随筆シリーズ (115)

『2013年新春、ドバイ初詣訪問記』




久々のドバイネタである。
2013年、『時計オヤジ』は温暖で魅惑の故郷、ドバイで正月三昧を実践する。
今回も毎度のように最新時計事情、靴事情、日本食事情についてチラリと触れることに・・・。
(2013/1/18 467400)



(今回の宿は”ASIANA HOTEL” 〜)

例によってBooking.comでホテル予約を行う。
今回選択したのは市内デイラ地区(モダカバット)にあるAsiana Hotel。空港から車で15分程度の至近距離にある。韓国系の5☆ホテルであり、嬉しいのは和食・中華・韓国レストランの3つが入っていること。そして、週末の木・金曜夜は、3つのレストランのビュッフェが同時食べ放題という、実に贅沢で嬉しいイベントが待っていることだ。アルコールも飲み放題でAED280というから可也のお値打ち価格。これは利用しない手はあるまい。結果は期待に違わず十分満喫できる内容であった。
屋上にはプールもあるが、流石に1月のドバイとは言え、屋外での水泳は寒すぎる。日中は半袖で十分の暑さではあるが、泳ぐまでには少々早い・・・。


























(観光客も殆ど興味を示さない、ドバイのクロックタワー 〜)


一昔前であれば、このクロックタワー(時計台)は有名な目印であった。
しかし、今や中心スポットは新市街に相当するシェイクザイード道路周辺に移ってしまった。
『時計オヤジ』としては、それでも紹介したいスポットである。大きな時計はOMEGA製。アラビア語数字が如何にも中東っぽい雰囲気である。往路のランナバウト中心にある為、車からの撮影になるが興味ある向きには必見。
























(ドバイタワー横の大噴水ショウを観ながらランチを決め込む 〜)


新年1月1日からドバイでは恒例のショッピングフェスティバルが始まった。
世界中からの観光客で溢れるドバイは、外見上はリーマン直後の落ち込みから完全回復した様にも見受けられる。そして、観光客で目立って多いのが中国系とCISロシア系の人々。世界最大のショッピングセンター”Dubai Mall"では、ツアーガイドが旗を持って団体さんを先導する光景が幾つも見られた。新興諸国の台頭は目に見えて大きいものが実感できる。10年前、20年前では考えられなかった光景に時代を感じる。

大噴水ショウを満喫しつつ、Dubai Mallのテラスにあるレストランでランチを愉しむ。
こうした公共の場では酒類はご法度。ビールなどは望むべくもない。それでは、っと、『時計オヤジ』が愉しむのは特製ドリンク。そのレシピは『企業秘密』であり、ここでの紹介は控える・・・。


























(今回の滞在中に、気になった時計を紹介する 〜)


昨年発表となったGOの新型パノリザーブ
ケーシ径は38mmで変わらず。偏心文字盤と秒針ダイアルが若干、大きくなった。
このグレイ文字盤、昨今流行の落ち着いた色彩である。黒色とは全く異なるソフトな印象であり、パノラマデイト表示まで反転させた色使いが本格的。

↓下写真は旧型(左)との比較である。全体の印象の変化は一目瞭然であろう。右側新型ではパワーリザーブ針の扇型が文字盤と干渉しないので、かなりスッキリとした印象となる。逆に旧型で主張された文字盤上における中央への凝縮感、というものが新型では散漫となってしまった。これを散漫と捉えるかは個人によって異なるだろうが、旧型を偏愛する『時計オヤジ』としては、パノリザーブのようなGOの看板モデルが大幅な意匠変更を受けることなく、地味ながらもこうして存在感を保っていることに何より安堵している。この文字盤、初号機オリジナルの完成度が高いだけに、下手をするとマイナーチェンジは容易に失敗しかねない。その点、GOは良く心得ており、最小限の変更としているところは好感が持てる。
旧型の偏心小ダイアルと秒針ダイアルに設けた銀色に輝く縁取りは、この上ない気品とデザインを与えている。
そして旧型の大きな竜頭形状も大きなアクセントであり、実用上は極めて手巻きし易い長所も併せ持つ。
そして、新型グレー文字盤にはグレーのヌバック調のアリゲーターベルトが装着されている。このベルトの質感、肌触りは丸でベルベット、ビロードのようになめらか。絶妙の肉厚アリゲーターも、もう一つの隠れた楽しみである。
新旧、どちらを選択しても損はないと断言出来る。GOの正攻法、且つ隠れた名作と言っても良いだろう。



























←左写真: 注目の時計、”HD3のSlyde”。


ヴァーチャル画面である。
既に10種類以上の画面が開発されている。今後、新規に作られる画面はダウンロードで取り込みも可能。トゥールビヨンまで用意されているのも魅力的。機械式時計のような故障やメンテの心配からも可也、開放されるだろう。一度の充電で1週間はもつ。ブラックベリーや携帯電話と比較すれば必要十分なパワーリザーブ期間であろう。

ヨルグ・イゼックのデザインするこの時計、邦貨80万円程度はするようだが、せめてその半分程度にこなれてくれば面白い。時計というよりも、アイフォンの延長線上と考えた方が良いかもしれない(勿論、電話機能はないけれど・・・)。
チタンケースにアリゲーターストラップも渋く似合っている。
この先、どの程度までメーカーが本腰を入れてソフトを開発してくれるのか、そして廉価版を出すのか?今後とも要注目の筆頭モデルである。






⇒右写真:クロードメイランのスケルトン時計:

日本ではまだまだ馴染みが薄いブランド。Claude Meylanの本拠地は『聖地・ジュー渓谷』。歴史的にも新しいブランド(2002年設立)であるが、古典的でシックな時計作りで有名。そんなClaude Meylanから登場したのが、ウブロやR.ミルを連想させるトラス構造のブリッジを持つこの時計。ユニタスベースの手巻きであるが、ここまでトラス式に改造したのは見事。裏面も同様なトラス構造。フルスケルトンの迫力派相当なもの。針やトラス地の仕上がり、質感は『削りだし』、若しくは『打ち抜き』の香りがプンプン漂うが、そこは価格約30万円台ということを加味すれば納得である。既存のUnitasをここまで改造したことだけでも賞賛に値する。Unitasの貴重さをも再認識させられる1本である。
因みに、このモデルのトラス地は白色だが、他にも色バリは5〜6色と豊富であった。










(王道中の王道、ブレゲの傑作2本 〜)


右写真の2本は筆者が現行ブレゲでも憧れのモデル。
左が自動巻きTradition、右側が秒針が付いたムーンフェイズ付デイデイトである。ブレゲの雰囲気が溢れるこの2本は、素材も18KYGと18KWGであり、何よりもブレゲらしい華がある。筆者にとっては、俗に世に言う高級時計の代表格がこの時計である。
高級時計、の定義も人それぞれ、千差万別ではあるが、はやり以前に時計ビギンが提唱した『グラン・サンク』、つまり、PATEK、AP、VC、Lange、そしてこのブレゲ、のモデルであればマニアの到達点としてはどれも間違いは無いものと考えている。
勿論、そうした高級時計のみならず、自分にとっての目指す『最高峰』、『思い入れのある時計』、という観点からはそれ以外にも何千、何万という選択肢が存在することだろうが、あらゆる観点から見た作りの良さ、そしてブランドとしての永続性、という意味ではグラン5は間違いのない選択肢であろう・・・









(今回の大穴的な買い物がこの『スカル傘』 〜)


元来、スカルに興味は薄い。
しかし、このデザインには非常に惹かれた。
既に手持ちの傘で十分に満足しているのであるが、心ときめくデザインに出会ってしまうと衝動は押さえきれない。
Foxやスウェイン・エドニー・ブリッグなどに代表される取っ手の部分に飾りが付いた英国式の傘、アニマルヘッド傘には以前から興味を抱いていた。しかし、傘、というものは差さない姿が一番重要だと考えている。そして、腕に引っ掛かるように湾曲させた取っ手部分のデザインが王道であると考える。その点、アニマルヘッドではそれは無理。つまり、アニマルヘッドの傘とはステッキのデザインに近いものであり、両者の差はここで決定的に分かれる。傘が好きか、ステッキが好きか、この自問の答えられなければアニマルヘッドを手に入れることは出来ないのである。
今回のスカル傘、下写真のように他にもアニマルデッドが用意されていた。加えて、柄の部分がやや長い。この長さには直感的に違和感を感じる。そう、実はこの傘は女性用なのである。しかし、親骨の長さは60cmあるので男性用としても十分な大きさだ。加えて、傘を広げて手にした時のバランスも文句の付けようがない。因みに、メーカーはローマの老舗Pasottiである。
こうして『時計オヤジ』初のアニマルヘッドは何と、スカル・ヘッドの傘となったのだ。
因みに、この傘はドバイ・モールと並ぶエミレーツ・モール内のセレクトショップで購入した。上記の迷いが生じた為に、足掛け2日間に亘る『悩みとご足労』を費やしたことを恥ずかしながら付記しておく。

























(←左写真)
長年愛用してきたラコステの柄物スイムキャップ2枚が、ついに生地が伸びきってしまい寿命を迎えた。そして、2年前にドバイで購入したラッシュガードも同様に寿命となったので、今回はその補充を行うことに・・・。

スイムキャップというものは、特にリゾート地においては殆ど見かけない”ダサイ”部類に入るギアかも知れないが、カラフル柄であれば結構、好みである。しかし、昨今では皆、競泳用っぽくなり、中々ファッション感覚溢れるスイムキャップが見つからず困っていたところ、何と海賊風デザイン、つまり尻尾がついたキャップを発見、即買である。
ラッシュガードもUAE製(左写真)とオニールO'neill製の2枚を入手。好みのデザインはショルダー部分の色(柄)違いである。
オマケにTommy Bahamaのスイムショーツまで入手する。
これで2013年の新たなるビーチファッションと洒落込むのである。







(またもや増殖する靴達 〜)

今回は『狙い撃ち』の2足。
周到なる事前情報活動のもと、獲物となったのが右写真。
言わずと知れたJ.M.WestonゴルフとClarksのフリーリーバースト。共に、茶系のヘビアイ的な靴である。
昨年来、英国式カントリーシューズ熱に侵されている。
特効薬は今のところ無いが、今回の2足で略沈静化に向かうことだろう。ゴルフは長年、避けてきた靴であるが、やはり『嫌よ嫌よも好きのうち』、ゴルフの魅力には抗し切れなかったのである。
そして、もう一足がFreely Burst。ネットを見るとトンでもない破格でセールしている情報もあるが、実は今回もドバイモールにおいてもセールの対商品であった。とは言え、デザイン面でのツボは見事に押さえている。SIZEがG幅のみということで、fittingとサイズ選択で少々悩ましい点はあるが、無事に捕獲する。

※詳細は別途、deepにレポートすることにしよう。









(ウニとイクラとエルメスと・・・ 〜)

ドバイにおける買い物と双璧の楽しみは『食事』にある。
日本からの観光客であれば旅行中の和食など堂でも良いのであるが、特異な環境に居る『時計オヤジ』にとっては和食こそが最大の楽しみである。例によって例のレストランにて日本酒と和食にてひとときの安らぎを愉しむことに・・・。
今回持参した時計はエルメス・クリッパークロノ。このセンター2針式クロノは実に使い勝手が良い。
黒文字盤に見えるが、実は昨今流行のグレイ文字盤である。
短針(時針)のみを動かせることで、時差修正も瞬時に可能。そして、何より『薄厚』で、洗練されたデザインが良い。
水晶式で止まらず正確なのも大きな利点である。尤も、電池切れだけは注意しないと、昨年夏の外遊時に離陸直後に電池切れしたような二の舞となりかねないので要注意であるが。

***

斯くして、2013年新年度も『物欲』と共に開幕した『時計オヤジ』であった。
本年も世界平和と景気回復を切に願う。テロと自然災害だけは真っ平御免被りたい、のであるがまたアルジェリアで・・・。
(2013/1/18 467400)
























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