Massimo Dutti マッシモ・デュッティ
〜 カントリーシューズを探す旅・サウジアラビア編 D 〜

”BLUCHER CREPE”
Ref.7845/122/709 CUERP (Size:42/UK8/US9/27.5cm)
Made in Spain



スペインのMassimo DuttiよりこのようなWing-Tipも登場していた。
靴底は『合成Crepe』、5つ穴ハトメのOxfordモデル。
この快適そうな靴底と表皮の柔らかさから思わず購入した一足である。
(2013/01/02 465000)



(世界中で流行中のWING-TIP 〜)


今や、世界中の主だった男性雑誌を見れば分かるが、カントリーシューズ系の重厚デザインが定着している。
中でもWING-TIPの流行度合いは凄まじい。名だたるブランドが、そしてファッション系ブランドやセレクトショップにおいても引っ張りだこで、誰も彼もが採用するWING-TIPである。フルブローグになればなるほど、洗練度合いは下がるのだが、その魅力・魔力に完全に陶酔しているのがこの『靴オヤジ』である・・・。



スペインの一大ファッション財閥のINDITEXグループに属するMassimo Dutti。ZARAやoysho等とは姉妹ブランドに当たる。ここから毎シーズン発表される靴も服飾も鮮度が高い。靴に関しても、種類の多さと、その洗練されたまさに時流に乗ったデザインが毎回興味を惹き付ける。
今回のWING-TIPも一目見た瞬間に購入を即決したほど。
ツボを押さえたデザインは、目指すベクトルがまさにカントリー。

5つ穴式ハトメに、アッパーは茶色のグラデュエーション加工であり、適度なラウンドトゥに『合成クレープ』底を配す。まさに教科書通りの公式で正攻法に攻めてきた結果の一足である。
この合成クレープは、FAIRFIELDの天然クレープゴム底とは似ているが、やや硬さを伴う。しかし、決して不快な硬さではなく、弾力(クッション)性と耐久性は天然クレープよりも上手だろうと察する。特に炎天下のアスファルト上では、天然クレープのように柔らかくなってベトつくこともない。いわば、サイボーグ的に良く出来た特性を持つのが『合成クレープ』である。正直、コイツは使えそうだ。






(全体の茶色革の発色とグラデュエーションの配色度合いが垢抜けしている理由 〜)

よ〜く見ると何も洗練されていないデザインであることが分かる。
無骨で色気も感じない、それでいて何故だか憎めないやつ。そんなイメージが充満するのがこの靴の持ち味。
ブローグの効用として良く説明に使われる表現が、『水はけに有効』ということ。しかし、ブローグが水はけに良いとは到底思えない。むしろノーズ部分がすっきりしているプレーントゥとかの方が、水はけという観点からは数段上ではなかろうか。逆にブローグの穴飾りから水が染み込み易いので、むしろブローギングは雨の天敵、というのが自分なりの解釈である。
それにしても、フルブローグの魅力とは、まさにその派手でゴテゴテした穴飾り(ブローギング)のデザインにある。
大中小の3種類の異なる大きさの飾り穴を駆使することが望ましいが、2種類のみに頼る靴も少なくない。
王道はあくまでも3種類であると主張したい。




























(個性的なブローギングがいい味を出している 〜)


しつこいようだがWing-Tipの顔と言えば、つま先部分のメダリオンの模様。つまり、ブローギングである。
どんなに全体にデザインが良かろうとも、このメダリオンのデザインがハズレると、途端に靴オヤジの『購入意欲・食欲』は減退する。最後の最後で購入の決め手になるのはブローギング意匠の出来の良し悪し、独創性の存否によるのだ。
このモデルでは、直線と曲線の組み合わせが秀逸。特に、つま先先端に矢尻のように直線で方向性を配しているのがデザインを引き締めている。こうしたメダリオンのデザインに凝っている靴は、その意気込みが感じられて非常に魅惑的である。逆に、どんなに丁寧な造りであろうとも、こうした『顔』に当たる部分の出来が悪いと、その靴の魅力は半減してしまう。
老舗メーカーであれば、最低でも10種類以上のメダリオンのデザインは『在庫』として確保して頂きたい所だ。
個人的な好みからいえば、Tricker'sやChurch's、Foster & Sonのメダリオンは安心して見ていられる。


さて、私的カントリーシューズを買い漁る旅もいよいよ佳境を迎える。
この後更に、3足の紹介をもって完結させる予定である・・・。(2013/2/04 470200)


























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(本格派カントリーシューズ関連のページ)

@ 『英国で本格派カントリーシューズを探す旅(序章)』はこちら
A 英国訪問編・Crockett & Jones "BANGOR"はこちら
B ドバイ訪問編・Mr.B's "MENTZEL"はこちら
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