![]() カントリーシューズ各論編は続く。 今回はドバイで発見したブランド、ALDO からのMr.B'sシリーズより。 ALDOは以前にも紹介したが、ここの上級&トラッド・ラインがMr.B'sである。 その中からTricker'sソックリなこの靴を選択した。 最大の特徴が他に類を見ないこの2色使いのカラリング。 履き心地は本格派の英国靴とは別物の・・・ (2013/01/02 465000) |
(日本で未展開の”MENTZEL"、その素性を推察する 〜) 筆者が10代後半から20代にかけてのアウトドアと言えばアメカジ中心のそれであった。折りしも、当時メンクラ誌上にて小林泰彦氏提唱による『ヘビアイ(Heavy-duty Ivy)』ファッションが”Whole Earth Catalogue”の紹介と同時に日本にも普及し始めた頃である。当時の筆者のファッションと言えば、60/40のシェラデザインやL.L.Beanのハンティングブーツを自ら直接アメリカよりメールオーダーで取り寄せていた時代。当時、そうしたマウンテンパーカを着て、L.L.Beanを履いて都内を闊歩したものだが、どうにもヘビアイ過ぎて過剰なるアウターファッション過ぎたとの印象が強い。 そして、現代におけるアウトドアファッションの代表格の一つに英国式カントリースタイルが挙げられる。 カントリーシューズとは日本においては最早、ファッションとしての道具であり、誰もこの靴を履いてカントリーライフを過ごそう等とは考えてもいない。いや、日本に於けるカントリーライフなどは大多数の一般人においては実在しないに略等しい。そうであれば英国式カントリーシューズも、もっと柔軟な発想で、街向きに履き易く仕立てるのも一つのアプローチである。 例えば、J.M.Westonの名作靴GOLFなどは、そうしたシティ派カントリーの代表選手と言えるだろう。 今回の”MENTZEL”はまさしくそんな意図を持った都会派カントリーシューズを狙ったものと考えている。 ![]() *** 存在感のある豪快な靴、である。 デザイン的にはTricker's BURTONと酷似、というか似せて作ったもの。ハトメは5個あるので4個のBURTONとは異なる。 そして最大の特徴が藍と茶色を使ったハンドペイントによるグラデュエーション仕上げ。つま先のムラがある仕上げと甲の藍色の対比が、一見派手なようだが実にシックリとくる。 ジーンズとの相性は右写真のようにピタリと決まる。 Upperの革は非常に柔らかい。 幅広のラストと相まって、その履き心地はソフトで快適、 そして、そのもう一つのソフトの秘密が極厚素材のソールにあるのだ。 |
(極厚ソールの中間体には樹脂系素材を用いている 〜) ![]() 片足の重量は600グラム。十分重いのだが、何故かそう感じさせない。ソフトな履き心地の秘密が革製ダブルソール顔負けの厚みを持つこのソールにある。シャンクはアルミニウム製であるが、このソールは中間層に樹脂系素材を使っている。アウトソールは革製であるが、中間体に樹脂系を使うことでクッション性能が大きく改善されている。いわば、革製と樹脂系のハイブリッドソールである。 このお陰で足裏へのショックもかなり和らぐ。 ⇒右写真のようにボリューム感は十二分だ。 Upperデザインともマッチして、唯一無二の履き心地を生み出しているのが写真からも推測できよう。 そして、このハンドペイント仕上げは、既にアンティークっぽい使用感がいい塩梅で漂っている。俄かカントリーオヤジを気取るには、こうした出来合いっぽい仕上げが有り難い。まさに、ストーンウォッシュのジーンズのような風合いを感じる。 ![]() ←左写真: どうだろうか、この新素材ダブルソールとメダリオン。 この靴では3種類の大きさのメダリオンが使われている。 特につま先の6つの大きなメダリオンは豪快そのもの。 そのデザインはBURTONとほぼ同じであるのだが、故に完成度が高い。何処から見てもバランスがとれたメダリオンデザインであり、これは一つの理想系である。 5つのハトメ(Eye-let)といい、コバの張り出し方、そのスティッチといい、文句の無い出来栄えであろう。 C&J BANGORのような本格派と同じ顔を持つが、実は更に無骨ながらも絶妙なカラリングで軽快なる印象を醸し出している。Mr.B's、侮れず・・・。 |
![]() (既に生産終了のMENTZEL、その希少性も高い 〜) 今や日本を含めた世界中でWING-TIP顔を持つ英国調カントリーシューズの人気爆裂である。特に日本ではセレクトショップによる『別注モデル』の展開が、靴メーカーや靴業界に対する刺激にもなり、日本でしか入手できない本格靴も多いと見受けられる。 しかし、今回のMENTZELのように日本国内では入手できないモデルも逆に存在する訳であり、まだまだ世界市場には面白いモノ系が存在していることを再認識する。 このMENTZEL、そのデザイン性の高さとドッシリとした存在感から靴オヤジのカントリーシューズラインの中でも一際その存在感とクッション性能を誇る一足であるのだ。 この後、カントリーシューズ各論編は更に続く。 (2013/01/02 465000) ⇒ 靴のページに戻る (本格派カントリーシューズ関連のページ) @ 『英国で本格派カントリーシューズを探す旅(序章)』はこちら。 A 英国訪問編・Crockett & Jones "BANGOR"はこちら。 B ドバイ訪問編・Mr.B's "MENTZEL"はこちら。 C イタリア訪問編・Church's "FAIRFIELD-81"はこちら。 D サウジアラビア編・Massimo Dutti "Blucher Crepe"はこちら。 E ドバイ編・ J.M.Weston "#641 GOLF DERBY"はこちら。 F ドバイ編・ CLARKS ”Freely Burst"はこちら。 |
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