J.A.RAMIS   J.A.ラミス 
(By MEERMIN-MALLORCA)

DOUBLE MONK U-TIP SHOES REF.12090 Black-Calf Size:8.5




スペインはマヨルカ島製のJ.A.RAMIS。伊勢丹オリジナル・ブランドである。
スペイン製はイタリア製と並び、革質の良さ・柔らかさが最大の特徴。
その良質な表皮でダブルモンク+ダイナイト・ソール搭載とくれば文句のつけようは無い。
残るは自分の足にジャスト・フィットするかにかかる・・・。(2009/11/08)




(ダブルモンク+ダイナイト・ソールの妙〜)

スペイン製といえばヤンコが真っ先に頭に浮かぶ。スペインのトラッド靴の雄である。
そのヤンコの創業者を父親に持ち、長男のホセ氏が2002年にマヨルカ島で創業したのがメルミンMEERMIN。J.A.RAMISはメルミンによる伊勢丹向けOEMブランドである。つまり、J.A.RAMISはメルミンによるブランドであり、ヤンコの『孫』にあたるブランド。ヤンコのDNAを受け継ぐスパニッシュ・トラッド靴の本家本流にあると言えよう。

こと靴に関してはブランドについて拘らないことは今まで何度も述べてきた。
最初に重要なのがデザイン。次に品質と価格のバランス。最後に自分のサイズにフィットするか否か。これが『靴オヤジ』の重視する3大要素。靴のブランド(メーカー)は二の次である。

このJ.A.RAMISは伊勢丹自社ブランドであり、実質はメルミンの別注品。そのデザインは中々どうして、名だたるトラッド系ブランドに引けをとらぬ種類を誇る。今回、たまたま発見したのがダブルモンク式Uチップである(disconモデル)。Uチップの処理は丸でスキンステッチの様(勿論、実際は全然違うが・・・)な雰囲気を醸し出している。つま先部分がスクエアのラインを描いているのは多少違和感があるが、このエッジ感が逆にモダンなデザインを生み出している。





⇒右写真を見ても分かる通り、色は黒と濃茶の2種類。
濃茶の方はつま先部分がより濃く、グラデーション光沢仕上げされており、全体的なムードも素晴らしくバランスがとれている。しかし残念なことに、サイズ在庫が無く、今回は黒を選択した。

黒は黒でまた異なる味付けとなる。
カーフ素材のような柔らかななめし処理された革は、重厚なダブルモンクとの相性も抜群。足首まで全体を適度に締め付ける加減が宜しい。Uチップ式ダブルモンクは珍しくはないのだが、思いっきりロングノーズに振ったデザインはモダンながらも、すこぶる落ち着いたトラッドデザインに纏め上げているのは流石である。

因みに今回のサイズ選択は8.5、26cm相当である。







(厚みあるダイナイトソールはクッション性も抜群〜)

濃茶色モデルのダイナイトソールには”メルミンMeermin”の文字が見えるが、MADE IN ENGLAND刻印もあり、間違いなく本場英国製のオリジナル・ダイナイト・ソールである。ダイナイトが持つ独特な2重突起は、ラバー全体のクッション性と相まって歩行感覚が非常に快適。このままゴルフでも使えそうな頑丈さを感じる。
因みに黒革モデルの靴底にはメルミンの文字は無く、はっきりと”DAINITE SOLE BRITISH MADE”と大きく刻印されている。

思えば自身の靴コレクションでダイナイトソールは今回が初。
ゴルフソールは幾つか所有するが、いつしかダイナイトへの”憧れ”があっただけに、今回はまさにダブルモンクと理想的な組み合わせで実現できた喜びは大きい。

ゴルフソールとの最大の違いは”スマートさ”にある。
ダイナイトでは突起部分の数と場所がゴルフスパイクのように限られているので、横から見たデザインは革底同様にすっきりしている。
ゴルフソールのように、いかにもビブラムっぽい凸凹感がないので、ハードでありながら威圧感の無いすっきりした見た目が何よりも特徴。






(本家ダイナイト・ソールの迫力は十二分〜)


ロングノーズ部分からだけでは、スマートな印象だけで、ダブルモンクやダイナイトソールが搭載されているとは想像できない。この辺の上質なるパッケージの上手さには素直に賞賛する。国産との最大の違いは革質含めたパッケージ力の差にある。

つま先へかけて急激に絞り込んでいるラインであるが、親指付け根と小指を結ぶ横幅ラインに十分なスペースが確保されているので幸い、足への負担や痛みも全く無い。最近では珍しい程、自分にフィットする靴に巡り合えた幸運に喜ぶ。

革質といい、デザインといい、こうした総合力では欧州ブランド、特に南欧系のイタリア、スペイン製ブランドには一日の長がある。日本製の靴では決して真似の出来ない剛柔織り交ぜた巧みの技が生きている靴、とでもいえようか。

今から履きこなすのが大変、楽しみである。(2009/11/08)




(加筆修正) 2012/6/06

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