再びスッコチグレインのギリーシューズについて。 現行品のINFINITYのベースとなるのがこの限定モデルRef.8100(販売完了)である。 ボルドーboudeauxにも見えるが、色はダークブラウン(濃茶)。 これも現行品には無い色だが、中々どうして良い発色である。 早くも2足目のギリーを購入した『靴オヤジ』は、俄か『ギリー・オヤジ』となってしまったのだ。 |
(ギリーにはまってしまった『靴オヤジ』〜) この2ヶ月間で革靴5足も購入してしまった。 時節柄、各種セールも利用して国産・輸入品と色々履き比べても見たものの、デザイン性、フィット感、品質の3拍子揃った靴は中々見つからない。結果的には5足全てがスコッチグレインとなってしまったが、その内2足がギリーシューズである。前回紹介した黒INFINITYに続き、今回は限定品として以前販売されたモデル。よって今では旧型モデルになるが、個人的嗜好から言えばこちらの方が好みである。 ギリーは楽しい。 その独特なハトメ周りのデザインは、実用上、殆ど目立つことも無い。 しかし、それでいて他のトラッド的デザイン靴とは一線も二線も画すこの独特な意匠には心ソソラレルものがある。 周囲からは分からないこの『秘めた楽しみ』は、まさに腕時計のそれと同種の自己満足の極みである。 考えてみれば嗜好品とは全てそんなものだ。必要最低限のルールを守るデザインであれば、価格やブランドは関係ない。その先の世界へ足を踏み入れる者は、コダワリという理由を付けてあれやこれやとコレクションの世界に迷い込む。 筆者はまさにその典型かも知れないが、『適度なコダワリ』は人生の中でも小さなアクセントやスパイスにもなる。時に平凡で単調な時間の積み重ねの中で、生きる活力にもなる、と言えば少々大袈裟か。 (⇒右写真) スコッチグレインの代表的なソールがこちら。 爪先部分には耐久性を考慮して部分ラバーとなっている。 ソールのデザインは歩行時に意外と目に付くもの。 こうしたデザインを施す靴はそれなりであり、上級の部類に入ると言える。 ヒールは全てラバー製。これも耐久性と滑り止めを考えれば実用上、十分な品質だ。敢えて半革製に拘らないのが潔くも質実剛健を第一とする誠実なメーカー魂の表れと感じている。 グッドイヤー式なので、リペアの心配はない。 もし張替えの時が来たら、次回はダイナイトソール(非純正)に変更しようか、等と思いを馳せるのも楽しいひと時である。 (現行INFINITYとの最大の違いはトゥ・デザイン〜) この写真で一目瞭然だろう。 現行モデルINFINITY(=写真、右側黒靴)との違いはそのトゥデザインにある。現行品がラウンドエッグと呼ばれる丸み優先の尖ったデザインに対して、旧型はややスクエアがかっている。 これはもう好みの世界になるが、筆者は写真左側の旧型を好む。 ラウンドエッグではちょっと、爪先が尖り過ぎる。 個性的なギリーシューズであれば、ギリー以外のデザイン上の冒険は一切不要。フルブローグも施されていれば、尚更。 あとは落ち着いた全体的なデザインに纏め上げることだけだ。 ダークブラウンの革の発色も素晴らしい。 ややボルドーがかった微妙な色合いも大変気に入っている。 乳化性クリームは敢えてバーガンディ(ボルドー)を選択し、これから次第にやや赤味がけて磨き込んでゆく計画である。 (『2色買い』でギリーシューズの楽しみにのめり込む〜) 現行品との違いは、靴紐が平紐か丸紐か、そして現行品のインソールがアーク・ウェイストARC−WAISTという土踏まず部分を絞り込んだデザインを採用していること位だ。爪先デザイン以外は殆ど同一、と言って良かろう。肝心のレザーは国産カーフであるが、しなやかさといい風合いといい、全く不満は無い。 しかし、こうして立て続けに革靴を買い込むと、流石に自分の靴コレクションも膨れ上がってしまい、置き場所にも困る。自らの『革靴ポートフォリオ』を組み替える必要性に迫られることだけが、少々悩ましい点だ。 実はこのギリー2足の他にも、更にアクの強いデザインに惚れ込んでいるのだが、その靴レポートは次回のネタとして披露することにする。(2009/07/11) (スコッチ・グレイン関連Web) スコッチ・グレインのImperial-2はこちら。 スコッチ・グレインのInfinity(ギリー、黒カーフ)はこちら。 スコッチ・グレインのInfinity(ギリー、濃茶カーフ)はこちら。 スコッチ・グレインの『15年モノ黒スエード製Wing-Tip』はこちら。 スコッチ・グレインのPrestige(ダブル・ストレート、黒カーフ)はこちら。 ⇒ 靴のページに戻る |
※このWEB上の写真・文章等の全てのコンテンツの無断転載・無断複写を禁ずる。 ※オークション等での引用も本意に非ず、厳に禁止とする。 |