考察シリーズ O

『宮崎あおい風』、カメラストラップ製作記の巻




デジタルカメラは面白い。
基本的に愛機はコンパクトデジカメ(コンデジ)であるのだが、
この程、遂にデジタル一眼レフ(デジイチ)を手に入れてしまった。
そちらのレポートは別途行うことにして、『カメラオヤジ』としては本体よりも周辺部材に興味が行く。
市販ストラップでは満足できないので、
この写真のような可愛いカメラストラップを自作することにした(2008/12/07)。



(イメージは『宮崎あおい風』、自作ストラップを目指す 〜)

2008年12月初。
年の瀬も迫ったこの時期、『カメラオヤジ』は新調したデジイチ用に気に入ったショルダー(ネック)ストラップ(以下、ストラップ)を探していたが、市販品では中々満足したデザインが見つからない。ストラップにCanonやらNikonやらのメーカーロゴがこれ見よがしに入っているタイプには全く興味が無い。

加えて今回、入手したカメラは初心者・女性用のイメージが強いE420。
『地球に優しいイメージ』のロハス系ストラップが似合いそうなカメラでもある。
市販品で発見したのは右写真にあるPanasonic G1用の網込み式ストラップ。メーカーロゴは補強革部分に控え目にある。色調含めた全体的な雰囲気はE420にもピッタリ似合っている。同じフォーサーズ規格(G1はマイクロフォーサーズだが)のせいか、この両機の持つイメージは酷似する。他社品ストラップを別のメーカー機種に使うことには抵抗があるのだが、このストラップのロゴは幸い小さいので自分なりに『隠す加工』を施すことで問題解決した(多分に自分の意識・納得の問題でもあるが)。
市販品としては現状最高の出来映えに位置する網込み式アースカラーのストラップである。重さは僅か40グラムと軽い。

しかし、狙いは冒頭写真にもある、ややワイルドな一本縄式のストラップ。
E410コマーシャルで使われた麻レース式ではなく、このカタログ写真のようなものだ。
てっきり、オプションで市販されていると思ったが、この手のストラップは丸で市販品ではない。自家製ストラップはネットでも目にするが、中々気に入るタイプが無い。

それではこの際、自分で作ってしまおうと即刻決断。
慌しい師走の中、年甲斐も無く材料を求めて早速、吉祥寺ユザワヤを訪問した。
以下、その製作記を・・・。




(←写真左: これが今回買い求めた部材4品〜)

●手芸用網込み式持手(クラフトハンドル)。長さ110センチ、綿100%。
  金具も既に付いた完成品。
●黄麻(ジュート100%)、25m
●赤系等、麻糸(アクリル50%混)、45m
●青色系、麻糸(アクリル50%混)、45m、共にルーマニア製。

以上で費用合計は2千円弱。
要領は、既製品クラフトハンドルに買い求めた麻糸をただただグルグル巻きにする。その単純作業を黙々と行うことになるのだ。
それにしても、ユザワヤの手芸・工芸用部材の豊富さには驚く。
特に麻糸の種類の多さには目移りしてしまう。因みに、ヘンプ(hemp)やジュート(Jute)は大別すれば麻に属するが、その種類の違いで呼称も異なる。






クラフトハンドルはそのままでも使える網込み式の完成品。
こうしたものではなく、もっと安いコットン製の太い紐を芯材に使っても良いのだが、時間節約の為に既製品をベース素材として選択する。

これにやや太目のジュート糸をグルグル巻いてゆく。
意識的に力を加えて、締め付けるように硬めに糸を巻く。
金具部分はやや太巻きに、そして首にかかる部分は特に太巻きとする。












ベースとなるストラップ完成品がこちら。
ここまで開始から1時間経過。

これに色が付いた麻糸を更にひたすらに巻きつけて行く。
地色が麻色なので、色糸の間から地色が見えても違和感は全く無い。
首にかかる部分の太巻き加減もイメージ通り。
しかし、結構、重量感を感じるカッチリとした作りとなる。













今回の色糸は赤系と青系。
左右手元部分には青色を、その他の全体部分は赤色中心にツートーンカラーをデザインする。まずは取り付け部分の左右両端に写真の様に青系の麻糸を巻き付けて行く。

均一に巻くのではなく、手製の不均一さを敢えて表現するために太さには微妙な強弱を付けて行く。

糸のほつれを気にする場合には、巻き付ける段階で木工用ボンドを少量づつ塗布しながら行っても良い。乾燥すれば透明になるのでボンドがはみだそうとも気にならない。









次に、赤系等の麻糸を巻き付ける。
糸の色が最初から単色ではないグラデーション付きなので、ただただ無造作に巻きつけても手作り風の仕上がりが容易となる。

ちょっと黄色系等の色彩も欲しくなる。
あーでもない、こーでもない、と仕上がりのイメージを重ねつつただただ巻いて行く単純作業が続く。
洗濯バサミとかで糸の接合部分を留めたり、糸巻き作業の効率を考えてこうして工夫をしつつ進める事になる。










(←こちらが完成品の初・自作ストラップ〜)

最終的にこうなる。
芯材、ベース麻糸、色付き麻糸の3重構造となったので、重量は可也重めの110グラム。イメージとは異なり、結構、ガッシリとしたストラップになってしまった。

今回は麻糸を巻きつけたが、細い色付きの革紐を巻き付けることも面白いかもしれない。
こうして自作してみて分かったのだが、冒頭写真の広告用ストラップは耐久性度外視の、あくまでもファッションとして作られたように感じる。何故なら、カメラ本体へは麻紐で直接、結ばれているからだ。実際のカメラは1キロ近い重量であり、これを落下せずに支える為にはストラップにもそれなりの強度が求められる。特にカメラとの接合部分と金具を使う場合にはその形状が一番重要だろう。







実際に首からカメラをぶら下げたのがこちら。
当初のイメージ通りとは行かないが、初めての思い付き製作としてはまあまあの出来映えか。完成までに要した時間は約2時間強。
それなりのコツを覚えれば作る喜びも感じることが出来よう。
麻糸の性質上、使用中にケバ立ってくるだろうが、それが素材の味というもの。
但し、本来の目的であるカメラ撮影に神経質な人であれば、カメラ・レンズへのケバ立つゴミの付着が嫌われるかも知れないが、そもそもこんなストラップは実際には市販されていないので無用な心配だね。

昨今、デジイチを使う女性ユーザーも確かに目に付く。
そうであれば、尚更こうした個性ある、デザイン面でもお洒落に工夫したストラップが欲しいのだが、そうした需要と市場のニーズは実際にはまだまだ低いのだろうなぁ。





(仕上げに金具部分にカバーを作る〜)

気になるのは金具部分。
金属製部品を使う場合には、ガチャガチャするのでカメラ本体に傷が付かないようにカバーが必要だ。
今回は透明ビニールで筒状の傷防止カバーを作ってみた。
余談だが、この透明ビニールは厚みも種類が豊富で、時計店では文字盤部分の傷防止用として展示品に巻きつけている光景を良く目にする。実は筆者所有の時計にも、そうした簡易保存のテクニックに使っている優れものだ。

やや厚みあるビニールを下写真(↓)のようにスッポリと金具部分に被せてストラップを装着する。
こうして完成した自作ストラップを付ける事で、もともと携帯性に優れたE420の機動力が更に高まるかも知れない。
デジタル一眼カメラはファッション?と考える方にもお薦めの自作ストラップではあるまいか・・・。(2008/12/07)





















⇒ 旅行、その他のページに戻る

(このWEB上の写真・文章等の無断転載・無断複写はご遠慮下さい。)

TOPに戻る