LUMBERJACK     ランバージャック

LUMBERJACK DRIVING SHOES REF.E02 8583 451




メッシュ式ローファーを何時の頃から探し求めていた。
『メッシュの靴=オヤジ靴』、というイメージがあったのだが、嗜好は歳と共に変化する。
国産で探すと新聞広告でよく見る、『カンガルー革4E・幅広格安靴』しか見当たらない。
2004年に購入以来、丁寧に愛用しているお気に入りの一足である。(2010/02/12)



(メッシュ式ローファーへの誤解と憧れ〜)

日本の夏場によく見かけるのが白のメッシュ式ローファーだ。
夏場の定番シューズでもあるが、どうもデザイン的にカタギの世界を感じさせない、遊び人風のモデルが多い(あくまで個人的な感想)。まぁ、メッシュ式でなくとも白色のローファーというだけで、お遊びムードが十二分に漂うのだが、これにメッシュが加わると尚更。それがメッシュの持つ効力でもあり魅力の源泉でもある。

そんなメッシュ式でも色が黒になると途端に、シックな雰囲気に変貌する。
メッシュの密度も、細い革で編み上げれば、よりドレッシーになる。
『靴オヤジ』が求めているのはそんなドレッシーさではなく、適度なラフさ加減と上質な仕上がりを持つモデルである。
今回のLUMBERJACKは、2004年に偶然、サウジアラビアの某靴店で発見したモデル。

このLUMBERJACKというメーカーの素性は定かではない。
その誕生は1980年代のようであり、現在でもWEB上にHPを持つようだが、どうやら”CLARKS”のようにカジュアル路線で幅広く販売する、一般大衆向けのカジュアル・ブランドという感じだ。
因みに、CLARKSは日本国内では”ワラビー”と”デザートブーツ”の本家として、やや高級ブランド的な位置付けにあるが、英国本国では完全なる安価・廉価ゾーンにあるカジュアル総合靴メーカー、である。勿論、ビジネス靴も20〜50ポンドで購入できる。





(今回のメッシュ式ローファーはドライビング・シューズである〜)

⇒右写真、踵部分の補強革から、この靴がドライビング・シューズであることが分かる。以前、TODSのローファーを紹介したが、今回のモデルも非常に良く似た全体的な雰囲気を持つ。

靴底は革製であり、ヨット用のデッキシューズのように波型のスリットがある。ローファー部分はビーフロール型。サドル式が好みだが、現実的には圧倒敵にビーフロールが多い。

ヒール(踵)の積み上げ革も低めに抑えられており、SPECの全てがドライビング用であること暗示している。






↓下写真:
左側がオリジナル。右が改造後。
靴底に波型スリットが入ってはいるものの、ソールは薄く、革製の為に雨天には弱い。
スリップも心配であるので、耐久性も考慮して靴底部分にゴムシートを張る加工を施す。
メッシュ式である為、通気性に関しては元来、問題は無い。駅構内によくあるMr.ミニットで10分もあれば完了する。
クッション性も改良され、これでホボ、無敵なメッシュ式ローファーの出来上がりだ。













←左写真:

この靴の最大の特徴は、つま先デザインがスクエアであること。
これがラウンド・トゥだと、よりフォーマル感が強まるが、敢えてカジュアル調の雰囲気を高める為に、ここまで思い切ったスクエアにしていると理解している。しかし願わくば、もうチョイ、ラウンドにして欲しかった。

この靴の用途は運転専用に限らない。
流石にスーツには似合わないが、ジーンズでも、ジャッケット+スラックスにでも使用可能だ。その守備範囲は驚くほど広い。
甲部分にあるスムースレザーによるサドル部分は、カジュアルさ加減をほど良く抑制する効果もある。確か、価格は1万円以下と記憶するが、中々の出来栄えではなかろうか。







(こうして素足で履いても違和感は全く無い〜)

真夏であれば、素足でもインナーソックスを履いても、こうしてカジュアルに履きこなせる。イメージ的には、こんな感じでローマ散策と洒落込みたいもの。
つま先のスクエア・トゥが、ややボテっとしているものの許容範囲。
しかしその恩恵で、小指の圧迫感も皆無。ビーフロールのホールドもぴったりであり、自分の足型にフィットするのが何より嬉しい。

唯一、気を使うのがメインテナンスである。
メッシュ式であるがゆえに、靴磨きには時間と神経を使う。
基本は雨天使用の自粛、砂埃などメッシュにゴミが入り込むような環境での使用自粛、そして革が一番痛みやすいつま先と屈曲部分に、乳化性クリームを十分に与えて磨きこむこと。メッシュといえども、革の光沢が全て。木目細かい愛情を注げば、この先、ユーザーである人間よりも長生きしそうな予感さえするのだ。(2010/02/12) 277600



Cole Haanのメッシュ式ブラウン・ローファーの紹介はこちら



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