旅行記 E

「ちょい枯れオヤジ」の倫敦時計探訪!(序章)
〜大英博物館とグリニッジ天文台を目指して〜



♪倫敦、ろんどん、ロンド〜ン♪
駅前の某チェーン店ではない(古いか)。

(倫敦でのTARGETは・・・)

2004年7月、いよいよ大英帝国の本拠地、倫敦に上陸だ。目指す本丸は二ヶ所。大英博物館にある44号時計展示室と、グリニッジ天文台訪問である。時計の歴史はスイスのみが中心ではない。特に17世紀から19世紀にかけての大航海時代はスイスとロンドンが世界の時計産業の2大聖地であった。その歴史を垣間見るために、そしてこの後のミュンヘンの時計工房Chronoswiss訪問に備えて付け焼刃の勉強も兼ねるのだ。Chronoswiss社長のGerd-R.Lang氏は1000個以上の歴史的時計蒐集家としても有名である。こちらとしてもせめて、マリンクロノメーター等の実物を面談前に倫敦で是非とも見ておきたい希望もある。更には、まがりなりにも”GMT”と名が付く時計を使用する「ちょい枯れオヤジ」としては、一度はその語源でもあるグリニッジ天文台Royal Observatoryに足を踏み入れることを夢見ていた。(上左写真=お決まりのピカデリー広場)


(はしゃぐ、騒ぐ、にわか倫敦紳士?のオヤジパワー全開!)

(⇒右写真=バス観光に狂喜する「にわか倫敦オヤジ」)
倫敦訪問は6年ぶりであろうか。出張で訪問する機会は今までにも何度かあったが、今回は3泊自由日程、完全フリー。丸々お遊びである。自然と気合も入るというもの。まずは準備運動?に名物の2階建て観光バスにピカデリーで乗り込む。たっぷり2時間、久々に倫敦の街並みを文字通り高見の見物と決め込む。御代は@£16也(@\200/£)。このバスが結構爽快・快適である。視点の高さ、見晴らしの良さから断然2階に座席を確保すると宜しい。日本語の説明ガイドをテープで聞きながら、フムフムと納得しつつ、映画のスクリーンのように流れ行く倫敦の景色を楽しむ。ビールでも飲みながらであれば尚更、気分も良かろうが、この日はとにかく寒くてそれどころではなかった。昨年の猛暑・酷暑とは異なり、2004年夏の欧州は全体的に例年並だ。


(Burlington Arcadeで靴三昧・・・)

バス観光後、オヤジは倫敦の街を徘徊する。「トラッド・オヤジ」が倫敦で真っ先に向かうのは常にジャーミン・ストリートJermyn Str.である。A.DUNHILL、Turnbull&Asser、J.LOBB、PINK、TAYLER等、数々の老舗トラッドSHOPが怒涛の勢いで迫ってくる!眺めるだけでも楽しい、嬉しい。折からSALEの時期でもあり、あちらこちら見かける赤札SALEの看板に気持ちも踊る。早速、JermynのChurch'sへ飛び込み、事情視察を。大好きな内羽根式(Balmoral)WING-TIPがSALEで£180也(通常は£230)。それでも邦貨換算\36,000と結構なお値段である。「

物欲オヤジ」は短髪の後ろ髪を引かれ(つままれ?)つつ、次なる定番コース、Old&New Bond Str.へと向かう。超絶ブランドが軒を並べる銀座並木通りを更に10倍程パワーアップした感じが、このBondStr.だ。歩くだけで、ため息が出る。20年前に、この近辺の'The Watches of Switzerland'でDATE-JUSTを購入した記憶がある。しかし、今回のお気に入りはBondStreetと並行して延びるバーリントン・アーケードBurlington Arcadeだ(左写真)。時計と共に靴も「ちょい枯れオヤジ」の興味グッズの対象である。垂涎の的である靴の老舗が軒を並べる。


下の写真は左からCrockett & Jones, Edward Green, Church's。逸品揃いにヨダレが出る。価格帯は£250〜350が実用モデルとして一般的。この他にもALDEN(米)、タニノ・クリスティー(伊)等の錚々たるBIG-NAMEが並ぶのがBurlingtonArcadeだ。VINTAGE ROLEX専門店もあった。50本以上をDISPLAYしていた。試しに価格を聞いてみたが、50年代製18金黒ダイアル(リダン)、ハーフバブルバックの値札£9千(180万円!)というのには呆れた。











(倫敦の物価はとにかく高い!?)

東京の物価高は世界一、とよく言われるが「買い物オヤジ」としては決して賛同出来ない。20年前からロンドンの物価高には閉口している。アメリカの物価と比べると数字は同じでも単位だけが異なる感覚である。例えば、食事でアメリカであれば$100(@\110/$)なのに、ロンドンでは£100(@\200/£)の感覚だ。つまり、ロンドンの方がアメリカより80%も割高の感触を持つ。スーパーで買ってもビールも水もロンドンは高い。日本の定価販売の方が何でもはるかに安い感覚を持つのは「ちょい枯れオヤジ」だけであろうか?因みに倫敦の前に訪問したオスロの物価は、更にその上を行くので仰天した。PETの水1本が400円、スポーツドリンクは500円であった!世の中、何事も上には上がいるものだ。(写真右=BIG BEN国会議事堂)



(名物のアフタヌーンティーには降参!)

さて、ロンドン散策をひとまず終えると丁度、お茶の時間となった。
ピカデリーPiccadillyの傍にある老舗デパート、Fortnum & Mason 4階でアフタヌーンティーと決め込む。日本では紅茶で有名なF&Mであるが、食料品や銀製品、LADY'Sで有名な歴としたデパートだ。

アフタヌーンティーとは、簡単に言えばサンドウィッチとケーキ付きの紅茶セットである。歴史的には18世紀中頃から上流社会の夫人の間で流行したようだ。午後4時頃にはお腹もすく。夕食は9時以降。それまでのつなぎにこうした軽食を取る習慣が出来たのである。左写真にある、銀製の3段トレイに重々しくそれらは乗せられてくる。これがシキタリである。ご覧頂ければそのボリュームがおわかりになろう。当然ながら半分も食べきれず、残りは持ち帰ることにする。喫茶店嫌いの「辛党オヤジ」には一生に一度でこの体験は十分である。尚、スコーン(ビスケット)とお茶だけでもOKであるので興味ある方は、是非優雅な時間を満喫されたし。LEON流に言えば、「ニキータをエスコートしてdinner前に軽いジャブでくどき文句を・・・」とでもいうところか。女性受けすることはマチガイナイ。


7月の倫敦の気候は極端に言えば、一日の中に四季が存在するようなもの。汗もかくし、冷え込みもある。雨も降れば、時折陽が差し込むと暑くもなる。湿度と気温に上手く対応しないと体調を崩しかねない。気温40度以上の世界から20度も差がある土地に来た「寒がりオヤジ」は、不覚にも夜間に冷気で喉をやられた。しかし、それも倫敦時計探訪の意気込み?でなんとか耐えしのいだのだ。

ロンドン滞在中、大英博物館は2度訪問、グリニッジGreenwichも満喫できた。そのREPORTは「随筆シリーズ」で順次紹介したい。雑誌「時計BEGIN」最新号vol.36 58-59頁に、まさに上記二ヶ所の特集記事があるが、一足先にやられた、と感じている。結果的にはこちらが二番煎じとなるが、さすがは「時計Begin」。目の付け所は毎度ながら中々よろしい。

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