旅行記 @

「バリ島、ウブドで想ったこと」 



バリを初めて訪問したのは1978年。

当時はまだインドネシアには入国VISA取得が必要であった。
ヌサドゥアでは3〜4階建以上の建築は禁止されていた記憶がある。それから25年以上経過したのだ。当然ながら、バリも大きく変化している。

今回はヌサドゥアに4泊、ウブドに3泊滞在した。目玉はウブドである。





(ウブドの森林にはため息〜)
森に入りたい。瞑想と自然の空気に触れたい。
森であればウブド、と前から決めていた。

前回、2年前にウブドでいくつかのヴィラを下見した。特にAMANDARIのコテージとプールは印象的であった。今回は吟味と厳選を期してPITA MAHAを試みたが満室で断念。最終的にはアユン川側のSAYANにある”FOUR SEASONS”にした。現在、バリにあるヴィラは3,000以上とも言われている。その頂点に位置するのがこうした高級ヴィラ。特に”BEGAWAN・GIRI・ESTATE”は知る人ぞ知る、世界NO.1のヴィラとも呼ばれる。90年代後半からこの手の巨大ヴィラの開発が進んだようだ。どこも道路からの入り口は車一台がやっと通れるような粗末な道であり、とてもではないがこのような施設がその奥に潜んでいるとは俄かには信じがたい。このFOUR-SEASONSにも度肝を抜かれた。まず、入り口に着くと、目の前に吊り橋が現れる。唖然として渡り切ると、そこはホテルの屋上。なんとそこは蓮池になっているのだ。周囲の景色も壮観である。ここから階段で降りると写真にあるロビー兼バーフロアに到着する。眼前に広がるウブドのジャングル。再度壮観、の一語に尽きる。カイロのGIZAのピラミッドを前にした時と似たような感動である。



(しばし目の前の壮大なジャングルをつまみにグラスを傾ける〜)

バーカウンターに座り、まずはマティーニを注文する。
目の前に仕切りなど一切無い。雨が降ればバーカウンターも濡れる。その時は席を少しばかり移動すればよい。全ては自然を受け入れることから始まる。あるがままに時間に身をゆだねる事が正しい。バリでのキーワードは”SLOW STAY”なのだ。

滞在中、長い時は夕方5時くらいから9時過ぎまで、夕食と共にこのバーで楽しむことは至福の時間であった。中東のナツメヤシの木とはまた異なる種類のパームツリーらしき樹海は一見の価値がある。聞けば、こうしたウブドの森にもホテルとは別にそれぞれ地主がいるらしい。まさか、目の前で新たな開発が行われては一大事ゆえ、FOUR-SEASONSはこうした地主とも「自然を守る、手入れをする契約」をしているそうだ。今や自然を人間の手なしに守るのは至難でもあるのだ。





(快適な山のリゾートホテル、フォーシーズンズ〜)

ホテルにはスパ、ジム、川沿いの2段プール、CD、雑誌、日本の書籍まで自由に楽しむことが出来る。因みに、ここは戸建のヴィラもあるが、メゾネットになったホテル式の部屋も十二分に快適である。ここでもNHK衛星放送や朝日新聞までもが届くのだ。ここはインドネシア、バリのウブドである。今や情報化の波は世界中、例外なく押し寄せていることを再認識させられるのだ。機内に忘れてきたバリ島ガイドブックも、このホテルでは日本人スタッフの援助もあり、何と「るるぶバリ」を拝借することも出来た。










ウブドの市内まで車で10分。散歩もかねて出かけてみた。ウブドは芸術の町(村)としても有名である。あちらこちらに美術館、博物館も点在する。まずはじっくりと連なる土産店を冷やかす。←左写真の女性後ろにある籠は「アタ」と呼ばれるバリ独特の籐製の皿、鞄、カゴである。価格は交渉次第。思わぬ逸品に巡り合える可能性もある。











⇒右の赤いTシャツの写真は、UBUD MUSICというCD店。なぜかハワイアンのようなギターとバリの地図をバックにしたTシャツが綺麗で一枚撮らせて頂いた。ウブドの中心部は30〜40分もあればぐるっと歩いて回れる。但し、あちこちにSTRAY-DOG、野犬らしき犬も多いので十分注意することだ。サヌールやクタのような繁華街では決してない。店も一軒、一軒がこじんまりと、のんびりと構えている。見たい人はどうぞご自由に、という雰囲気で、妙に売り込むとか客引きがいる言うギスギスしたムードは皆無である。今回はここで「蛙の石の置物」をひとつ購入した。???


インドネシア・ジャワ本島はイスラム教が主流であるが、バリではヒンドゥー教である。よって、ここではイスラムではご法度のブタも自由に食することが出来る。町中のレストラン前では子豚の丸焼きも一般的な光景である。野犬もたくさん、そのおこぼれを狙ってウロウロしているのだ。







(名物、ケチャダンスを見学〜)


夜になり、お目当てのケチャダンスを見学に再度ウブド町中に繰り出す。
小さな町の集会場らしき屋外の広場で午後7時より開始。ケチャケチャ、、、と例の掛け声と共に素晴らしいライブが始まる。あと10分で終わろうという頃、突然雷雨となった。観光客も、ダンサーも一目散に軒下へ避難して、三々五々に自然解散となったケチャであった。








(噂の、ベガワンギリで夕食を〜)

その後、夕食を摂りにベガワンギリへと向かう。
←左の写真がそのレストランである。ベガワンギリとは「賢者の山」を意味する土地の名である。1989年から8年の歳月をかけて英国人ブラッドレー・ガードナー夫妻がマレーシア人建築家チョン・ユー・クアンを迎え入れて完成させた、今や世界に誇る高級ヴィラである。雷雨の後の夜9時過ぎでもあり、テラス形式のレストランは少々寒かった。客は筆者以外には見えず。ここで注文するメニューも実は決めていたのだ。そのお味の方は、意外にも・・・? ぜひ皆さんご自身でお試しあれ。




バリ市内のビーチ沿いの喧騒から離れて、まるで別世界のようなウブド。
森の世界。村人と芸術、コミュニティーが一体化したウブド。そして、2002年10月のテロ爆破事件からようやく立ち直りつつあるバリであるがまだまだ経済的傷跡は大きい。次回、もし機会があればまたウブドの森でスローステイをENJOYしたいものである。


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