VACHERON CONSTANTIN。 ヴァシュロン・コンスタンタンは1755年創業のジュネーヴ最古の時計会社である。トレードマークのマルタ十字は、時計の歯車の形がその起源である。1880年に商標登録されたというからその歴史たるやとてつもない。言わずと知れたPATEK、Audemars Piguetと並ぶ3大雲上ブランドである。その一つに足を踏み入れるとなると身が引き締まる緊張を感じた。 (←左写真:左手のビルがヴァシュロン本社ビルである。1875年に建造されたビル。100年以上前のビルが現役で存在するヨーロッパは本当にスゴイ!手前はレ・マン湖につながるローヌ河。) その本社ビルはジュネーヴ市内のローヌ河河畔にある。滞在中のホテルから歩いて10分の距離だ。1階は高級ブティック、2〜3階が時計博物館である。何とか事前にアポ確認が取れ、いざ訪問。非常に緊張しつつ、1階のブティック入り口のブザーを鳴らす。ロック式ドアを解除してもらい、一歩中へ入るとそこは超高級サロンである。一般の時計店とは全く異なる。展示されている時計は殆ど無い。全て顧客の「お好み」に応じて奥の金庫から在庫を運び出すのである。ちょっと冷やかしに、という目的では止めた方が良かろう。早速、3階の展示室へ案内される。途中、階段には古いポスターや、17〜18世紀に製作されたの貴重な工作機械なども展示されており、一歩一歩進むにしても目が釘付けになり、足早には階段を進めないほどだ。 右写真⇒: 当時のキャビノチェ(=屋根裏部屋)を再現した時計工房が並ぶ。工具、机など全て当時の本物を使用している。マネキンの衣装、髪型もリアル。今にも動きそう。 ←左写真 : 一番右の女性が案内役の美人嬢、ジャクリーンさん。 ご丁寧に展示品の解説までして頂き、恐縮の限りである。 左はオートマタのような自動人形で、その動きも楽しめる。 右写真⇒: 展示棚には歴史的な傑作品の数々。現代でも通用するデザインにはただただ、ため息、、、。こちらが見ている間、美人嬢よりこちらは監視の視線を浴び続ける。見ても傑作品に緊張、見られても緊張、なかなか落ち着けないフロアでもあった。 |
←左写真: 18世紀、1700年代後半!のヴァシュロン創設期に作成された懐中時計。この時期まだリューズではなく、カギで巻き上げる方式である。文字盤上にはゼンマイ巻き上げ用の鍵穴が見える。非常に貴重なコレクションの現物を見る興奮は大きい。 心臓の弱い方は避けた方が無難! ←左写真: コレクションの数々。現代の「あの」ブランドにそっくりのデザインも多い。 ←左写真: 2001年に開発された手巻きCal.1400の模型。 人の顔より大きいが精巧な造りである。実際のCal.1400は直径9リーニュ(ligne)、約20mmという小ぶりな高性能手巻きキャリバー。女性用時計のキャリバーとしても大活躍中の汎用性あるヴァシュロンのコア・ムーヴメントである。勿論、ジュネーヴシール取得済み。 * * * * * こうして見学を十分に満喫し、再度1階のブティックへ戻る。美人嬢よりシャンパンを勧められるが丁重にお断りした。まだお昼前、かつこれからヴァシュロンの商談など出来る身分でもない。感動、感想、お礼を述べてからヴァシュロン本社博物館を後にした。外の寒さも何のその。超歴史的な逸品の数々を拝見できたこと、そして非常に丁寧な応対を頂いたヴァシュロン・コンスタンタンには本当に頭が下がる思いであった。 (追記@)2005/4/15 ヴァシュロンは今年2005年で創立250周年を迎えた。冒頭の本社ビルは2004年12月に改修され、1階と2階は『メゾン・ヴァシュロン・コンスタンタン』として改築されたそうだ(『時計Begin』vol.39 Page.92〜参照)。 2階のミュージアムはリニューアルオープンされたそうで、是非とも再訪したい『時計オヤジ』である。 (追記A)2005/12/23 新『メゾン・ヴァシュロン・コンスタンタン』を訪問した。まさかの再訪実現である。 長年生きていると良いこともあるのだ。 詳しくは随筆シリーズ(40)の『再訪、メゾン・ヴァシュロン・コンスタンタン』を!!! (時計オヤジの『2002年スイス時計巡礼』関連のWEBはこちら) ⇒ 『極上時計を求めて〜ジュネーヴ編』はこちら・・・ ⇒ 『ヴァシュロン博物館探訪記』はこちら・・・ ⇒ 『パテック・フィリップ博物館探訪記』はこちら・・・ ⇒ 『フランクミュラー、ウォッチランドWatchLand探訪記』はこちら・・・ ⇒ 『ラ・ショード・フォンLa Chaux-de-Fond聖地探訪記(T)』はこちら・・・ ⇒ 『ラ・ショード・フォンLa Chaux-de-Fond聖地探訪記(U)はこちら・・・ ⇒ (腕時計MENUに戻る) |
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