MORESCHI  モレスキー

MORESCHI WING-TIP SNEAKER
REF.Z43ATENE 03 (SIZE:
US9.5/EU8.5)




イラリア・ビジェバノVigevanoの老舗、モレスキーの靴はその手造り感が絶妙。
今回は長年、捜し求めていたWing-Tip Sneakerとでも言うべきジャンルの靴について。
長年、この靴を捜し求めていたが、2010年12月に世界最大のショッピング・センター、
ドバイ・モール内にあるMORESCHI SHOPで発見、即買いとなる。(2011/01/03)




(火付け役はJ.M.Westonのこの靴〜)

果たして”Wing-Tip Sneaker”なるジャンルがあるか堂かは知らないが、取り合えず勝手にそう命名させて頂く。

そのオリジンにして完成度の高い代表靴がJ.M.WestonのOxford #607(=CLASSIC FLEX WING-TIP #607)だ(⇒右写真)。Westonではこのカテゴリーを『カジュアルシック』と呼ぶのだが、フルブローグのWing-Tipに靴底は張替え出来ないラバーソールとなるのが基本形。スニーカーのような全面ラバーソールが返りの良さとクッション性能を兼ね備えた軽快な履き心地と重厚感を醸し出すのであるが、こうした本格靴のデザインを持つモデルは古今東西において実は非常に少ない。普通はどれも皆、カジュラル色が強すぎて仕事での使用は出来ない。またヒールもこのJ.M.Westonのようにしっかりあるモデルは殆ど無く、どれもがDriving Shoesのように、のっぺりとした平らなソールとなってしまうのがカジュアルっぽくなる所以だ。

その点、このJ.M.Westonは特にブラウンの革の染色と発色の良さが抜群。絶妙なトゥのデザインは白眉。しかし、5穴式のレース部分がブラッチャー式とも異なり、よくあるスニーカーっぽい仕上げであるのが少々残念。ここのデザイン処理をより本格靴っぽくしてもらえれば100%満足なのであるが、この点だけが悔やまれる。それでも、J.M.Westonのこのモデルを越える靴はまだ登場していない。






(←左写真:スロバニア製のGEOXはミラノで購入〜)

こちらは2006年にミラノ・ドゥオモ近くのGEOX直営店で購入したWing-Tip Sneakerだ。現在に至るまで愛用しているが、価格は確かEURO120程度と記憶する。
この靴の革の発色も中々落ち着いているのだが、6穴式のレースアップ周辺デザインは上述のWeston同様にカジュアル色が強すぎる。
GEOXのトレードマーク的デザインのラインが両側面に入っているが、それは適度に大人しいデザインなので許容範囲。
元々全面に白色スティッチで装飾されていたが、茶色のクリームを塗り込んで変更させた。つま先部分に装飾が無い点、スッキリしており、この靴もスーツに違和感無く溶け込む。
しかし、全体的にはカジュアル方向に振られたデザインであり、その使用に際しては十分な配慮が必要。即ち、Westonよりも使用場面は限定されてしまう。








(モレスキーの内羽式WING-TIPはドレッシーさ加減においてJ.M.Weston #607と双璧〜)

2010年11月、ドバイ・モールのMORESCHI直営店においてこのモデルを発見した時は、生憎サイズがなかった。
駄目もとで12月に再度訪問したのだが、何とスウェードモデル含めて6種類のバリーエーションで展示されているではないか。早速、試し履き⇒即、購入決定となる。

このモレスキーは横幅がかなり絞り込んである。所謂、欧米人のラスト専用であるので、横幅で合わせると如何しても長さで合わない。残念ながら『靴オヤジ』にはジャストフィットという訳にはならないのだが、ここで逃す気には到底なれない。
色々思案の結果、窮屈(窮靴)だけは避けるべく横幅優先でサイズはワンサイズ大きいモデルを選択。つま先部分でゆとりが出来てしまうが、中敷を利用して全体のフィット感をタイト調整することにした。結果、可也のロングノーズとなるが、実用上では問題ない。つま先部分にはグラデーション仕上げが施されている。このブローグ(飾り穴)も本格的で合格点。何よりも最大の特徴は内羽根式であること。この種のモデルで内羽根式の靴は今まで見たことが無い。それも本格的な6穴式とくるからもう駄目。レザーの質感、厚み、仕上げ、踝(アンクル)周りの適度なクッション性といい、全てにおいて質感は最上に属する。恐らくフランス式Westonと最大の違いは革の質感と仕上げ加減ではなかろうか。革の扱いにかけては一家言を持つ両ブランドではあるが、モレスキーの方が遊び、ゆとりが感じられる。大胆に言えばこれはイタリア製の靴に共通した特徴かも知れない。

ラバーソールになだらかなヒールがあるもの、Westonのような明確なヒールではない。一番気になるのはクッション性能であるが、素材自体が弾力あるものなので、左程心配はしていない。但し、踵に衝撃吸収剤のパーツを自分なりに工夫して組み込んでみたが、今からその成果が楽しみである。
靴紐もオイル処理された平紐というのが本格的。履き心地含めた総合的な仕上げにおいて、モレスキーの実力が感じられる靴に仕上げられているのは嬉しい限り。









(6種類のモデルで楽しめる今が旬のモデル〜)


恐らく下写真にあるスウェードの3色は期限限定と思われる。特にエンジ系、ブルー系のモデルは珍しい。
スムースレザーでは黒、茶色、濃茶の3種類あるが、見ても楽しいのは今回選択した茶色であろう。
黒靴はフォーマルでは必須であるが、こうした茶色やバーガンディもON/OFF両用としては重宝する。ジーンズにも合うし、スーツにも似合う。勿論、黒革でも同様ではあるのだが、軽快感含めた汎用性という意味では茶色だろう。
2011年はこのモレスキーで各国を飛び回るのが今から楽しみである。(2011/01/03)
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