旅行記 B

「E.エルス観戦記 〜 2002年ドバイ・デザート・クラシックにて」 



旅行記Aのタイガーに続いて、今回はアーニー・エルスである。

前年のタイガーに続き、2002年3月のドバイ・デザート・クラシックではエルスが優勝した。そしてこの年、エルスは全英でもプレーオフを制して初優勝した記念すべき2002年であった。

エルスのドバイでの優勝は今回で2回目である。前回は1994年。コースレコード61を叩き出した優勝でもあった。しかし、前回以上にパワーも技も格段に進歩している2002年のエルスであろう。巷では、ヤンキースの松井をゴジラ、と呼ぶが、エルスこそ正にゴジラと呼ぶに相応しい。そのルックス、大型の体型、なで肩といい、ノッシノッシと歩く勇壮といい、彼こそが真の「ゴジラ」であるといつも思っていた。その「ゴジラ」と目の前で遭遇できるとは。。。




タイガーの時と同様に、本戦前日のプロ・アマを観戦した。例によって写真OKである。
8時過ぎのスタートであるが右の写真の通り、濃霧で遅れ気味。ドバイの3月、この時期は視界数十メートルしかない霧の朝も珍しくない。本格的な夏の到来前のこの時期によくあるのだ。adidasの白キャップ、ライト・ブルーのポロシャツ姿で固めたエルスはでかい。タイガーとは一味違う静かなオーラが漂っている。

個人的にはエルスのフォームが一番美しい、と思う。タイガーを剛、とすればエルスは柔、であろうか。日本の伊沢も素晴らしいが、やはり体格、パワー、フォームを総合するとエルスが一番、というのが個人的な印象である。ゆったり飛ばす、曲げずに飛ばす、というのがエルスの印象である。BIG-EASYとも呼ばれる通り、そのフォームは素人目にも無駄な力みが全く無い。しかし、そのパワーは流石にすごい。そばで観る感想は、「デカイ、キレイ、飛ばす」。そして、その感動で絶句するのみである。




タイガーでは無理であったサインやツーショットの記念撮影までエルスは断らず、サービス精神も見せてくれたのは嬉しい限りであった。←左は15番ショートホール。このショットの直後に、ある日本人女性がティーグランドまでスタスタと歩み寄り、強引にツーショット写真を撮影していた。唖然として見ていたが、エルスもその強引さに拒絶も出来ず、苦笑いしていた。いやぁ〜、そこまでやる度胸は筆者には無かった。何とも恐るべき女性パワーには流石のエルスも顔負けであったのだ。












さて、EGCの17番PAR4。アイアンのTEE-SHOTを真後ろから撮影した。
右ドッグレッグであり、ドライバーで右ブッシュ上越しにワンオンも狙えるが、この時はアイアンで正面にプレーシングである。アドレスからトップ、そしてフォロースイングと、無駄が全くない。力みも全く無い。どうしてそれであれだけ飛ぶのだろう、と不思議にさえなるほどのゆったりスイングだ。 



 


⇒右は18番PAR5。左ドッグレッグ。正面にはテレビ中継用のクレーンが見える。
写真では分かりにくいが、ドライバーの狙い目は、左側にある林越えである。まっすぐ打つとプロは正面の林中でロストになりかねない。

右写真⇒:女性のキャディを連れているのはご存知、ニック・ファルド。
本戦前とはいえ、このファッションはセンスが無さ過ぎる。白無地ポロに、細めの皺くちゃチノが非常に貧相に見えたのが印象的であった。もうちょっと、スタイルに気を遣って欲しかったのだ。最近復活の兆しもある。ファルド、がんばれ!


2004年度の優勝賞金は100万ディラハム(Dhs)。@¥33≒1Dhsなので、邦貨換算では約3300万円である。アメリカのマーク・オメーラが優勝した。タイガーやエルスらの並み居る競合を抑えての久々の優勝である。こうしたミドルパワーにもまだまだ頑張って欲しいゴルフ界である。

UAE・ドバイは現在も様々な建設・開発プロジェクトが進行中であり、日々変化が激しい中東のワンダーランドでもあるのだ。


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