーヴのワンシーンだ・・・(2006年1月10日 17:24撮影) |
(フランクミュラー直営店、初見参〜) まずはイル島にあるヴァシュロン本社ブティックと向かい合ったフランク直営店を訪問する。 恐らく、ここがミュラー世界初の直営ブティックではなかろうか。 例のヴァシュロン時計塔の下に位置する絶好の場所。 店内には時計塔の古い絵画も展示されており、まさにサロン。重厚なる雰囲気だ。 今から12年前の1994年当時、この場所に直営店を進出する話が決定した、と松山猛著『腕時計王』(世界文化社刊、90頁)にその逸話が書かれている。ヴァシュロンの対面に出店したのは偶然か、それともスイス時計の歴史に挑戦するミュラーの意気込みか、はたまた歴史ある一等地への進出がミュラーの念願、夢であったのだろうか・・・。 (←カサブランカ、サンセット似の街頭時計もトノーシェイプ。”ダブルフェイス”で気分満点!) 今まで何度かその店舗は見かけているが、目的が無いと簡単には店内に入れない、そんな敷居が高く感じるブティックである。まぁ、欧州の老舗直営ブティックは皆こんなものだ。 ウィンドウ・ショッピングのみが目的であれば、外のショーケースを見るのが良かろう。可也のモデルが展示されている。 しかし、今回はようやく『目的』が出来たのだ。 いよいよ、とばかりに入店前から少々ワクワク・ドキドキする『時計オヤジ』である。 (⇒ ブティック正面はこんな感じ。青地に白で書かれたFRANCK MULLLERのロゴが独特) (フランクミュラー”リミテッド2000”用の革ベルトを探す〜) 『時計オヤジ』がそのデザインの完成度から、1、2と愛でるのがこの”Limited 2000”である。まるでオスロ国立美術館で観たムンクの『叫び』のように独特の雰囲気、美しさとアンニュイを誇る。 この美しさは半端ぁじゃあない! ケースサイズは#2851。FMトノーサイズの中でも一番バランスがとれた美麗サイズ。しかし、残念ながら既に生産中止。#2851が無くなったのは本当に残念。 #2852も#5850も良いが、やはり#2851の絞り込んだラグ方向へのラインから成る絶妙な曲面の造形美は他の追随を許さない。#6850の”グランギシェ”では全くの別物になってしまう。 シルバー文字盤上で輝くこのギョーシェ彫りの深さ、美しさもまさに白眉。 ビザンチン数字ならぬ、『フランク数字』も1〜12時が全部揃っている。 6時と12時の数字は、秒針ダイアルとBIG-DATEに押された圧縮具合がこれまた絶妙! トノーの中の『楕円の妙』。そしてBIG-DATEと秒針小ダイアルの配置&バランスもこれまた格別だ。 (あ〜、おいしいところを一挙に述べてしまったなぁ・・・) 『時計オヤジ』が、『THE MOSTエロ格好イイ!』時計、と主張する所以だ。 色々言われるフランクであるが、この『色気と華』だけは他ブランドでは表現できない。大好きである。 そして、#2851には濃色の革クロコベルトが似合う。革ベルトこそがトノーの美しさを一番引き出す。ブレスでは駄目だ。 (←今回のブティック訪問目的はこのベルト購入にあるのだ〜) ラグ、美錠方向共に16mm幅のストレート・タイプ。 カミーユ・フォルネによるOEMは当然ながらアビエ・システムを採用。 アビエ・ベルトは本当に便利。工具無しで簡単に脱着できる。 くたびれてきた純正黒クロコに代わり、今回は艶なし(マット)濃茶クロコ竹班を選ぶ。 一方、別注ベルトも現在、念願の『茶谷さん』でオーダー中。 こちらはド派手光沢の黒クロコ丸班でお願いしている。 細かい注文にも応じてくれる茶谷さんの姿勢には誠に感謝多謝。完成が今から楽しみ。 結果は別途、『フランクミュラー Limited 2000の考察』とともにUP予定。 ←左写真: まさか日本人スタッフがいるとは予想外。 店内の写真撮影までもご許可頂き、何とも嬉しい誤算。 今回、お店で種々対応頂いたOkamotoさんにはこの場を借りて御礼申し上げます。 ⇒右写真: 展示モデルもさることながら、こうした模型や昔の工具が所狭しと陳列されているのも正直、意外。やはり天才・革新のフランクといえども、当たり前の事ながら、その基礎であるスイス時計の歴史と技術の上に開花している訳だ。 こうしたアンティーク工具類の展示にもフランクというブランドの哲学を垣間見る。 意外や意外、当然と言えば当然、実に地に足が着いていていいなぁ〜。 (今回の時計巡礼の旅の御供はこの2本〜) 毎回、旅の共とする時計選びも楽しい。今回の旅には、厳選の結果この2本。 オメガ・スピードマスターとJLCことイエガー・ルコルトンのグランデイトとなる。 そして、イエガーのベルトをブレスに変更することも目的の一つとなる。 (⇒右写真: 時計巡礼の旅における『厳選の2本』はこちら〜) 自動巻きのオメガは文句無く当選。クロノグラフも旅においては活用の場が非常に多い。 何といっても『オメガ』の本拠地に行くのだから1本は必要である。 そして8日巻きロングパワーリザーブのJLC手巻グランデイトも重厚そのもの。 こちらもJLC生誕の地、『ル・サンティエ』を目指すのだから持参は必然。 革ベルトでは時計本体の厚みに負けてしまい、今ひとつ手首上の落ち着き具合がよろしくない。原因はXGTの特大ケースにあるが、革ベルトとXGTケースのマッチングにもあるとの結論に至る。 目には目を。デカ厚にはそれに負けない頑丈なブレスで歯向かう。 逆説のようで実はこれが正解の場合もあるのだヨ。 (⇒ ガルーシャからブレスへ変更するとこうなる〜) 一時のブームは去ったが、ガルーシャも好みである。 美錠はダブルバックルの観音開きに変えたことで手首真ん中での装着感も良好。 しかし、それでもガルーシャの繊細な薄さがデカ厚のXGTケースに負けてしまう。 そこでフルメタルの『純正&頑丈&厚み』あるブレスに変更することで、ずっしりとした重量を増やし、その結果、安定度と密着度向上を図ることにした。 この純正ブレスは決して新しい設計ではないが、機能的にも凝った構造である。 イエガーでは他機種(レベルソ・グランスポーツ・クロノ)等でも使用されており、予想通りの完成されたデザインにも満足である。ブレス仕上げの感触はブライトリングのそれに似ている。 こちらもその詳細は追って、JLC追記でUPすることにしよう。 |
(3度目の正直、遂にヴァシュロンにて『お客様』となる〜) 今まで色々お世話になったVacheron Constantinであるが、今回は遂にお買い上げである。 本家本元での買物はそれなりに良い記念にもなる。 本当はイエガーのムーヴを積んだ機械(=裏スケの旧型Power-reserve Watch)を所望したのだが、エイヤぁ、とばかりに方針の大転換(!)を図る。そしておなじみ、ジャクリーン嬢を交えて選んだのがこちら・・・。 ←写真左側: ご存知、イル橋に面したヴァシュロン本社ブティック。 もう何度も紹介した写真であるが、実はお気に入りのショットでもある。 ←写真右側: ジャクリーン嬢は毎度ながら親切丁寧。 ついに今回は『商談』実現、となる。 ここに至るまで何と長い道程であたことか。 (エジュリーEgerieは貴婦人のように気品と貫禄さえ漂う美人顔である〜) #25040/000J−9052。イエス、女性用である。そしてオキラクのクォーツである(⇒右写真)。 イエローゴールド製18金無垢ケースのエジュリーEgerieにはサテンベルトが大変良く似合う。 トノーの美しさで言えば、フランク、カルティエ、そしてこのヴァシュロンが御三家だ。 フランクとカルティエを足して2で割ったのがヴァシュロンのエジュリー、とでも言おうか。大変良く研究され尽くした形状を誇る。カーヴェックス・トノー、8本ビス留めによるその湾曲した裏蓋の吸い付くようなドライビング・ウォッチ感覚は、この女性用が一番バランスが取れた破綻の無い大きさだ。 このエジュリーも女性用と侮るなかれ。煌めくギョーシェ彫りといい、INDEXと文字盤面積のバランスといい、何よりも総合的なデザインと装着感はピカイチ。勿論、『時計オヤジ』や一般男性用には小さ過ぎるので、あくまで女性専用である。 美錠にも例のマルタ十字がきっちりデザインされている。 宝石箱を想わせる収納箱も左写真←のように可也豪華で巨大。 ジュネーヴ訪問のっけから、FM純正ベルト+JLC純正ブレス+エジュリー、と3タテで逝ってしまった『時計オヤジ』はもう言うことは無い。これから始まる『時計巡礼』を前にして、完全にジュネーヴの雰囲気に飲まれている。いやいや、その雰囲気を楽しんでいるとでも言い訳をしようか・・・。 このあと行く先々で更に増えるであろうカタログやら書籍の類を入手する前にして、既に持参した小型キャリーケースは満腹状態である。 しかし、一方で後先考えない旅、『覚悟の衝動買い』というのもこれまた一興であるのだ。 この際、WATCH@GO-GO!?で行くぞぉ〜!? (その3〜『ジュネーヴ・ブレゲ編』へ続く〜) |
(時計オヤジの『2006年1月、Watch Valleyこと、厳寒のVallèe De Joux時計聖地巡礼の旅』関連のWEB等) ⇒ 『その1、ジュネーヴ到着編』はこちら。 ⇒ 『その2、ジュネーヴ買物編』はこちら。 ⇒ 『その3、ジュネーヴ気になるブレゲ編』はこちら。 ⇒ 『その4、新生ヴァシュロン・コンスタンタン工場訪問記』はこちら。 ⇒ 『その5、ウォッチランド再訪記』はこちら。 ⇒ 『その6、時計師ホテル滞在記』はこちら。 ⇒ 『その7、 AUDEMARS PIGUET & Co.博物館訪問記』 はこちら。 ⇒ 『その8、ヌーシャテル訪問記』はこちら。 ⇒ 『その9、オメガ博物館訪問記』はこちら。 最終章 ⇒ 『その10、旅の終着点、ラ・ショード・フォン再訪』はこちら。 ⇒ (腕時計MENUに戻る) |
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