(猛暑のパリ、とにかく暑いアツイ〜) 2003年7月、欧州は空前の猛暑に見舞われた。 8月のパリは何と40℃近くにまで到達。死者まで出たパリでもあった。訪問したのはその直前の7月だが、既に十分の猛暑であった。我慢できず市内のGAPで紺色短パンを買う。しかし、前回訪問は真冬2℃のパリであっただけに、寒いより暑い方がまだ良い、のである。 (その造形も見事なPlace Vandôme、ヴァンドーム広場〜) ヴァンドーム広場。Place Vandôme。 パリのど真ん中(という表現が正しいかわからぬが)のオペラ座から歩いて10分ほどでヴァンドーム広場に着く。ヴァンドーム広場は、かの太陽王ルイ14世の時代、17世紀に建造された。設計は建築家アルドゥアン・マンサールによる。広場はほぼ長方形だが、四隅が切り落とされた形であり、正確には八角形だ。現在、この広場の地下は駐車場となっている。広場の南北にそれぞれ道路の入り口がある。もともとヴァンドーム公爵の屋敷がここにあったことにその名前は由来している。周囲の建物の高さは皆同じ。そこに、超一流の宝飾店、時計店やリッツといった超高級ホテルが入っている。広場の形状の美しさ、そしてかかる高級shopが多いことからまさに「宝石広場」と呼ぶにふさわしい。そう言えば確か渋谷にも同名の店舗があったなぁ。広場中央にある円柱(コロンナ)はレリーフが見事である。この円柱はローマ、コルソ通り沿いにあるコロンナ広場にあるものと形状が非常に似ている。もっとも後者は紀元190年建造であるが。 (超ブランド一流店が軒を並べる。ため息吐息〜) ヴァンドーム広場には時計好事家のみならず、ため息が出るほどの超ブランド店が並んでいる。ブレゲ、パッテク、ブランパン、カルティエ、バセロン、ヴァンクリフ&アペル、ミキモト、ショーメ、モーブッサン、ブシェロン、ピアジェ、シャネルなど等。一番の新参者はSWATCHであろう。このSWATCHではベルトの特注オーダーが出来るのだ。12番地の店、ショーメの2階には晩年のショパンが住んだアパートがある。 (ブレゲMusiumは残念、クローズ中〜) 今回のお目当てはブレゲ。店、というよりは小さなサロン、という感じの店構えであった。同店に保管されているブレゲMusiumとでも言うべき資料室の訪問を狙っていたのだが、生憎、オーナー(店長)不在でアポが取れず諦めた。ちょうど休暇シーズンでもあり、8月第2週までは難しいと言う。残念だが仕方あるまい。どの店も安全対策上、常にロックされているので入る時はボタンを押して解除してもらうことになる。冷やかしで入るにしても、それなりの覚悟は必要だ(SWATCHは自由に入れるが)。間違っても短パン、Tシャツでというイデタチでは避けた方がよかろう。 (フランクミュラーのクレージーアワーに初対面〜) まあ、店にはshow-windowもあるところが多いので、敢えて入店せずとも十分に時計を楽しむことが出来る。折りしも、2003年バーゼル&ジュネーヴ・モデルがディーラーに届く頃。まずは、フランクミュラーの”CRAZY HOURS”をガラス越しだが初めて見ることが出来た。文字盤全体に散りばめられた数字がモチーフとなっている。ケースはマグナムサイズはあろうか、可也大き目。RGモデルらしく、その存在感はなお更である。最初知った時はこのモデルには本当に度肝を抜かれた。その発想というか着眼点に脱帽すると共に、アイデアを具現化するのが凄い。昨今、ユーザーにおけるフランクの評価は、好きか嫌いかに分かれることが多いような気がする。そのあまりに魅惑的なデザインと女性・セレブ向けにも有名になり過ぎた事、そして、中身のムーヴをETAやピゲベースとすることに反感を感ずる御仁も多いようである。 しかし、である。僅か10年足らずでここまでブランドを世界的ステージにまで押し上げたデザインと着想、そしてその実行力たる技術力はムーヴ外注とか云々を超えて素直に素晴らしい、と賞賛したい。そのフランク自身はパートナーと係争の渦中にあるようだが、今年の発表会はどうなるのであろう。4月中にはまた新たなニュースと新製品の驚きが飛び込んでくることを期待する。 |
(↓ フランソワ・P・ジュルヌの逸品には大感激!〜) |
さて、パリだからであろうか。地元出身のフランソワ・P・ジュルヌのコレクションをたっぷりと眺めることが出来た。筆者と同年齢のF.P.ジュルヌであるがゆえに興味も尽きない。そう言えば、F.ミュラーも略同年代である。う〜ん、打ちのめされそうだ。。。 写真上、左からトゥールビヨン"SOUVELINE"。F.P.ジュルヌの傑作品だ。詳しい解説は"TIME SCENE VOL.2"(P.060〜)がお勧めである。6時位置にある小窓はコンスタントフォース歯車と共に1秒で1回転するステップ式の秒針である。筆者は当日ビデオ撮影したのだが、その動きはクウォーツの動きとは全く異なり、コミカルでさえある動きを見せる。左から2番目は、オクタ・クロノグラフ。文字盤のデザインが美しい。これもウン百万円の超絶モデル。3番目はオクタ・カレンダー。レトログラード式デイト表示、小窓には月名、曜日名を表示する。4番目はご存知JLCセプタンティエム。RGケースに、ムーヴも18Y製である。5番目(一番右)のGRANDE-DATE(CAL.875)と共に、考察の詳細は「時計・JLC」編を参照され度し。 尚、このページの写真は全てSONYビデオカメラで撮影したテープから落としたものである。発色と画素数の悪さはさておき、デジカメを使うのも良いが、ピントが1pから合うこのカメラに広角コンバーターを装着して旅行で愛用している。これが意外と便利である。特に荷物がかさ張る時はデジカメ無しに、ビデオカメラ1本で勝負している昨今である。 |
(ルーヴル美術館にて絵画鑑賞を楽しむ〜) 最後におまけとして、右写真はルーヴル美術館で観た「モナ・リサ」の写真。 写真撮影は勿論OK、模写も自由に許されているのは欧州の本場ならでは(但し、三脚使用は禁止)。日本では到底有り得ないことだ。 パリ。花の都パリ。芸術家の街、パリ。 その中でこのヴァンドーム広場は格別な歴史と気品ある雰囲気を醸し出している。 街角を散歩したり、気ままに散策すると、名所旧跡以外でも数多くのとても楽しい発見があるパリであった。。。 (参考文献) @世界の腕時計NO.65 「ヴァンドーム広場物語」(P.129〜)(ワールドフォトプレス刊) ATIME SCENE(VOL.2) 「トゥールビヨン百花繚乱」(徳間書店刊) (このWEB上の一部又は全部の文章・写真の無断複製・無断転載はご遠慮下さい。) |