REGAL TOKYO     リーガル・トーキョー

SADDLE SHOES REF.B121




東京の名店、’REGAL TOKYO’が1月24日に閉店した。
通常のREGALラインとは全く異なるコダワリの靴の店がなくなるのは寂しい限り。
そんな’REGAL TOKYO’から昨年発売されたのがこのサドルシューズ。
一目で出来が良い靴、ということがわかる。
2010年1月、遂に『靴オヤジ』にとっての『最強のサドルシューズ』を入手することに・・・(2010/01/24)




(永遠のトラッドデザインであるサドルシューズの妙〜)

筆者にとっての『靴のデザイン5天王』のひとつがサドルシューズである。
基本は内羽根式で金属製ハトメがつき、切り替えし部分にメダリオンを配すること。
出来ればロングノーズ仕様であれば文句はない。
そんな理想に近いデザインで2009年5月にREGAL TOKYOから新作としてリリースされたのがこの靴である。



←左写真:
この靴の真骨頂はフランス・アノネイ社製の革と靴底のビブラムソールとの組み合わせにある。
表の『顔』にはスコッチグレインのような型押しされたカーフと濃茶サドル部分は水染めされたコードヴァンが用いられる。カーフの質感はきわめてソフトなので、足入れ感も極めて快適。
靴の内部もデザインカラーである赤で統一するところが、中々ニクイ演出だ。
靴底はビブラムソールであるが、フラットタイプなのでゴツゴツした印象はない。ハードな使用を前提とした歩き込む為のサドルシューズである。

個人的には表の顔よりも靴底のデザインに惚れている。
ソールとヒールの間の赤に塗られた革部分が非常にお洒落。艶かしい雰囲気たっぷりの、怪しいサドル、という風情だが、こんなサドルシューズは世界広しと言えどもこの靴以外にはあるまい。
もともとサドルシューズはアメリカに起源を持つので欧州ブランドでサドルを生産するメーカーは殆ど無い。





⇒右写真:
REGALTOKYOのアイコン的カラーである赤のシューバッグが付属する。
高級靴にはこうした独立式のシューバッグが多い。開口部の大きさといい、赤字に黒のタグといい、所有する喜びをこんなところにも散りばめてくれるのは、メーカー側としても靴へのコダワリと愛着を持つ姿勢の表れに他ならない。













(『買ってはならぬ時計と靴』、ではあるのだが〜)

これは自分なりの掟であるのだが、時計と靴は原則、買わぬことに努めている。
『そんな決心を覆すだけの魅力ある商品を出してみろ!』というメーカー側に対するアンチテーゼをも込めた『目標』でもあるのだが、この靴の場合、そんなこちらの決心を打ち砕くだけのハイレベルにあるのだ。
製品が発表された2009年5月、早速、銀座のREGALTOKYOを訪問した記憶がある。
当時は、その製品の完成度の高さに十分納得はした一方で、自分の『掟』を厳格に守り通した結果、購入を見送った経緯がある。
しかし、今回はそんな名店の閉店セールも重なった。
通常価格の3割引という予想外の魅力も加わり、あえなく屈することに・・・






←左写真:

全体の色彩トーンがオレンジというのは派手な部類にあると言えよう。
しかし、見方によっては非常に洗練されて落ち着いた色、でもある。
実は『靴オヤジ』はこのモデルをスーツに合わせることも検討している。
上下別々のセットアップスタイルに思い切って、足元に組み合わせる冒険も近々、試みるつもりだ。

場所は日本国内ではどうしても抵抗感があるので、海外での使用中心にしようかとも考え中だ。折りしも、筆者の生活の場が日本から海外へ移動するタイミングとも重なったこともある。
そんな新生活への自分なりの餞別の意味も込めて、このトラッドシューズと向こう数年間で濃密な関係を築くつもりである。










(ワイズ2E相当のスタイリッシュなデザイン〜)

極めて古典的なラウンドトゥには普遍的な安心感とデザイン的な安定感がある。
このラウンドトゥはかなり立体的でもある。
2Eではあるが、つま先からすでに十分な高さがあるので、幸いにも履き心地における圧迫感は皆無。
むしろロングノーズの恩恵か、ゆとりさえ感じるほど。26cmの長さは他のモデルに比べて0.5mm程長いが、実用における不具合はなさそうだ。何よりも新品靴の最初にありがちな窮屈感も無く、慣らし運転が不要な点は大変心強い。


6つの金属製ハトメといい、スコッチグレインのような型押し製アッパーカーフが絶妙なるカジュアル感を醸し出す。

筆者が認定する『世界最強のサドルシューズ』がこのモデルである。(2010/01/24)





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