旅行記 A

「T.ウッズ観戦記 〜 2001年ドバイ・デザート・クラシックにて」 



アラブ首長国連邦。ドバイ首長国。

今や中東最大のリゾート地として、その名は世界中に知れ渡った。現在では関空から毎日直行便も飛んでいる。ここで毎年、欧州男子プロツアーが開催されている。その名も、「ドバイ・デザート・クラシック」。今や、その歴史も10年を超える、恒例の一大イベントとなっている。開催コースの中心はEGC(エミレーツ・ゴルフ・クラブ)という中東で初の全コース「芝」による素晴らしいコースである。ピンとこないかもしれないが、中東では土漠(サンド)ゴルフが元来ポピュラーであり、プレーヤーは皆、小さい人工芝を持ち歩いて都度その上からSHOTするのだ。50℃を超える気候の中では芝の管理は勿論、水道代も高くつき過ぎて従来は実現できなかったらしい。因みに土漠ゴルフのグリーンは「ブラウン」と呼ばれ、砂地をタールで固めた「相撲の土俵」のような状態である。当然、パッティングの後はレーキで砂を均すのである。これを灼熱の上で行うのはホントーに大変である(詳細は考察A「土漠ゴルフ」参照)。

(↑上写真: タイガーとセベが練習グリーンで・・・)

2001年2月のデザート・クラシックにタイガーが初参戦した。
本戦前日には恒例のプロ・アマがある。この日ばかりは、カメラ撮影も自由。ここぞとばかりに撮影しまくった筆者である。
まず、上記1枚目の写真は、タイガーとセベ・バレステロスが並んでPATTING練習の絵。共に時代を築いたBIG-NAMEであり、なんとも感慨深い光景であった。セベは予選落ち。しかし、その明るいキャラクターは健在で、サインも写真も気軽に応じてくれる。タイガーは、と言えば当然そのような行動はとらない。サインもまずもらえない。商業目的にする輩も多いので仕方あるまい。




(デザートクラシックの醍醐味とは〜)

実は日本では一度もゴルフは観戦したことは無い。そもそもゴルフへの興味は薄かったが、初めて観たデザートクラシックには魅せられた。その開放的な雰囲気は素晴らしい。筆舌に尽くし難い感動を味わえるのだ。タイガーも本戦では中々見せない笑顔だらけ。例のキャディも勿論一緒である。噂によれば、タイガーの大親友であるマーク・オメーラがドバイの大ファンになり、嫌がる(?)タイガーを説得して参戦させたらしい。またM.オメーラは大の日本通でもあるらしい。酒を飲まないウッズに日本酒を勧めて緊張を解いてあげた話も有名である。オメーラは本当に紳士、かつアメリカ人らしい気さくさも十分。2000年以来、3回このツアーでオメーラを観戦したが、ついに、今年(2004年)のドバイでは、再度参戦したタイガーやエルスを抑えて何と『優勝!』したのである。欧州ツアー参戦6年目の優勝だ。中年パワーのオメーラ復活には今後も期待したいものだ。(この2001年では残念ながら1打届かず予選落ち)


さて、右写真⇒でもお分かりいただけるが本当に目の前1mにタイガーがいるのである。手を伸ばせば届く距離だ。そんな至近距離で数々のプレーヤーに会えるのは夢の時間であった。デザート・クラシックを観戦するのであればこうした数々のチャンスに恵まれるプロアマがよろしい。


タイガーのドライバーはそのパワーに身震いがする。だがそれ以上にタイガーの発するオーラがこれまた凄い。存在感十二分である。多分、ニクラウスとか長嶋カントクも同じような存在ではないかと想像する。ドライバーのSHOTの速さ、パワーも凄いが、プロ選手のドライバーは誰しも平均して凄いものがある。特にタイガーが、という感じは薄いが、それでもそのフォームの美しさは感動するのだ。何よりも、TVではなく、本物、本人を見れる、会える、というのはやはりナマの醍醐味であろう。


ドライバーよりもむしろアイアンSHOTの正確さ、飛距離、地響きの音に感動した。タイガーは練習でもドライバーは殆ど手にしなかった。ミドルアイアン中心に練習していたのが印象に残った。
ところで、このドバイのみのらず湾岸諸国にはインド、パキスタン系の外国人労働者が非常に多い。彼らの興味のスポーツはクリケットであり、ゴルフは費用もかかることから余り一般的ではない。そんな事情もあり、タイガーでさえ知らない人間が一般に多い。よって、タイガー以外の組と一緒に回るパトロンは殆どいないのだ。。。








(↓圧巻、タイガーのフルスィング〜)










EGCの3番ロングホール。タイガーのTEE-SHOTを真後ろからビデオ撮影した。望遠ではなく広角レンズを使用してタイガーをこの距離で観れるのだ。アマチュアがコメントするまでもなく、これぞタイガー、のフォームである。特に左から1,2&4枚目の写真は白眉である。当然、ナイキの白球はフェアウェイど真ん中をとらえたのだ。。。




(有名プレーヤーが目白押しで興奮の連続〜)


観客の関心は低いが他にも素晴らしいプレーヤーであふれている。右は「くわえ葉巻」でも有名なD.クラーク。その他にも、A.スコット、T.ビヨーン、C.モンゴメリー、C.ロッカ、セベ、ブライアン、S.ホーク、I.ウーズナム、P.ローリー、P.ハリントン等など、欧州ツアーの常連が軒並み顔をそろえるのだ。

2001年度の本戦優勝者はT.ビヨーン。最終18番でタイガーが自滅し、念願の優勝を勝ち取った。翌年の2002年はエルスが優勝している。因みにEGCのコースレコードはエルスが出した61であったと記憶してる。

EGCにはこのチャンピオンシップコースのMAJLISともう一つWADIコースがある。ドバイには他にも、最新のモンゴメリー(18ホール)、競馬場にあるナタールシバ(18ホール)、リゾートホテルに隣接のジュベルアリ(9ホール)がある。市内のど真ん中にあったCREEK G.C.は2003年12月よりコース改修のため現在閉鎖中である。真夏は気温45℃、湿度95%にもなるが、2月のドバイは涼しくもあり快適な気候である。



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