![]() さあ、いよいよGUCCIの紹介だ。 基本は紐靴、オックスフォードが好みの『靴オヤジ』である。 しかしLoaferの中で、GUCCIはその存在感と履き心地、色気の3拍子では群を抜く。 Loaferの中で一番愛するGUCCI、その中から象徴的なアイコンのBit-Moccasinsを紹介する。 (2011/7/04) 376000 |
(Cole HaanのBitでも触れたがBit-Moccasinsのご本家は何と言おうとも”GUCCI”である〜) ![]() 世界に数あるLoaferの中で、筆者が一番好むのがGUCCIである。 以下、Loaferという言葉より”Moccasins”の方が一枚革で出来ている感が強いのでコチラを使う。 他にも品質の良い靴は幾つかある。 J.M.Weston、ベルルッティ、タニノ・クリスティ、TODS、チャーチ、・・・と、名品は多い。しかし、品質・色気・履き心地の3点に加えて、適度な野性味も持ち合わせるMoccasinsとしてGUCCIに比類する靴は無い、と、この際、思い切って断言してしまおう。これは多分に自分の足型にGUCCIと相性が良いことにも起因するのだが、タニクリであればあの繊細でしなやかな履き心地はGUCCIの上を行くかも知れない。しかし、GUCCIには極めて強いオーラと『力感溢れる色気』が宿っている。GUCCIを履くと、そん所そこらのLoaferやスリップオンは履けなくなる。それ程、強力な魅力と吸引力を持っているのだ。 今回購入した靴は、NAPPA製。つまり子羊の革であり、非常に柔らかい。 その革の香りも独特。まるで野球のグローブレザーにも似た感触かそれ以上に柔らかい。故に型崩れが起きるのは必定だが、同時に自分の足型に3Dでピッタリと馴染むことも期待出来そうだ。また、NAPPAの柔らかさ故に、踵部分からサイドにかけては伸縮性ある仕上がりに加工されている。そのまま置いてみると、なんだか風船が萎んだ姿のようで、少々頼りないし、みすぼらしい・・・。NAPPAのGUCCIとは、大変に珍しいモデルだろう。 これで4足目のGUCCI Moccasinsとなるのだが、Bamboo-BitもNappaも初めての挑戦である。 そして、Bamboo-Bitというのは長年の憧れでもあっただけに、今回の嬉しさと感慨は格別であるのだ。 ![]() (←左写真: コチラはカーフ製のBamboo-Bit〜) 同じく2010年モデルの『クルーズ・ライン』である。 デザイン的には酷似する型(=サドルが無い)であるのだが、こちらの素材はカーフなので、当然NAPPAよりも腰があり頑丈な作りだ。上写真と比較してもまるで別モデルのようだろう。勿論、靴底の素材(こちらは凸凹ラバー製)や、そのデザインも全く異なるのであるが、素材一つ変えただけでこうも変化するとは面白い。 こうしたGUCCIマジックにヤラレタ御仁は世界中に数知れぬはずだ・・・。 ![]() (絶妙の 『竹焼き加減』 に暫し、ウットリ〜) あの名作”Horse-Bit Moccasins”が誕生したのが1953年。 しかし、Bamboo素材が用いられたのは1944年のハンドバッグ用の取っ手であった。当時、大戦中であり金属部品の使用・調達がままならぬ状況で、日本製の竹を加工したのが原点。そうなのだ、Bamboo素材はHorse-Bit以前、10年前から存在したのである。そのBambooをこれまた小さく加工して、絶妙な湾曲加工と焼き加減を付ける。このセンスこそGUCCIの底力であるのだ。 もともとは植物の茎であるのに、ここまで存在感を高める匠の技とデザイナーの手腕こそ賞賛に値する。 本来はドライビングシューズかエスパドリーユ(espadrille)のように、ラフに履きこなすのが正解。 一方、この靴底は革製。染色されていない、生成りの革=ヌメ革、という感じ。 ヴィトンのヌメ革パーツではあるまいし、革の色合いの経年変化を靴底で楽しむなんて趣味は持ち合わせていない。 ここで『靴オヤジ』は冒険を侵そうと考えた。この靴底に耐久性とクッション性を高める為に、ラバーを貼ろうと決断したのだ。そうすることで、もしかしたらスーツやONでも使いこなせるかも知れない。その為にはラバー素材も色は黒色、また現在のヒールと革底のコバも黒く染色することで対応が出来ないだろうか、張り合わせるラバーの厚みと重さで、肝心の履き心地と歩行性能に支障が出てはならない、など等と色々と想像が脳裏を過ぎるのだが、あとはチャレンジあるのみ・・・。 (ようやく信頼できそうなリペアショップを発見する〜) こういう加工は、多分日本国内であれば幾らでも修理店はあるのだろうが、ここは何と言ってもサウジアラビア。先進国とは全ての環境が異なる別世界、異次元世界である。そもそも自国民で技術系の人はまず有り得ない。であれば、東南アジア系の店員が居る店に限る、と探した結果、ドンピシャリでそれらしき店を発見する。写真の現像や、この種の細かいリペアはやっぱり東南アジア系の人間が信頼できるし、それ以外では出来ないのも現実。 パーツ素材の色はベージュと黒の2色あり。ゴム素材はドイツ製。当然、黒色を選択。(↓下写真) そして出来上がりも見事なもの。心配だったヒールとソールのコバも見事に黒く塗られてある。 本当のプロの仕事ぶりには毎度ながら感動する。 これでようやく『靴オヤジ』にとっての”GUCCI Bamboo-Bit Moccasins”が完成したのだ。 良い靴を履く時は、好みの時計を身に付ける時と同様に、気合が入るし背筋も伸びる。 このBamboo-Bitでどのような井出達で振舞おうか、早くもその楽しみは空想と共に広がり始めているのだ・・・。 (2011/7/04) 376000 ![]() ![]() ![]() 追記1) ⇒右写真のように、いよいよ実践デビュー。ONでもこうして履きこなすことが可能。ぱっと見、ドライビンシューズには見えないが、何と言ってもモッコリとしたBamboo-Bitは迫力十分。 適度なスクエア・トゥと相まって、個性的にも十分に『味』が楽しめる。 加えてNAPPAレザーのしなやかさは履いてみないと分からない。 キップやカーフとも違ったしなやかさ、足にピッタリと吸い付くような感触は独特なものだ。結構、ヤミ付きになりそうなBamboo GUCCI、である。(2011/7/17 378544) (その他の関連ページ) ⇒ Ferragamoの銀色Bit-Moccasin”Europe"はこちら。 ⇒ Cole Haanのドライビング・シューズ”Air Grant”はこちら。 ⇒ Cole HaanのEmory-Bit Loaferはこちら。 ⇒ 靴のページに戻る |
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