最近、赤いブリックソールが復活している気配あり。
しかし、こちらはそんな流行に関係なく、個人的な興味から辿り着いた。
所有するWALKOVERが23年経過し、そろそろブリックソール交換を行うタイミングであるが、
現在はソール交換も不可能な世界に住む状況下、
幸運にも巡り会えたのがLOAFERタイプのこの靴である。
(2012/6/01 434500)
（この夏用のスウェードLOAFER＋ブリックソール 〜）
あと２ヵ月後、この靴を履いて旅に出る。
いや、旅に出る為の靴を探していた、というのが正しい。
手持ちの靴からの選択を検討していたが、今ひとつシックリと来る靴がない。持参する靴は最低２足。可也の汎用性の高さを求める主役靴には通常のドレス靴では雰囲気的にも重い。
そこで偶然にも遭遇したのがこのモデルである。
場所は市内のMassimo Dutti。毎度ながらの『お得意様』である。
2012年5月現在、日本進出は未だ無いMassimo Duttiであるが、中々ツボを押さえたファッション製品を展開している。このHPでも今まで何度か紹介してきたが、品質と価格がバランスしたシックな製品が多い。衣類、靴、鞄など、そのファンは可也いるものと推測するが、筆者もその一人である。今回はこのLOAFER。
商品名にあるAZULとはスペイン語で『青』のこと。そう、今回のキーワードは『旅に連れ出す青と赤』、である。
この靴の特徴は写真の通り、くったりした青いスウェードと赤（エンジ系）のブリックソールにある。
このモデルで一時の旅を過ごす。これこそ、待ち望んでいた靴の登場である。
（面構えは無難なラウンド・トゥのロングノーズ系 〜 ）
←左写真の通り、フロントフェースは及第点。
ややロングノーズとも思えるが、厚みを持ったラウンド・トウのお陰で普通に落ち着いた雰囲気を醸し出している。J.M.WestonのGOLFにも似たつま先部分である。
加えて、ライトブルーのスウェードに白スティッチ、そして適度に張り出したコバが更にOFFの靴であることを主張する。とどめはレンガ色のブリックソールだろう。この表革の青とソールの赤が色彩バランスを実に良い塩梅に構成している。
LOAFERでありながら、足のホールド感も十二分に達成されており、素足でもソックスでも共に遜色はない。
この明るい色彩バランスによる程良いスポーティー感が、この靴の最大の売りである。言わば、リゾートを意図した靴であり、今回の目的にも合致する。
旅先では歩く頻度も自ずと増えるので、この適度な厚みとクッション性を持ったブリックソールは何よりも心強い。
（ヒール・キッカーは不要だが、ヒールカップのデザインは合格 〜）
ヒールキッカーはあくまで飾りである。
あってもなくとも性能に違いはないのであり、そうであればスッキリと何も無い方が良いだろう。好みである。
敢えてヒールキッカーを配置するのは、恐らくデザイン観点からマリンスポーツをも念頭に置いたヒネリだと察する。ドレス用であれば全く不要であるが、カジュアル用となれば遊びのデザインとしては十分、アリだろう。
耐久性は別として、ブリックソールの衝撃吸収性、ソフトな感触というのは独特である。クレープ底のような粘りっこさはないが、ビブラム系ソールのような硬さもない。ちょうどその中間に位置するスポンジ感覚のソールは、歩行中も気分が軽やかになる。
耐磨耗性能では劣るが、ブリックソールはあくまでも見た目の爽やかさが売りである。踵が減ったら迷わず、オールソールすれば良いのである。靴好きであれば、オールソールを惜しんではいけない。
(LOAFERにおけるバランスとは何か 〜）
今回のモデルのバランスが良い点の最大の理由は、左写真からも分かる通り、つま先からベロア（タン）までの長さが全体の約半分となっている点だ。この長さが短いショートノーズでは足へのホールド感が劣る。LOAFERは紐靴と違い、足の甲の部分と最後部の踵の点で足へのフィット感を保っている。よって、この２点における適合の可否が履き易さを決めるのであり、一般的にロングノーズになるほど足への装着感、密着感は増すのである。
さて、この靴で目指す目的地とは８年ぶりに訪問するローマとベネチアである。加えてエーゲ海全般も視野に入る。真夏のイタリアでこの靴がどのような活躍を見せてくれるのか、今から実に期待と楽しみが膨らむ。
(2012/6/01 434500)
（Massimo Duttiの他の靴について〜）
⇒ 2005年、アテネで購入したDutti Sports Shoesはこちら。
⇒ 2011年、ミラノで購入した黒色Wing-Tipはこちら。
⇒ 2012年、リヤドで購入したスウェード製ブリックソール・ローファーはこちら。
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