JARMAN   ジャーマン

JARMAN CORDOVAN PLAIN-TOE #5091-0309



(1982年に購入したコードバン革のプレーントゥ〜)

筆者愛用のドレスシューズの中では、最古参になってしまった。
今年2005年で23年目を迎えた基本靴、プレーントゥ。この靴もGOODYEAR製法である。

同時期にREGALウィングチップ”Imperial Grade”も購入。革底をREGAL純正リペアにて3回張り替えたが、3回目の張替えで靴全体が小さくなってしまった。素人考えでは、恐らくウェルト製法時に縫い目を若干ずらしてしまった結果、インナースペースが縮小してしまった、と推測している。その結果、履き心地が全く窮屈になり、泣く泣くお蔵入りした経緯がある。よって今やこのJARMANが最古参のシューズとなっている。

23年という年月を経過した割には、コードバンの輝きは未だ失なわれていない。特別にコードバン用のクリームを使用している訳ではないが、甲の輝きも中々のものだ。流石はコードバンと感心する。一部、表革も擦れ始めている部分もあるが、いつも使用後は丁寧にクリームを塗るなどして保湿だけは気を遣っている。



典型的なラウンド・トゥ。他のモデルで例えるなら、現在のChurch's シャノンに酷似している。コバの張り出し加減といい、全体のラインといい決してお洒落ではないが、その無骨さ、トラッド加減さが流行を超えた普遍性を誇っている。と言うと聞こえは良いが、実際に履くとシャノンもそうだが、この靴は本当に『質実剛健』であると感じる。イタリア靴等に見られるデリカシーさ、モードさ何ぞは微塵も無い。しかし、妙な安心感、安堵感につつまれる。デザイン自体がベーシックな外羽根式プレーン・トゥということもあるが、気楽さも加わり、今も適度な頻度で活躍中だ。











(ダブルソールの分厚い革底〜)

ダブルソールの革底とインナーの革製中敷により、23年間という年月でフットベースも出来上がり、第二の靴とでも言うべき自分に合ったインソールを楽しむ。しかし、いよいよそのインソール革も最近、ひび割れ始めて来た。現在、応急的に革製の極薄インナーを入れて凌いでいるが、そろそろフルリペアに出すべき時期かもしれない。
とは言え、このJARMANというメーカーは最近では殆ど見かけない。20数年前はREGALと双璧の国内トラッド代表ブランドであったのだが、時代はここでも変わってしまったようだ。

片足の重量は556グラムあるが、その重さは何も感じない。むしろ、適度な重量であり、振り子の原理で歩行も快適である。
1982年当時の価格は確か2万円程度と記憶している。今となれば一ヶ月80円にも満たない投資であったが、その満足度は利息たっぷりで還元してもらっている気がする。

一方、こうして20年以上も長期政権でいられると、中々追い出すわけにも行かない。また、靴は結構保管スペースもとるので、簡単に新モデルを増やすわけにも行かず、それだけが悩みの種である。長持ちするのも痛し痒し、であるのだが、こういう長期政権の靴こそが自分にとっての『傑作シューズ』、『愛用品』と呼ぶにふさわしいと思っている。

靴は価格とブランドネームが全てではないことを証明するJARMANである。(2005/05/15)





(追記1)

2009年7月。この靴もオールソール交換することになる。
⇒右写真の通り、今までレザーソールにラバーを貼り付けるなどして騙し騙し使ってきたが、遂にソール真横の積層部分に剥離が見られるようになった。25年を経過して、革底の耐久性にもいよいよ寿命と限界が生じてしまった。

この際、純正同様に革製ダブルソールに交換しようと、WEBで見た某有名リペアショップに靴を郵送したのだが、修理不能、ということで返品されてしまった。その説明によれば、表革のコードバンが繊維の老朽化により靴底交換の大手術に耐え切れない可能性がある、ということだ。

これには困った。まさかの修理不能宣言を受けてしまい、頭を抱える日々が続いた。そこで思い切って持ち込んだのが、何と、駅前コンビニエンスであるMr.ミニッツである。ここでお願いしたところ、あっさりと修理OKとの返事が。


***

そして、ドイツ製レンデンバッハ”Joh.Rendenbach Jr.”の革底を用いて生まれ変わったのが下写真:

新生ダブルソールの出来栄えは中々のもの。灯台下暗し、とはこのこと。まさかまさかのMr.ミニッツである。
出来れば、このつま先にVintage Steelを付けるなどして、もう一工夫を行いたい。
2012年現在で、購入後、丸30年を迎えた。表革のコードバンがこの先、どこまで使用に耐えるのかは分からないが、今回のオールソールでこの靴の寿命を最後まで全うできるものと信じている。(2012/2/24 417700)


























⇒靴のページに戻る
※掲載の写真・文章等の全てのコンテンツの無断転載・無断複写を禁じます。
※特に金銭絡みのオークション説明等への
リンク貼りは遠慮下さい。

TOPに戻る