![]() カントリーシューズ本命中の本命。 靴オヤジがこよなく愛するWing-Tipとクレープソール。 この組み合わせの市販靴としては『世界最強』のデザインと全体バランスを誇る。 長年の夢を遅まきながら再度、『イタリアで英国靴を探す旅』にて実践する。 2012年8月のイタリアで英国靴靴を探す旅part2は非常に熱かった・・・。 (2013/01/26 468600) |
(Church'sの代表靴と言えば、LAST81である 〜) どうしてこうなってしまったのだろう・・・。 これは自分にとっての定めであり、引力の法則に身を委ねた結果としか言いようが無い。 Church'sのLAST81と言えば、まずは名靴BURWOOD、が頭に浮かぶ。そして同時に、このFAIRFIELDこそが、カントリーシューズとして本命中の本命であり、靴オヤジが偏愛するモデルでもある。メダリオンの大きさとデザイン、安定感あるラウンドトゥ、そして全体のポッテリ感溢れる頑丈なスタイルとラインにこそ魅力が山ほど凝縮されている。世評では、やれ無骨だの、可愛らしいだの、オールマイティの出張靴等、惜しげも無い賛辞で溢れる。果たして、LAST81のBURWOODとFAIRFIELDに関して言えば、そうした表現は決して誇張でも過言でもない。誕生したのは70年代であるが、カントリーシューズの範疇を超えた名靴として、これから先もまだまだ『永遠の頑強Wing-Tip靴』として、この世に君臨してもらいたい筆頭格である。 *** そんなFAIRFIELDを求めて、何故か英国ではなく、またもやの『イタリア訪問』、である。 まずは以前にBURWOODを購入したローマの直営店を訪問する(↓下写真)。 FAIRFIELDには2色ある。写真の通り、Maracca(タバコ)とBrown(焦げ茶)は共に発色も美しい。出来れば両方揃えたくなる誘惑に駆られる。FITはF 幅の一種類のみ。BURWOODでは存在したG幅は生産がない様子。 生憎と狙ったBrownの在庫が無い。仕方ないので、Maraccaでサイズ合わせを行い、最終サイズを特定する。同じLAST81でも、BURWOODのときは8.0Gであったが、今回は8.5Fに決定する。ミラノ直営店と連絡をとってもらい、Brownの在庫確認をお願いすると、結果はOK。早速、ミラノ店で在庫確保を依頼して、次なる訪問地、Veniceへと移動することにする・・・。 ![]() ![]() |
![]() (そして、ミラノ店で念願のBrownとの遭遇を果たす 〜) ミラノは楽しい。 ローマの路地裏探索も楽しいが、このモンテナポレオーネ界隈でひしめくブランド探検も楽しい。今回はChurch'sミラノ店の並びに、臨時のFlorsheim店舗があったのだが、今思うとあそこでスムースレザーのコンビ・サドルシューズを探せばよかったと反省しきり・・・。 それはさておき、ウナギの寝床のようなローマ店に比べて、ミラノ店は通常の横長売り場面積を持ち合わせ、居心地はそれなりに宜しい・・・。 ![]() (←左写真) 店舗内にはこうしたFOXの傘も立ち並ぶ。 流石、英国靴の老舗らしい、ツボを押さえたアクセアリー展開。 細巻きの8本骨には憧れる。 特に、マラッカ素材やヒッコリー系には目が無い。 何時の日にか、FOXも是非一本、入手したいと画策している。 日本の老舗16本骨も良いのだが、やはり傘は使っていない時のステッキ代わりにもなるスラリと伸びた姿が美しい。傘の生地とか含めた総合性能では国産ムーンバットとかの方が上かもしれないが、やはり傘には靴同様の存在感と洗練度合いを求めたい。500円の透明ビニール傘で満足している向きには到底、理解を超えた世界・傘、であろうが・・・。 (肉厚クレープソールにこそ歩行感の真価が宿る 〜) スエード素材でクレープソールのWing-Tipを”FAIRFIELD”と言う。 英国製でも類似製品はあるが、何と言ってもその頂点にあるのがこの靴。 下写真2枚でその存在感も分かろう、というもの。クレープ底が白いのだけは改善を希望する。靴底は直ぐに汚れてくるので、やはり最初から側面の黒色と同色に染めた方が見栄えも美しい。靴底、というのは誰も見ていない・見えないようで、実は歩行の際に後ろからは極めてよく見える部分なのである。また着席の際に足組みなどしようものなら、靴底は静止画像として丸見え状態になる。故に、ここに新品時のシールを貼りっぱなしの靴なんかを見ると、男女問わずその人の人柄を察してしまう。 ヒール部分の厚みは3cm。良くぞここまで厚みを出したものだ。 イタリア靴でもまれに、クレープソールのダブルソール、なんて垂涎モノを目にするが、FAIRFIELDではシングルソールながらも、その肉厚ぶりには驚くばかりだ。ダブルソール相当と言っても良いだろう。クレープソールファンとしては、ここに極まれり、である。 ↓下写真:Maraccaの淡いベージュカラーといい、極厚ソールの組み合わせといい、見る者をも魅了するこの迫力に溜息・・・ ![]() ![]() |
![]() クレープソールのクッション性、柔らかさに不満の向きには、よりハードなダイナイトモデルも存在するところが流石のラインナップ。好みだから何を選択しようと問題は無い。 しかし、個人的にはやはりこの靴はクレープソールの『フカフカ歩行感』が命であると思っているので、ダイナイトやリッジウェイ等のハードソールは不向きと考えている。 余談だが、リッジウェイRidgeway soleの”94%”表示について。 この%とは勿論、ゴム成分を表すのであるが、巷では様々な憶測や解説がなされている。例えば昔は94%だが今ではずっと低い60%台に下がったとか、云々。しかし、ちょっと真面目に考えれば、これは極めて不自然な解釈ではあるまいか。成分表示に厳しい昨今において、実際の%がもし94%から大きくかけ離れるようであれば、誇大表示以外の何物でもなかろう。食品ではないので、多少は大目に見たとしても、仮に30%も異なっているのであれば、幾らなんでも94%というのは『虚偽表示』でしかないだろう。仮にメーカーとして『虚偽表示』を理由はどうあれ放置している状況があれば、これもまた問題である。 こういういい加減な噂が流布する社会は怖い。では真相とは何か。 この度、実際にこの英国メーカーの会長に自らインタビューした結果、実は94%ではなく、現在では92%に下がっていることが確認できた。そしてもう一つの疑問はリッジウェイソールとJ.M.Westonのゴルフソールが酷似している背景である。この点についても疑問の『半分』が氷解した。その詳細については、特ダネでもあるので機会があれば別途、場を変えて言及したい。 ネット社会の怖さは、自ら実地検証することなく受け売りの情報を、さも本当っぽく流布することである。 何事も基本は、『現物・現場』にこそ宿るのだ。これらの分析は必須。分からない点は自分で突き詰める、ことである。 そして、受け売りの情報には、その扱いにくれぐれも注意と配慮を行うことだろう。未確認情報を鵜呑みにするのが一番危うい。 (靴選びで一番難しく、最大の愉しみでもあるサイズ選択について 〜) 下写真のように焦げ茶Brown(左)とタバコMaracca(右)では色彩コントラストに大きな違いがある。 どちらもいい色であり、そちらを選んでも間違いは無い。 Brownは多少の汚れも気にすることなく、ガンガン履きこなすことが出来よう。 Maraccaには、ゆったりとしたゆとり、余裕のようなものが感じられる。FAIRFIELDのソフトな印象を最大限に引き出しているのはこちらだろう。 そして左がサイズ8.5F、右が8.0Fである。内羽根の開き方に差が生じた。 内羽根式の場合、ここが大きく開くのは見苦しい。結果として、サイズは8.5FのBrownを選択する。 同じLAST81でもBURWOODでは8.0Gを選択したが、自分の場合、GとFではハーフサイズの差が生じたことになる。 尚、今回購入した靴の重量は左右で30gも異なった。右=550g、左=520g、という計測結果だが、実に30gも異なるとは、大味のFAIRFIELD、っぽくて、色々な意味から英国靴、という雰囲気ムンムンである。 ![]() ![]() (FAIRFIELDの良さは、肩肘はらない休日靴、としての存在感にある 〜) 個人的には仕事では履きたくない靴である。 週末や休日に、目一杯ドレスアップしたり、はたまたジーンズなどラフな格好に足元だけをカッチリと決め込む、そんな靴として履きこなしたい。ソックスにアーガイルも似合うし、もっとvividな発色のソックスも似合うだろう。足元が大人しい落ち着きのあるデザインなので、その上のボトムズ・トップスで思いっきり遊ぶことも出来るだろう。ツイードジャケットにも、ブレザーにも相性は抜群。言わば、オールマイティなる本格派のソフト・カントリーシューズがこのFAIRFIELDであるのだ。 (2013/1/26 468600) ![]() ![]() ⇒ 靴のページに戻る (本格派カントリーシューズ関連のページ) @ 『英国で本格派カントリーシューズを探す旅(序章)』はこちら。 A 英国訪問編・Crockett & Jones "BANGOR"はこちら。 B ドバイ訪問編・Mr.B's "MENTZEL"はこちら。 C イタリア訪問編・Church's "FAIRFIELD-81"はこちら。 D サウジアラビア編・Massimo Dutti "Blucher Crepe"はこちら。 E ドバイ編・ J.M.Weston "#641 GOLF DERBY"はこちら。 F ドバイ編・ CLARKS ”Freely Burst"はこちら。 |
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