![]() 久々に衝動買い、である。 買ってはならぬ『靴と腕時計』ではあるが、このデザインには完全にやられた。 以前から気になっていたサイドゴア式ウィングチップ。 コストパフォーマンス抜群の国産品REGALから2008年春夏の新製品として登場だ。 |
![]() 昨年秋冬モデルとしてY906CBというサイドゴア式ウィングチップが登場したが、今回はそのモデルの派生版。ストレート・チップのdiffusion modelとして新たに登場したのがこのモデル。 サイドゴア式のSLIP-ONというのは利便性から可也普及しているが、どれもこれもがデザイン面でひどすぎる。何よりも、高級さ、トラッドらしさは皆無のデザインが多い中、ようやく待ちに待ったモデルが国産でも現れたと言う感じだ。 サイドゴアは本来、好みでない。やはり紐靴やモンクストラップが伝統的、本流と考えているが、このサイドゴア式ウィングチップは一目見てそうした紐靴にも引けを取らないデザインが魅力だ。 無難なラウンド・トゥに押さえているのも好感が持てる。 流行のチゼルトゥには敢えてしない(多分にコスト面での負担からと、解釈するが)ことも宜しい。 ![]() (最大の良さは甲の部分の高さにある〜) サイドゴア、つまりゴムバンド式であるが、多くの靴のデザインは非常に垢抜けない、だらしない最終形となってしまう。このモデルではツボを押さえて、各パーツのデザインを丁寧に処理してある。加えて最大のデザイン的な特徴、長所は甲の部分の、のっぺりした一枚革とその高さにあると感じている。 靴紐やハトメが無いだけに、余計にロングノーズが強調されるのであるが、冒頭の一枚目写真でも分かるように大変すっきりした顔つきとなる。Wモンクストラップとも共通した点ではあるが、それ以上にスマートなデザインだ。何と言ってもエラスティック、ゴム部分の見せ方、そのゴム上の革パーツの貼り方が正攻法で非常に宜しい。 加えて、甲の部分の高さ、所謂、ベロ(タン)の部分に相当する高さが一枚革でピタリと吸い付くように足に密着するのはかつてない快感。ワイズの2Eも相まって足への密着度は紐式同等かそれ以上、と言っても過言ではない。歩行中に靴が脱げそうな恐れを抱くことも皆無。筆者の足型(ラスト)に合っているのかも知れないが、サイドゴアの締まり具合も絶妙である。革素材はカーフではなくキップのガラスであるが、2万円代真ん中の靴にしては可也の出来映えとパフォーマンスであろう。 (⇒右写真: ON-DUTY、ドレスアップ用は勿論、特にジーンズにも似合うのがトラッドシューズの証 〜) ![]() このアングルで見ると甲の部分が如何に深いかが分かろう。 靴の脱ぎ履きにはシューホーンが無いと不可能。 履いた瞬間、空気がシュポッと抜ける音がするのも、それなりである。 メダリオン大好き『靴オヤジ』としてはトゥとヒール全体に飾られた控え目の細かいメダリオンも好感が持てる点だ。 SLIP-ONシューズは、そのデザインからして仕事用、ON−DUTYでは一般的にはイマイチであるが、このモデルは別格。英国靴でも老舗ブランドがサイドゴア式を作っている程で根強い人気があるものの、そのポピュラー度合いでは圧倒的にマイナー。但し、本格派ブランドが作る靴に共通しているのは、トラッドさ加減を確実にデザインに反映させていること。 筆者の場合、サイドゴアを隠すことはせず、逆に敢えてスラックスの裾丈はジャストフィットのワンクッションで、決して甲の上でダブつかぬように気を付けている。 このモデル、シルエット的にはWモンクストラップや、フェラガモのサイドストラップにも似ている。 大変と落ち着いた印象を与えてくれるのは、やはりトラッド路線のデザインで纏めた原因であろう。 そしてサイドゴアもこのモデルのようなストレート・ウィングチップとなると極めて新鮮に映るものだ。 可也のお気に入りで現在、活躍中のモデルであるのだ。(2008/03/09) ⇒ 靴のページに戻る |
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