SALVATORE FERRAGAMO  サルヴァトーレ・フェラガモ

SALVATORE FERRAGAMO
GANCINI-BIT "EUROPE" NERO CALF REF.54500




自身3足目となるFerragamoは靴底がラバーのSLIP-ONモデル。
アイコンのFerragamo式銀色”ガンチーニ”(=Horse-Bit)がとても美しい。
黒カーフ素材も見事な出来栄え。
流石、イタリア製の老舗ブランドだけあって完璧なバランスと色気を誇る。
サウジアラビアにおいて2011年2月に購入することに・・・。




(イタリア老舗御三家と言えば筆者にとってはこのブランド〜)

名品、名ブランドが多いイタリア靴。
中でもそのデザイン・良質の革・色気の3点セットで抜きん出るのがGUCCI、Tanino Crisci、そしてFerragamoだろう。

一番デザイン性が高いのがGUCCI。
流石、モードの王様の変幻自在なデザイン展開は消費者、GUCCIファンでも付いて行くのがやっと、か。そこがGUCCIの底力。
Tanino Crisciは繊細な中にも質実剛健さが光る。
色気では断トツにFerragamoだろう。特に革質が素晴らしい。

過去2足のFerragamoを入手した。
1足目が右写真の黒カーフ製のサイドモンクストラップFILOSOFO。
Tramezzaラインの同社最上級に位置するコレクションで、ロングノーズの美しさが光る。トゥの仕上げなんぞは工芸品並の出来栄えを誇る。








(右写真⇒: こちらもTramezzaラインのMENT-2”〜)

2足目がこの内羽根式Wing-TipのMENT-2.
繊細なフルブローグ仕上げのクラシカルなデザインだが、独特の色気が滲み出るのは何故だろう。見るからに上質な黒カーフや甲周りからトゥにかけての独特なラインがFILOSOFOにも共通する。こうした要素が何層にも重なり合い、Ferragamoとしての色気に結実するのではなかろうか。
靴紐もオイルが染み込み、適度な弾性がある。こうした靴紐一つとっても上質な靴であることが分かる。細部まで手抜かり無い高級靴としてのツボは全てソツ無く押さえてあるのは当然と言えば当然。









(3足目はFerragamoのアイコンでもあるガンチーニLoaferである〜)


Horse-BitとしてはGUCCIが燦然と光り輝く歴史上の傑作品であるが、FerragamoのBitデザインもGUCCIと双璧の見事なものと言える。ビットのような金属製の小さな留め金のことをイタリア語でGancini(ガンチーニ)と言う。それがファッション業界においてはFerragamoのアイコンマークを指すことが既に『常識化』してしまった。知らぬ人であればガンチーニ=フェラガモマークと誤解してしまうほどである。イタリア単語の総称を見事に独占してしまった程のフェラガモ・パワーがここに読み取れる。

GUCCIが女性的で繊細なHorse-Bitとすれば、このFerragamoのガンチーニBitは重厚感ある男性的なガッシリとしたもの。何よりも歩くときに、シャラシャラというBitの金属音がする。まるで、ウェスタンブーツの踵に付ける花車の音のようで、これが中々の気分である。

素材の黒カーフは手にしてもしっとり感が感じられるほど、非常にソフトでしなやか。こうしたカーフを使用した靴がイタリア製の真骨頂だ。ロングノーズと言って良いこのデザインは、多分にチゼルトゥっぽいトゥ部分の傾斜が効果的に影響している。このラインはGUCCI現行モカシンにも共通している、いわば『モード』なデザイン。モカシン部分の縫製処理は多少好みと異なるのだが、全体的なデザイン上はトラッド路線上にあるので全く問題ない。下手をすれば、2足いくらの特売紳士靴デザインにも共通するスレスレの要素はあるが、そこはFerragamoとしての一流の味付けが施されている。結果として、これぞBit-Loaferとしての完成度の高さを誇るラクチン靴が出来上がったのだ。

ラクチンの最大の理由はラバー製ソールにある。
冒頭写真にもある通り、この靴はヒールが確りとあるラバー製。Ferragamoマークがソール全面に施され、滑り止めの効果も兼ねている。このクッション性あるラバーが、カーフ革の柔らかさとマッチして絶妙な履き心地を生み出している。この感触は革製靴底では絶対に味わえないお気楽な感触と快適性である。



(↓)いかにも男性的な力感あるガンチーニ・ビット。              (↓)ラバー底にはフェラガモマークがトレッドに。。。



























(MORESCHIとFerragamoのイタリアン・コンビで万全〜)

⇒右写真は昨年末に購入したMORESCHIの”ATENE”
両者共にラバーソールであるが、外見上は完全にドレスシューズ。この黒と茶色の2足があれば1〜2週間の旅行なら無敵の組み合わせだ。スポーツを除き、ほぼ全ての場面に対応できそうだ。トラッドな6穴内羽根式のWing-Tipと、黒カーフのビットモカシン。共にイタリア製というところも最強の組み合わせかも・・・。

それにしても見るからに『大人の靴』、『大人の色気』がムンムンのこの2足とは今後、終生に亘る付き合いになることは間違いないと思っているのだ・・・。






↓下写真) この古典的なフェラガモのロゴもたまらない魅力・・・
(2011/2/17) 350800
























(加筆修正) 写真&加筆2012/6/01


『ちょい枯れオヤジの』(フェラガモ)関連ページ:

『2005年1月、フェラガモ博物館訪問記』はこちら
『2011年・Ferragamo "Europe" Nero Calfの考察』はこちら
『FiroSofoの考察』はこちら


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