Shetland Fox  シェトランド・フォオックス
〜カントリーシューズを探す旅、G日本編〜

Shetland Fox, Bitish Country Line
"Double Monk Strap Shoes"
Navy Kip Leather, Model #3061 (Size:7.5EE)
Made in Japan




1982年、REGALが世界品質を目指して設立した上級靴ブランド。
一度は消滅したが、2009年春に復活を成し遂げる。
日本人による日本人の為の本格靴ブランドである。
折からの革靴ブームと高度な技術にバックアップされてモデル数も拡大中。
そんな中から、今回はネイビーブルーのWモンクを選択する。
ネイビーカラーは自分にとって、『今年の旬の色』、であるのだ。
(2013/09/05 アクセス500000回記念)






(畏敬の念にも誓い憧れを抱く、『W-Monk Strap Shoes』  〜)


今まで度々語ってきたように、Wing-TipとW-Moncは筆者好みの2大デザイン。
以前、REGAL W-MONKでも紹介したが、その更に上を行く作りと全体の完成度を誇るのが今回のShetland Fox(以下、SF)である。
いつかはSFに足を入れたいと思い、その機会を狙っていたが、ようやくと言うべきか自分の好みのモデルが登場した。SFデザインはREGAL延長線上にあるので、全体的にトゥにかけてやや細くなる絞込みを持つデザインが多い。そうではないラインもあるのだが、例えばAshfordラインは好みであるが実際に履いてみると自分には違和感を感じた。LASTが合わないのである。これが靴の一番厄介なる点だ。どんなに好きな靴でも履けない、という、丸で女性へのどうしようもない片思いと一緒で、相思相愛が靴生活における基本であるのだ。

そんな中、SF日比谷店で実際に試し履きした結果、多少の問題はあるが解決可能と即断。即ち、ボールジョイント部分に僅かな圧迫感を感じたのだが、stretch処理で解決可能と判断したのである・・・。
後日、リペアショップにてStretch処理結果、圧迫感は全て解消されて、ジャストサイズに生まれ変わったのである。
『窮靴』を我慢して、自分の足を痛めることほど滑稽で馬鹿らしいことはない。
数ヶ月も痛みを堪えて、ある日、スッと痛みが消えた・・・、何ていう人様のブログもよく目にするが、その間の負担を考えるとも何ともご愁傷様である。良い靴とは最初からフィットするのである。そうでなければ、フィットさせる工夫を自らが考えるべきであろう。







(今年の自分のテーマカラーは『ネイビー』 〜)

気分的に今年はネイビーが自分のテーマカラー。
昨年はMassimo Duttiに代表されるロイヤルブルーであったが、今年もブルー系、ネイビー系の拡充を図っている。中でもこのSFダブルモンクが極めつけである。

ソールは英国製ダイナイトソールの本格底。British Country Lineを名乗るだけ合って、イメージとして目指す所は英国カントリー靴、なのである。革底の代わりにラバー底を貼ればカントリーシューズの出来上がり、という安易で単純な図式も読み取れるのだが、この靴の場合には各所の作りが確りしているので許せる。ネイビーカラーという遊びの色を用い、ダイナイトソールを使ったW-MONKというのが、確かにカントリーシューズとしてのツボを押さえたデザインであると言える。

ダイナイトとは”Day and Night”を英国調で発音したもの。つまり、一日24時間の酷使にも耐え得る靴底、という意味である。アメリカ靴底の代表がワークブーツに見られる波型クッションビブラムであれば、英国式ワークブーツ、カントリーシューズの代表がダイナイトソール、ということが出来るだろう。
ダイナイトはソールの突起も比較的フラットであることから、その耐久性・耐スリップ性も加わってドレス靴に多用されるのも理に適っている。











(ヒールクッションは独特の3D処理された丁寧な作り 〜)

←左写真: ヒール部分のクッションは中央が窪んだ形状。

ここにヒールが最初から心地良く納まる。
通常の靴であればフラットな部材であるが、SFの場合には踵のホールディングと地面への耐衝撃緩衝を考慮した仕上げとなっている。この微妙なる窪みに踵が納まる感触は素晴らしい。

数ある老舗英国ブランド、米国ブランド、仏伊ブランドの靴といえども、こうした細やかなパーツを持つ靴は少ない。既成靴であってもこうした配慮と工夫がなされる点がSFの真骨頂でもある。











(初使用でバックルが破損するという予想外のアクシデントが発生 〜)



さて、5月某日、いよいよこの靴を履きおろす日がやってきた。
喜び勇んで装着しようとすると、あろうことか左足前部のバックルが見事に破損してしまった。
下写真のように中央部分のバーがポロリと破断してしまったのだ。明らかに溶接強度不足による不良品。こんなこともあるとはまさかまさかのハプニングである・・・。


















(⇒右写真)

仕方ない、この部分のバックルはなしで使おうかとも考えたが、ここにバックルが無い靴なんて極めて不精であり無様でもある。通常出ればすぐさまSF純正バックルで修理を依頼するところであるが、海外にいる身としてはそれも即座には叶わぬ状況である。何か代替品はないかと熟考した結果、思い浮かんだのがSwatchのバックル。幸いにしてベルト幅が同一であり、ピタリと納まった。時計用なのでバネ棒を利用している訳であり、どうしても強度面で不安が残るが、取り敢えずは装着可能というところだ。










(←左写真)

そして、最終的にSwatchバックルを移植した結果、このような外観となった。どうだろう、やや縦型ではあるものの、傍目からでは分からないくらいに馴染んでいる。
むしろ、ワンポイントSwatch、ということでSwatchとの俄かコラボ靴の誕生である。

これぞまさしく世界で一つしかないMy W-Monkの誕生でもあるのだ。

















(こうしてみると爪先の尖り具合も良く分かる 〜)

ネイビー色という微妙な色彩には今まで扱いにくさも感じていたが、実際にONで使用してみると思いの外、違和感が無い。デザインがトラッド系ということも多分に影響しているが、これならネイビー系、グレー系スーツにも難なく合わせることが出来るだろう。

甲のシワの入り方も、ストレートライン(CAPライン)が影響して絶妙。ダイナイトのクッション性能のお陰で履き心地も抜群である。自身5足目となるW-MONKは、このSFによって自分の捜し求める境地を極めたといっても過言ではないのある。


(2013/9/05 500000)



















































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