時計に関する随筆シリーズ (38)

『2005年11月。我が心の故郷、ジュネーヴ再訪。』

〜PART-2〜





ジュネーヴは国際都市である。
意外に知られていないが、食事が美味い。スイスはフォンデュばかりではない。
フレンチは勿論、シーフード、イタリアン、タイ料理、中華、ベトナム、和食、
そしてやはり場所柄と言うべきかレバノン系の中東料理店も目に付く。
散策の疲れを癒してくれるのはこうした楽しいエスニック・レストランでもあるのだ。。。

(↑上写真: Cafe Du Centreにて。2005年11月5日14:10撮影。F2.9, 10/110, 28mm, ISO400 FinepixE510)


(意外や意外、スイス・ジュネーヴのレストランは探すと楽しい〜)


街中をとめどなく歩くと流石に疲れる。
疲れたら休憩がてらCafeに入る、そして空腹感を覚えたら食事をする、という風まかせの旅はオキラク至極である。。

3年前の滞在中にも通い詰めたシーフードレストランを探す。
当時、12月に食べた生カキとカニ、ロブスターの味は忘れていない。今回の旅の楽しみの一つがそのレストランを再訪することでもある。しかしまさか、2度と来ることもあるまいと考えていたので、その店の名前も場所も全く記憶にない。多分、この辺とばかりに探し歩きようやく発見した。良かった、まだ存在していた。隣には同じくお好みのイタリア料理の店もこれまた健在。激しく街並みが変わり行く大都市とは違って、こうした風情にも安堵する『時計オヤジ』である。

(←左写真:お気に入りのシーフード料理店”Cafe Du Centre”
  予算は一人@CHF50〜70位から堪能できる。場所はPlace du Molard 5)




↓筆者の好みメニューはこんな感じ。ハーフダズン(6個)の中型サイズのカキとカニ1匹だ。生カキ(オイスター)もその種類は10種類くらいはあろうか。大きさ、産地から選べるというまるでワイン選びをするがごとくMENUとじっくりと睨めっこだ。
ロブスター、カニもこの時期は美味。レストラン外からは、フレッシュな素材やら、カキをむいている光景も楽しめる。



こういう何気ないようだが、店名の通りカフェでもあるレストランにはさりげない気品が漂う。子供、幼児も入店可能(少なくとも昼間はね)。

シガーを吸う『本オヤジ』、談笑にふける女性方、カフェと新聞を楽しむ『青オヤジ』等等、誰もが自分の時間を楽しんでいる土曜の午後である。







(ジュネーヴはエスニック系レストランの宝庫?〜)

今回の滞在ホテルは中央駅コルナヴァンにも近い。この辺りには多くの中小レストランが点在している。
中華も結構いける。タイ、ベトナム料理までもあるとは新鮮な驚きである。和食は勿論、鉄板焼きと寿司も定番として店を構える。ラーメン店まであるのもちょっと驚く。ここはジュネーヴ、各種国際機関も数多いこと、観光客もそれなりであり、加えて世界中のセレブも集まる土地柄か自ずとバラエティーに富んだ『世界のレストラン』が集まる街でもある。


トム・ヤン・クンやらトム・カー・ガイも懐かしくなってきた。
どれどれ、今晩は中華&タイ料理で楽しむことにしようか。

(←左写真)
タイ・ビールSINGHAを飲みながら、まずはトム・ヤン・クンのピリ辛スープと海老のフリッターでオードブルを楽しむ。カジュアル系のレストランも多く、気軽に利用できるのが嬉しい。
客層は圧倒的に欧州系であるが、店員はタイ&中国系。
やっぱり、アジア料理はアジア人シェフによるのが気分である。







ジュネーヴの街は比較的安全である。
夜の独り歩きもさほど危険を感じない。しかし、ジュネーヴと言えどもやはり外国である。無用な独り歩き、薄暗い場所へ向かうことは控えた方が賢明だ。
夕食後、ぶらぶらと散策して分かったのは中東系のケバブ、シュワルマ等の小さなスタンド形式レストランも数多いこと、そして中央駅近くの一角にはそれなりの『歓楽街』も存在すること。
『中東通オヤジ』にはこうしたレストランも懐かしいお好みであるのだョ。
世界中からの客を相手に夜な夜な店を開くのはジュネーヴも同じであるノダ。

(⇒右写真: ロレックス取扱NO.1の老舗ブッヘラーBUCHERER。
         夜見るネオンもひと際輝きを増す。スイスであることを実感する。)







(ジュネーヴ土産としてオススメは〜)

海外旅行に行く際、常にお土産を考えるのは誰しも皆、同じであろう。
ここでは敢えて自分自身への土産、という観点で考えてみる。
基本的に海外旅行、海外訪問と言うのは一期一会。その瞬間が勝負である。また明日、また来週会いましょう、という時間的余裕も無いのが一般的。故に、下調べをしようとしまいと欲しいもの、買いたいものに出会ったら、そしてそれが自分のインスピレーションに響き渡り、物欲をそそり立てる自信が持てるモノである限り迷うことは無い、買うべきである。理想は旅行の印象、思い出とオーバーラップ出来るものであれば更に宜しい。

例えば・・・。

PETEKの96が欲しい御仁は本家のPETEK本店・直営店に通い詰めるが良かろう。
日本で買ったらいくら、並行品ならいくら、という予備知識は持つに越したことは無いが、本家メゾン・直営店で購入することはスイスに行かねば実現できぬこと。その経験は時計と共に一生の想い出に残るはず。

『昔、お父さん(おじいさん)がジュネーヴ本店でわざわざ買ったものだよ・・・英語も中々通じなくて、苦労したけど、PATEK博物館で見た時計とそっくりなのが気にいった・・・』、などど孫子の代まで語り継げよう。そう思えば多少の内外価格差なんぞは取るに足らぬこと。そもそもPATEKを買う人が数万円の違いに悩むのであれば、この後、生涯にわたり必ず100万円以上に嵩むであろう維持経費(=OVH、メインテナンス費用)に耐え切れるはずも無い。止めた方が賢明。

と、まぁ、以上はあくまで個人的見解であるがね・・・。

(⇒右写真: 向かって右端、PATEK本家本元の店舗は改装中。すぐ傍で仮店舗が開店している。
         中央はハリーウィンストン、左端はROLEX/BUCHERERである。)



(では、一体何がお土産としてオススメか?〜)

我輩は『時計オヤジ』である。
時計のモチーフ無くして何が土産と成り得ようか。
しかし現実には毎回、腕時計ばかりを買っていられる訳もない・・・。
名所旧跡・博物館探訪、思い出作り、記念写真撮影、様々であるが『物欲焦点』で考えると以下:

1.スイス製アーミーナイフ:
  今や世界中のどこでも買えるのであるが、スイスでしか買えない限定モデルもある。
  ⇒右写真はWENGERのスイス限定版モデル。
  標準的ないわゆる6徳モデルだが、ルックスが良い。
  レマン湖の噴水やモンブランが印刷されているのが気分ではないか。
  アーミーナイフといえば例の赤色。WENGERとVICTORINOXが有名だが、
  このWENGERのスイス・オリジナルデザインには拍手喝采する。
  これでCHF29.00とは超お買い得。貴方なら『何個買いますか?』
  ベストはこれに名入り、刻印を施すことだ。ジュネーヴで刻印できる店は筆者が知る限り一店のみ。
  興味ある方は現在のPATEK仮店舗並びの"RIETHMULLER AG"がお勧めだ。



2.やっぱり腕時計、懐中時計:
  ブランド、品種を問わずやはりスイスの時計ははずせない。
  数千円台から面白いものが売られているが、スイス製かどうかと言う点では疑問も多い。
  ”SWISS MADE”と記載が無い場合にはまず中国製と覚悟した方が無難。
   しかし、そんな事は大した問題ではない。要は気にいるか否か。
  デザインと本場スイスで買うという思い出が最優先であるのだ。

(←以前、チューリヒ空港DFSで衝動買いした時計オヤジの『過去の遺産』。
  両面スケルトンのハーフハンター式はムーヴメントの動きを確認する『教科書として』・・・。)








(←左写真2枚)

某店舗で見かけた、時計技師の動く人形(オートマタ)と、店舗入口に飾られたNASA宇宙飛行士の模型。

こうしたディスプレイにも気合が入っているのが本場である。
時計好きにはジュネーヴ街中が博物館も同然。
本当に飽きない、楽しい街である。








(ここで、アーミーナイフは手荷物として機内に持ち込めるのか、という疑問が〜)

ここで素朴な疑問が湧く。スイス名産のアーミーナイフは手荷物で機内持ち込みが許されているのであろうか?
はたまた、空港DFSで売られているのだろうか?
常識で考えれば絶対に”NO”である。通常の空港検査ではまず許可されない。最悪、没収・廃棄は必至だ。

しかし、スイスは例外。ジュネーヴ空港内のDFSではアーミーナイフが販売されているのだ。
店員に聞いてみた。条件があるそうだ。スイス発の欧州目的地などへの直行便のみOK。トランジットする客や経由地がある場合は許されていないとのこと。それでも驚く、かなり呆れる。商売優先とは言え、この御時世である。ちょっとやり過ぎ、国益優先し過ぎ?のスイスではあるまいか。因みに、空港店では種類も限られるので、買いたくとも後の祭りになりかねない。ここでも一期一会の精神で、いいものは即座に市内で買うべし!!!



(ロンジンLONGINEの2005年バーゼル新作『マスターシリーズ』は、ちょいといい雰囲気〜)

(↓下写真)ロンジンの中3針デイト付き3種。全て裏スケルトン。
これは中々良い。全てデイト付きというのも『時計オヤジ』好み。
ムーヴメントには堂々とETA製の刻印がある。いいじゃないか、ETAでも。信頼性もあり、メインテナンス上の問題も極少だ。


左から:まるでランゲ1815にデイトを付けたような意匠。
     スモセコではないがシンプルでノーブル。3本の中では一番薄く、小径。CHF1,600。

中央: デイトが二桁のBIG-DATEである。
     まるでオメガの最新 12角デザイン、デヴィルDe-Villeと酷似。
     こういう普通の時計はあるようで中々少ないのだ。
     シンプル文字盤であるほど商品化にはセンスと理念が必要。
     ロンジンはどうであろうか?CHF1,950也。

右端: 3時位置にデイト、6時位置にパワーリザーブが付く。
     ちょっと大型、肉厚である。それでも40mm径程度には納まっている。



まるでオメガの時計を見ているような、ロンジンの新作3本はいい線いっている。
現状(=2005年11月現在)では、全てクロコ革製ベルトのみでブレス仕様はまだ無い。この時計に上品なデザインのブレスがついても非常に似合うだろう。ちょっと、気持ちがくすぐられるモデル。
『時計オヤジ』のオススメはズバリ、左端の1815似、である。Simple is the best !!!




(最後にジュネーヴ街中で見かけた各ブランドの大型時計を記念撮影〜)


ジュネーヴ市内には街角のあちこちに大型時計が飾られている。
各ブランド、メゾンの代表的意匠を大型にしたもので、こうした時計デザインも見るにつけ楽しい。
ROLEXあり、今度はフランク。あのブランドは無いかな・・・、等と探し出すのも楽しいもの。

では順不同に『時計オヤジ』が見つけた『街頭の大型時計展示会』と行こう。
10個以上のブランドが分かる貴方は『時計オタク』と認定します・・・。






































(参考)2005年11月初における為替レート『概算』 : @¥140/EURO、¥118/US$、¥90/CHF




(時計オヤジの『2005年ジュネーヴ再訪〜』関連のWEB等)

⇒ 『2005年11月、ショパールChopard本社工場探訪記』はこちら・・・
⇒ 『パテック・フィリップ・ミュージアムPATEK PHILIPPE MUSEUM再訪』はこちら・・・
⇒ 『ジュネーヴ再訪、PART-1』はこちら・・・
⇒ 『ジュネーヴ再訪、PART-2』はこちら・・・
⇒ 『2002年12月、旧・ヴァシュロン本社博物館探訪記』はこちら・・・
⇒ 『再訪、新メゾン・ヴァシュロン・コンスタンタン』はこちら・・・

⇒ (腕時計MENUに戻る)


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